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課題や身につけたいスキルから選べる、初心者向けプロジェクトマネジメント講座&研修


初心者が講座や研修で身につけたいプロジェクトの基礎的な知識とスキルとは?

プロジェクトを成功させるために知っておきたい知識や身につけたいスキルは多岐にわたります。
私が過去かかわってきたプロジェクトは業界も規模も様々で、海外子会社の経営改善プロジェクトというものもあれば、動画を活用した非対面営業体制構築プロジェクト、店舗のバッグヤードの改善プロジェクトなど、畑の違うプロジェクトを体験してきましたが、どんなプロジェクトでも「これは抑えておきたい」という基本要素があります。それが下記の図です。

この図は、プロジェクトに限らず様々なモノゴトの構造を可視化するツール「プロジェクト譜(略してプ譜」)」といいます。

右下の「獲得目標」には「プロジェクトを成功させる」という目標があります。上の「勝利条件」と左端の「廟算八要素」は今は気にしないでください。身につけてほしい知識やスキルは、真ん中の「中間目的」欄に記載しています。そして、それらの知識やスキルを身につけるための方法が「施策」欄に記載されています。

初心者が身につけておきたい5大要素

私が考える、どんなプロジェクトであっても普遍的に身につけておきたい5大要素は以下になります。

  • 失敗の因果を知っている

  • 自分の言葉でプロジェクトを語れる

  • 未来に成功している構造を表現できる

  • 他者と協働し、他者をエンパワーメントできる

  • ふりかえり、適切な意思決定ができる

研修講師や研修企業の方々の経験や所属業界からすれば、抜けているもの異論のあるものがあると思いますが、ここで扱うプロジェクトとは、中学生のプロジェクト学習から企業のプロジェクト、サークル活動など、ありとあらゆるプロジェクトを対象としています。そのため、業界に特化した講座や研修をお望みであれば、そちらのプログラムを受講することをお勧めします。

SEプラスさんで提供しているオンライン講座

私は定額制IT研修サービスのSEプラスさんの「SEカレッジ」で、プロジェクトマネジメント初心者の方や経験の浅い方向けに、下記の4つのオンライン講座講師を務めさせていただいています。

今回、24年度後半から「プロジェクトマネジメントのための構造化スキル」という講座を新たに始めることになったのですが、SEプラスさんで提供している講座が上述した5つの要素と対応していることと、SEプラスさんで提供している4つの講座を選びやすくなっていただく(どの講座を受講するかの判断コストを下げる)ために、各講座の内容や特徴を簡単に紹介しつつ、スライドもチラ見せいたします。


プロジェクトが失敗する因果関係をおさえておく。

プロジェクトが失敗する原因として、「要件定義が不十分」「追加作業が発生、仕様変更が相次いだ」「稼働スケジュールに無理があった」といったことをよく聞きます。
しかし、そうした原因はそもそもなぜ起きたのでしょうか?「原因の原因」を突き止め、予防しておくことが、問題の発生を防ぎ、問題が起きたときでも軽症で済ませることができます。

オレンジで色をつけているのが該当箇所

事前に知っておきたい! プロジェクトの「病態関連図」

この講座は、プロジェクトで発生、遭遇する問題を「病(やまい)」に見立て、その症状と原因が複雑に絡み合う図にまとた「病態関連図」を用いて解説するというものです。
時間は90分です。

自分の性格や特性、プロジェクトの失敗経験や心配事から選ぶ。

講座では10個の問診を用いて、自身の「あいまい耐性」や意思決定のクセや好みを確かめるコーナーがあり、その結果からプロジェクト進行において気をつけるべきことを紹介しています。

未経験者でも読みやすい、書籍の処方箋もご紹介。

また、症状に合わせて予防や対処療法に効く書方箋も紹介しています。書籍はプロジェクトマネジメントの専門書だけでなく、病態関連図の症状に合わせて漫画、映画、小説などの分野からも紹介するようにしています。

講座で用いるスライド(抜粋)

SEカレッジさんでは『事前に知っておきたい! プロジェクトの「病態関連図」』という講座で開催しています。


自分の言葉でプロジェクトを語れるようになろう。

プロジェクトの「真の希望」を言語化せよ。

プロジェクトを前に進めるためには、相手の要求やイメージを「言語化」することが必要です。しかし、多くのクライアントはプロジェクトの目標は持っていても、それがどうなったら成功と言えるのか?という「真の希望」を持っていません。「真の希望」を言語化するには、クライアントに問いかけ、対話を重ねて生成していく必要があります。

オレンジで色をつけているのが該当箇所

プロジェクトを前に進める! 問いかけの方法論

本講座では「問いかけ」をする際に便利な「問いかけリスト」や、問いかけ時に必要なマインドセットに加え、問いかけのミニレッスンも用意しています。
時間は90分です。

問いかけは未経験者でも獲得しやすいスキル!

