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目標管理に成功している中小企業が使っている手法と道具

先日、宣伝会議のWebメディア『アドタイ』で、『プ譜』をつかって目標管理に成功しているシーベル産業株式会社さんの取材記事が公開されました。

前後編で約9,000字の長編記事になったのですが、そこでは語られていない取材に至った経緯や、記事化してから気づいたことなどをここに記録しておきます。

取材に至った経緯

きっかけはシーベル産業の代表取締役、黒沼健一郎さんのⅩのリツイートでした。黒沼さんとは、かつて拙著について言及くださっていたことから相互フォロー関係になっており、タイムラインに下記の投稿が流れきて、そのプロジェクトの内容に非常に興味をもったのです。

私は規模や種類を問わず、企業や個人のプロジェクトの成功までの過程や、成功していたときの構造を「プ譜」で可視化するという活動をライフワークにしています(これを「採譜」と呼んでいます)。

シーベル産業さんの「全面糊殺しPOP開発」プロジェクトもぜひプ譜にしたいと思ったのですが、取材についてお話をしていた中で、「プ譜を中心に目標管理が回っている」ということを聞きました。「目標管理」と検索すれば、以下のようなネガティブなワードが続くように、目標管理がうまくいっていない企業は少なくありません。

そこで、まずは「プ譜を中心に目標管理が回っている」お話を取材させていただくことになりました。

実はご近所のシーベル産業さん

シーベル産業さんと拙宅は川向のご近所さんで、クロスバイクで50分ほどの距離にあります。

関東平野をひた走り…、

自転車一台分しか通れない利根大堰を渡ります。

うっかりすると転落しそうで怖いです…

ここから先の話はアドタイの記事を読んでいただきたいわけですが、アドタイの記事は文字量が多いので、ここで図をつかって記事の要約をしておこうと思います。この図を見ていただいて、記事を読むかどうかを決める材料にしていただければ幸いです。

社員のプロジェクト起案が絶えない体制の概要図

記事の見どころの一つは、シーベル産業さんがプ譜だけではなく、コーチングや1on1という手法、TeamやOnenoteというITツールを組み合わせている点です。

記事からもこの点を引用しましょう。

対話の道具としてプ譜があり、対話の方法としてコーチングがあり、対話の場として1on1がある。これらがうまくマッチしたのではないかと思います。

社員のプロジェクト起案が絶えないシール印刷会社 秘訣は「プ譜」の活用にあり

使用しているツール、手法を一覧にすればこうなります。

記事では、それぞれのツールでどのようにプロジェクトの対話がなされているかといった実際の画像を見ることができます。

これらのツールと手法を組み合わせた結果、起きている良い変化は下図のようになります。

記事からも良い変化を引用して紹介しましょう。

プ譜が社内の標準になったことで、プロジェクトが起案され、実行に移るまでのスピードが上がりました。今まではプロジェクトを始めてみようとなっても、企画書のつくり方は標準化されておらず、それぞれ違いました。

社員のプロジェクト起案が絶えないシール印刷会社 秘訣は「プ譜」の活用にあり

プ譜で書けば目標と成功の定義が何で、どのようにそれを実現しようとしているのかという起案者の考えがわかります。プロジェクト申請時に上司や経営者がプ譜を見ることでフィードバックしやすくなりました。同じ絵を見ることで、コミュニケーションがしやすく、早くなったのです。

社員のプロジェクト起案が絶えないシール印刷会社 秘訣は「プ譜」の活用にあり

プロジェクトの成功率が上がりました。プロジェクト申請の対話がTeamsで公開され、同じく進捗状況がOneNoteで公開されていることで、周りのサポートを得られやすくなりました。今までは一人で抱えてしまって失敗していたプロジェクトが、同じ部署や他の部署の社員の知恵や手を借りることで、プロジェクトの成功率が上がってきました。

社員のプロジェクト起案が絶えないシール印刷会社 秘訣は「プ譜」の活用にあり

社内のコミュニケーションが増え、人間関係も良くなりました。社内で起きる人間関係のトラブルの原因の多くは、考えや認識のズレにあります。プ譜に表すことで、ズレの存在がどこにあるのかがわかるようになりました。

社員のプロジェクト起案が絶えないシール印刷会社 秘訣は「プ譜」の活用にあり

(これらの成果が積み重なって)社員が自主的に動き始めるようになりました。プ譜を導入して3年目になりますが、今では一般職からも「こんなプロジェクトをやりたい」とプ譜がTeamsに上がってきます。社員に「やってみよう」という雰囲気が広がってきています。

社員のプロジェクト起案が絶えないシール印刷会社 秘訣は「プ譜」の活用にあり

こうした成果を得た工夫には下図のようなものがあります(濃紺に白抜き文字で記載されているもの)。

図はあくまで記事のポイントを要約したものであり、実際の運用上の工夫は記事に詳しく、超具体的に書かれています。
ここまでの図を見ていただいて、みなさんの課題を解決できそうであれば、ぜひアドタイで記事をご覧になってください。

最後に、シーベル産業さんが目標管理に成功している構造を「プ譜」で可視化して締めくくりましょう。
AIをつかって記事内容を要約するのもいいのですが、プ譜をつかって要約すると、より成功の構造、各構成要素の関係性が理解しやすくなります。

上図を手元において記事を読んでいただくと、シーベル産業さんの成功の要因や工夫が腹落ちしやすくなると思います。

最後に、みなさんへのお願いがあります。
記事の冒頭にも書いたように、私は世の中のさまざまなプロジェクトをプ譜で採譜することをライフワークとしております。
過去、拙著やブログを読んでいただいたり、プ譜のセミナーやワークショップに参加頂いた方で、プ譜をつかって何かしらの仕事を回していらっしゃれば、ぜひこの採譜活動にご協力いただけないでしょうか?もちろん、今回の記事をきっかけに取り組み始めてくださった方も大歓迎です。

みなさんからのメッセージを、心よりお待ちしております。

未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。