見出し画像

自分に合った「学び方」に出逢える漢字学習

漢字学習を子供たちに任せることで、子供一人一人が自分に合った学び方を見つけていくという話をします。

漢字学習における自由進度学習の概要については、以前の投稿で詳しく書きましたが、簡単に説明すると、次の4つのポイントがありました。

1. 子供たちは漢字をどんどん進めてもOK。進み具合の上限は設けない。
2. テストは金曜日だけでなく、木曜日や水曜日に受けてもよい。
3. 子供自身が希望すれば再テストOK。
4. 国語の最初の5分間を「漢字タイム」とし、毎日漢字の時間を設ける。

個々の学び方が枝分かれする姿を見守る

子供たちに漢字学習を任せると、最初は同じような学び方をしていた子供たちが、どんどんと学び方を枝分かれしていきます。これが実に面白いんです。

5人のモデルケースを紹介

今回は、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、それぞれの子供たちの「漢字学習の学び方」を紹介します。

Aさん:視覚的なイメージを大事にする学び方

Aさんは、まず「漢字の意味」をしっかり固める学び方をしています。新出漢字が出ると、イラストや使い方に注目し、パソコンでGoogle検索をして調べます。Aさんは、画像のタブをクリックして漢字をイメージしてから書き始めるんです。視覚的なイメージを持ってから学習したいのだと思いますね。

Bさん:書くことを重視した学び方

Bさんは、とにかく「書く」ことを大切にしていて、漢字一文字ではなく熟語をノートにびっしりと書きます。その後、吹き出しやキャラクターを付け加えて意味を補足していく学び方をしています。

Cさん:テストを繰り返す学び方

Cさんは、ひたすら「テストをする」学び方です。金曜日のテストに向けて、月曜日から自作のテストを作って解いています。最初は20点ぐらいですが、これがどんどん上がっていきます。とにかくテストを繰り返して慣れていくのがCさんの学び方です。

Dさん:デジタルツールを活用する学び方

Dさんは「パソコン大好き」という学び方です。パソコンの中の有効なコンテンツを使いこなします。フラッシュカードに挑戦したり、書き取り問題を楽しみながら解いたりしています。AIによる書き取りの判定が厳しいですが、それを楽しんでいるようです。

Eさん:興味関心から学び始める学び方

Eさんは、「好きな漢字から覚える」という学び方です。この方法を使っているのは、後にも先にも、Eさんだけです。漢字ドリルを配られると、自分が学びたい漢字から学んでいきます。週の「課題テスト」の漢字ももちろん学びますが、それ以外は自分の興味関心を切り口に学んでいます。Eさんは、部首でまとめて覚えることも得意です。例えば、糸へんの漢字を一気に覚えるなど、効率が良い学び方をしていました。

自由進度学習がもたらす効果

これが5人のモデルケースですが、どうですか?自由進度学習を始めた当初は似たような学び方をしていた子供たちが、毎日5分間任せていると、いろいろなことを試し始めます。さすが好奇心の塊だな、という印象です。

子どもたちの試行錯誤に驚いたり、学級通信で紹介したり、他の人の学び方も試す時間を取りながら、子供たちは自分に合った学び方を確立していく、といくという紹介でした。
ぜひ、学習者主体の漢字学習を取り入れてみませんか?子供たちが「自分に合った学び方」に出会える最初の立会人になれるかもしれません。

「頑張って成果を出す」ことも大切です。
しかし、これだけ多様な「学びの選択肢」がある時代。
「無理なく成果が出ちゃう」やり方を見つけていくことも大切だと考えています。

次回は、「学習進度が遅い子が生まれる理由」について、詳しくお話します。

★★★
音声で聞きたい方はVoicyで話をしていますので、どうぞ。

2023年、2024年の3月に単著を出版させていただきました。こちらもご興味あれば、どうぞよろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?