プロジェクトマネジメントでは一定当該領域のドメイン知識が求められます。しかし、問いかけのスキルはそうしたドメイン知識とは関係なく習得できるスキルです。講座では「ソクラテス的手法(別名、産婆術)」と呼ばれる質問方法を紹介し、ミニレッスンと合わせてスキルの習得を促すことを企図しています。

講座で用いるスライド(抜粋)

SEカレッジさんでは『プロジェクトを前に進める! 問いかけの方法論』という講座で開催しています。同講座概要は下記をご覧ください。


プロジェクトの構造、全体像をつかもう。

言語化するだけでは不十分。言語化したら構造化。

テーマや規模の大小を問わず、何かしらのプロジェクトに取り組むとき、なんだかモヤモヤして考えが整理できなかったり、自分の考えをうまく表現できなかったりすることはないでしょうか?
また、どうにか表現したものを他者にうまく説明できず、他者にうまく伝わらなかったり、誤って伝わってしまったり、意見の食い違いを修正できなかったりすることはないでしょうか?さらには、打った手や採用した手段が成果につながらないということもないでしょうか? これらの問題はプロジェクトの構造をつかめていないこと、構造化ができていないことが原因です。

オレンジで色をつけているのが該当箇所

プロジェクトマネジメントのための構造化スキル

構造をつかむことができれば問題の所在、原因、解決方法がわかります。構造を適切に表現することができれば、他者との意思疎通もスムーズになります。
本講座では構造化の記法の紹介、より良い構造化のための原理と技法の解説、それとセットになったドリルの出題とフィードバックを通じて、仕事ですぐに実践できる構造化の道具の使い方とスキルの習得を目指します。
時間は180分です。

構造化のメリットをわかりやすく解説。

プロジェクトでは様々なドキュメントを制作します。文字が中心の議事録。スケジュールとタスクを確認するためのガントチャート。関係者を把握するための組織図。こうした講座のメリットデメリットを解説し、未経験者でも安心して扱うことのできる構造化のフレームワークを紹介します。

ケーススタディの演習が豊富!

構造と一口にいってもその内容は様々です。静的な構造もあれば、他の要素の影響を受けてガラリと変わってしまう動的な構造もあります。講座ではそうした構造の原理を理解し、自分で構造化するための練習問題を6つ出題します。
テーマは、Webサイト制作というオーソドックスなものから始まり、日本酒づくり、おにごっこの新ルールの創造など、ユニークな、しかし本質的な原理原則を学べるものを用意しています。

講座で用いるスライド(抜粋)

SEカレッジさんでは『プロジェクトマネジメントのための構造化スキル』という講座で開催しています。同講座概要は下記をご覧ください。


5つの要素の全エッセンスを抑えた定番講座

認知コストをおさえることが未経験者が成功する鍵になる。

未知なプロジェクトの不安を解消するためには、無限定な状態を限定すること。プロジェクトの全体像、全体と部分の関係を明らかにすることが欠かせません。そして、それをできるだけ認知コストをかけずに表現し、ステークホルダーやプロジェクトメンバーに共有し、理解させることが必要です。 認知コストが高いほど、プロジェクトの仮説を立てる時間や合意形成にかかる時間が長くかかってしまいます。時間がかかるほど、メンバーの士気が下がり、プロジェクトの不確実性が高まってしまいます。

オレンジで色をつけているのが該当箇所。黄色は少し薄い内容。

新人PMに伝えたい! 見通し不安なプロジェクトの切り拓き方

この講座は初めてプロジェクトマネージャーやリーダーとしてプロジェクトを任された方や、未知のプロジェクトに取り組むことに不安を抱えている方を対象にしています。受講後には、皆さんが取り組むプロジェクトの見通しが立っていることを目指します。
講座では認知コストを抑え、紙1枚で表現できるプロジェクトの仮説と判断基準のつくり方と、プロジェクト開始後の様々な変更・変化に対応するための方法を解説し、受講物の皆さんにも体験頂きます。
こちらも時間はたっぷり180分です。

