【読書記録】マナーはいらない 小説の書きかた講座
手にとった時、一瞬料理本かと思うけど、よく見たら原稿用紙のテーブルクロスでした!なんと、かわいい本。
小説は、自由。
細かい所なんて気にせずとも、楽しく書けばいいのです。
でも、審査員を務めたことのある著者から見たら、「惜しい!もっとここをこうするといい作品になるのになぁ」って思うことがあるようです。
その辺、こっそり教えて頂きましょう。
推敲
小説は、誰かに読んでもらうためのもの。
だったら、少なくとも原稿の体裁を整えるべきです。
どうしましょう。いきなり、深夜のラブレターのまわし読みという比喩が炸裂しています。どうやら、この本はバンバンに比喩が登場するようです。楽しく読み進めていきましょう。
妙な置物と聞き、私はミロのヴィーナスめいた銅像を思い浮かべたり、変なツボとかを思い浮かべたりしていました。が、こういう差し込み文みたいな私の感想が、妙な置物かもしないと気づき、焦ります。
愛をこめて作品を仕上げていきましょう、という三浦しをんさんからの熱いメッセージを頂き、次の章へ。
原稿用紙の枚数
出版社とお仕事をしていると、「原稿用紙75枚でお願いします。」とか、
「10枚でお願いします。」とかそういう依頼があるそうです。もちろん、新人賞応募などの企画でも、基本は原稿用紙換算でしょう。
つまり、原稿用紙(20字×20字)の感覚は大事ってことでしょう。著者は、パソコン上で書く時にいつも、その設定にしているようです。そして、感覚知で、こんな話の展開にすれば、依頼枚数の中で構成通り話がまとまるって感じで書いているようです。
もはや、感覚の世界。これは、意識して場数を踏むしかないようです。
1行アキ
すみません。私この本を読むまで、「1行アキ」の意味すら分かっていませんでした。このnoteにも、適当に感覚で読みやすいかもって改行したり、間を空けていました。詰まっている文章は読みにくいですもの。
3点リーダーもしかり。(それは、違う本で学んで気づいたけれども……)
小説の中の空白の1行って奥が深いのです。
空白の1行は、ブレスと同じ。
音楽の楽譜にも「V」ってありますよね。あれかぁ。
あの「V」を適度に混ぜて、読みやすいリズムを作ってあげるという事ですね。勉強になりました!
「1行アキ」(なぜ、カタカナなのかはわかりませんが……)
情報開示のタイミング
何やら、ミステリー小説の空気感が漂うこのワード。情報開示。伏線を張るとか、理論的なそういうやつのことでしょうか?(ちょっと苦手意識あり)
といいつつ、著者も一言では言えないと悩むこの問題。いろいろ、考える中でたどりつた結論とは、
あぁ、要するにイメージを固定してあげて読みやすくしてあげるっていうのですね。ここを読んでいて感じたのは、小学生。
小学生って文字を覚えたてで、長文って苦戦します。読解力かつ、イメージ力。でも、イメージ自体も人生経験が浅いので、深くない。そんな時に最初に人物イメージがあると、脳内でストーリーを作っていきやすいんですよね。このガイドが情報開示。それをより視覚化したものが挿絵。だから、小学生の読む本は挿絵が多いのは、理にかなっています。補助線がたくさんあるから、読みやすいというか、文の世界に入りやすいのです。
挿絵を描く人の気持ちになると、外見描写があればあるほど、イメージして描きやすくなります。文章は、テレパシーだとスティーヴン・キングが言っていたのも思い出しました。
(あ、妙な置物だらけの文の見本になってる。いいの。私の脳内はおもしろい置物だらけだから。深夜のラブレターを見られても、大丈夫。笑い飛ばしてやる!)
!?
高揚感
まじでキモイ。青臭い。中二感。
そりゃ、そんなん言われたら、誰だって傷つきますよね。
……いや、待てよ。
キモイも一周まわったら、キモかわいいとかになるかもしれません。
だって、「おじさん付箋」とか、かわいいって貼っている人もいるでしょう?「うっせぇわ」とかも最初やべぇって思ってた人多かったけど、流行ったらおもしろいかって受け入れてるし。
推し活だって、熱狂している姿は、ある人にとっては引くのかもしれませんが、かわいいに魅せられたり、おもしろいで群がっているだけですから。
大丈夫、人間の器は「かわいい」と「おもしろい」でだいぶ広がります。
時代は令和。多様性。迷惑かけすぎなきゃ、許されることも多い世の中。
「深夜のラブレター」のまま、受け入れてくれる人もこれから増えていくのではないでしょうか?(推敲がめんどくさくて、逃げている人の言い訳)
あぁ、そっちですか。なるほど。高揚感とは、ちょと胸キュン系かぁ。
キモイっていうよりも、ハズイってほうですね(〃ノωノ)
映画でよくある、現実ではありえないドラマティックな感じ。
たしかに、これを自分で直視してみたら、ちょっとキモイかも(笑)
ただ、読書する人って深く知りたい知識欲満載の人も多いから、こんなレベル、すって超えてきそう。すべて人間の欲望で当たり前って達観していそう。読む側と、書く側の情報開示レベルの違いに気づきます。
話がそれましたね。
ちなみに、この本はもっと楽しく読めるので私の解釈抜きで、「小説の書きかた」が気になる人は、素直にこちらをお読みください。三浦しをん節が炸裂していて楽しいですよ。
お題
この本を書くきっかけとなったのは、コバルト短編小説新人賞だそうで、そこで1回だけ、「お題」を設定したことがあるようです。
そのお題とは、「しまもよう」
しまうま?
とか思ってしまいましたが、小説なのでこのお題を題材にして応募した人は、洋服に縞模様を描く方が多かったようです。
ただ、プロ目線は少し違うのです。
なぜなら、お題があるということは、そのお題で別の人が書いてくるわけだから、違う発想をもって挑まないと、ネタが被って読者が飽きてしまうから。それは嫌。そんな気持ちをもっているようです。
ちなみに、著者は「しまもよう」というお題に対して、どうして「島模様」という角度で書いてくる人が1人もいなかったんだろう?と不思議に感じていました。プロのアイデア力は、見習いたい。
ここまで書かれていたら、この本はなんだって気になりませんか?
私は気になるのでAmazonに飛びます。
きっとこれな気がする。
違っていたら、どなたか教えて下さい。
あぁ、出版社が違うから大きな声で言えないのですね……(しー)
うずうずしてきました。
そうか、そういう目で読書をすればいいのですね。
書く人の目、頂きました!
みなさんも、すぐにでもお気に入りのアンソロジーを探してください!BOOKと名のつくいろいろなレストランが揃っていますから。
え?ドレスコード?
そんなの気にしなくていいのです。
マナーはいらないから。
さっそく、本を食べに行きましょう。