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学習進度が遅い子が生まれる理由

「学習進度」に関して、いただいた質問にお答えしたいと思います。

質問内容は、学習進度が遅れてしまう子へのフォローや取り組みをどうしているかというものでした。こちらにお答えしていこうと思います。

仕組みから見直そう

自由進度学習なので、子供たちに学習進度が可視化されているわけですから、心配になるのは当然のことだと思います。まず結論からお話しますね。結論は何かというと、仕組みから見直すことです。ぜひ、仕組みから見直してみてください。つまり、その子が学習進度が遅れていると感じるのは、進度が遅いと先生や友達から思われるような仕組みになってしまっているからだと思うんです。

自力解決の時間を5分取ります

少しイメージしづらいかもしれないので、事例を二つお話しますね。まず一つ目です。例えば、自分のノートに「自力解決の時間で5分間考えましょう」という仕組みがあったとします。しかし、この仕組みにおいて、7分あれば考えを書ける子は、進度が遅れている子と見なされてしまいます。この仕組みにおいては、自力解決の時間が7分であれば、遅れている子とはならないわけです。さらに、そもそも教師が「5分間どうぞ、タイマーが鳴るまでどうぞ」といった授業形態でなければ、遅れることもないわけですよね。これが一つ目です。

なぜ、あの子は遅いのか?と考える前に考えること

次に、事例の二つ目です。低学年では帰る準備が遅い子が出てきやすいと思います。高学年でもありますが、それも、その子がなぜ帰る準備が遅いのかを追求しがちなんですよね、私たち大人は。その理由はいろいろ考えられます。
例えば、動きがゆっくりであるとか、友達から話しかけられたらそれに気を取られて話してしまうとか、必ず家の人と約束していて「帰る前にトイレと手洗いとうがいを必ずしなさい」と言われているとか、いろいろな理由があると思います。それらを改善することももちろんできますが、その子に大きな負担がかかってしまいます。
例えば、動きがゆっくりである子に「もっと早く動きましょう」と教師が働きかければ、最初の数日は頑張ると思います。でも、1ヶ月後もその子が速く動けるかというと、それは難しいでしょう。だからこそ、仕組みの見直しが必要だと思います。なぜその子が遅いのか、ではなく、なぜその子が遅いように感じてしまうのか、ということを考えてみてください。

質問に答えてはいないですが、問いかけます

質問いただいた方、ありがとうございました。漢字ドリルを例に挙げていただきましたよね。私も、以前、漢字ドリルの進度が遅いと感じる子がいて、何度も催促していました。「どうして何度も繰り返しになるのだろう」と思っていました。当時、やり直しのページに黄色の付箋をつけていて、それがまるでフライドポテトのように見えて、「ドリルからフライドポテトがはみ出しているな〜」と心の中で思っていたのを覚えています。それぐらい、進度が遅い子について悩んでいた過去があります。
ぜひ、まず自分で少し考えてみてください。応援しております。

そもそも、なぜその子は漢字ドリルの学習進度が遅れていると思われてしまっているのでしょうか?

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音声で聞きたい方はVoicyで話をしていますので、どうぞ。

2023年、2024年の3月に単著を出版させていただきました。こちらもご興味あれば、どうぞよろしくお願いします。


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