未経験者でも実践ですぐに使える考え方と方法をセットで伝授。

本講座は、ここまで紹介してきた病態関連図、言語化(問いかけ)、構造化の講座のエッセンスを抑えつつ、プロジェクトメンバーとの合意形成や、プロジェクト開始後のふりかえりや計画の更新方法についても解説しています。特に講座で使用するプロジェクト進行のフレームワーク「プ譜」を、明日からすぐに使いこなせるようになるための、わかりやすい解説と練習問題を提供しています。

講座で用いるスライド(抜粋)

SEカレッジさんでは『新人 PM に伝えたい!見通し不安なプロジェクトの切り拓き方』という講座で開催しています。同講座概要は下記をご覧ください。


合意形成やふりかえりの技法もあります。

SEプラスさんでの講座は以上の4種類となりますが、他にもプロジェクトメンバーとの「合意形成」や「ふりかえり」の原則と方法を解説、体験するワークショップ型の研修もご用意しています。

リーダー未経験でも発揮できるリーダーシップ。

プロジェクトマネージャーやリーダーを務めるといっても、あらゆる分野でメンバーより豊富な知識や高いスキルを持っていなければならない、なんてことはありません。研修ではメンバーの力を最大限引き出してマネジメントしていくための「分散リーダーシップ」や「委任戦術」などの手法を紹介しています。

オレンジで色をつけているのが該当箇所

ふりかえりなしに仮説の良し悪しはわからない。

プロジェクトでは最初に立てた仮説通りにゴールまでたどり着く、ということがほとんどありません。プロジェクト未経験者は仮説通りにいかないことで、多大なプレッシャーや焦りにさいなまれますが、プロジェクトを「管理」するのではなく、「編集」するというマインドセットになってみると、計画外の出来事ですら、それを契機・素材としてプロジェクトを進めていけるようになります。
研修ではそうしたプロジェクトマネジメントならぬプロジェクトエディティングの考え方を取り入れたふりかえり方や意思決定方法を、ワークショップ形式で解説、体験いただきます。

オレンジで色をつけているのが該当箇所

講座、研修の「わかる」と「できる」の差を埋める実践的な仮想演習

未経験だからこそ練習を重ねることが重要。

プロジェクト未経験者が熟達するには、プロジェクトの場数を踏むことが何より重要です。しかし、会社ではそうそう何度もプロジェクトの経験をすることはありません。また、いつ本番に出てもいいように、練習用のプロジェクトを用意してくれることもありません。
プロジェクトでは物理的な「実践的な訓練」を事前に課すことはほぼできません。スポーツのように実践してみて、それを指導者が批評しアドバイスするということができません。指導者による実演と学習者による (意図的な) 模倣ということがプロジェクトではできないのです。
講座や研修でいくら基礎知識をインプットしたとしても、それを実践で活かすことがなければ、その知識や技法は身に付きません。講座や研修はスキルの獲得を保証するものではまったくないのです。
そこで、この問題を少しでも解消するために、ここまで紹介してきた講座や研修では必ず参加者のみなさんが学んだ知識や技法を実践する練習問題を用意しています。

練習問題の一例

初心者でも取っつきやすい練習問題を多ジャンルから提供。

練習問題はスポーツ、医療、科学、広報、動植物、ビジネス、歴史など多岐にわたり、そのメディアもWeb媒体、新聞、SNS、映画、漫画、小説など様々です。
多種多様な分野から出題することの意義は、プロジェクトの原理原則や教訓を違う角度から体験するためです。原理原則は取り組むプロジェクトが異なったとしても通用する普遍性を持つものですが、自分が従事している仕事や所属している業界の事例では気付かなかったことが、他の分野の例から明白になり、腹落ちするということが多々あるためです。

練習問題の定期的なオンライン提供とフィードバックも可能。

講座では4~6つの練習問題を出題していますが、200以上ある練習問題からご要望に合わせて定期的に提供し、その回答を参加者全員でフィードバックし合うオンラインプログラムの提供も可能です。こちらの詳細については別途お問合せください。

下記はご参考まで、宣伝会議さんのWebメディア『アドタイ』で誌上提供したドリル例です。


課題や関心のあるものからプログラムをお選びください。

ここまで講座と研修の内容を紹介してきました。どれを選ぶかは、みなさんが個人としてどんなプロマネになりたいか?どのようにプロジェクトを成功させたいか?といった「勝利条件」と、「社員のどんなスキルを向上させたいか?」といった今現在のリソースや得手不得手、置かれている環境や状況によってお選びください。

カスタムメイドの研修も可能です。

もしそこで既存の講座でピッタリくるものがなく、アレンジが必要ということであればカスタムメイドした研修プログラムを提供することも可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

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前田考歩
未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。