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【読書記録】本を守ろうとする猫の話

物語自体は一気読みだった。児童文学を楽しんでいる感じ。だけど、裏にある本の知識はすごいんだろうな、そんなことを感じさせてくれる本。

帯には、21世紀版の「銀河鉄道の夜」とあった。ジョバンニ?もう一回読み直そう、忘れている。
シェイクスピア、デュマ、フッサール、ゲーテ、スタインペック・・・・・。ちょっと手が出せないなあ。
でも、最後にはガルシアニマルケスの「百年の孤独」を手にしたくなった。最近文庫本で本屋でよく見るし、私もその、わけわからないのを感じてみたい。


「本を守ろうとする猫の話」というタイトル、そのまんまの本だった。本も、猫も好きだ。だからこの本を選んでみた。

その気持ちで挑んだら、「本当に好き?」「好きってどういうこと?」「世の中はこうだよ!」って突きつけられる感じだった。そうだろうな~と思う反面、私にとっての本って何だろうって考えさせられる。

そうか、これは小説だけどキャラを立てるとか物語そのものの構成とかそういうのじゃなくて、考えさせられる本なんだ!哲学物語的な。なんとなく感じていた違和感はここにあるのかも。物語そのものに没頭できないなって思ったのは。さらっと読めるけど、ちょっと立ち止まりたい、そんな気持ちになる。

猫は、実はじいちゃん?もしくは主人公の林太郎くんの心の中の案内人?そういう感じにも読み取れるけど、きっとおもしろさはそこじゃない。

「お金の話はやめて、今日読んだ本の話をしょう。」
その言葉の向こうにある本という媒体に流れている大きな時間と歪みと本質とエンタメ性。
あとは、自分を知りその本が好きか嫌いかをきちんと自分の言葉で語ることができるか?そんなことを、問われている気がした。

1冊の本から続く、大きな流れ。それをたどると、古典とか聖書とか神話に行きつく。その案内人となるのがこの本なのだろう。
現代人に合わせたバランス感覚。当たり前のことを当たり前に。
結局、走るのは自分。メロスのように最後まで走るのは。



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