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ORIGAMI 紙の鼓動 布施知子さんの企画展を見に行って

企画展情報

2024.11.29~2025.323
ヤマザキマザック美術館にて
(地下鉄東山線「新栄町」駅直結)
入館料 大人1300円 小中高生500円 小学生未満無料

ヤマザキマザック美術館HPより

和洋折衷

普通はまさか、折り紙で美術館に行くとは思わないでしょう。それほど日本人にとっては身近すぎる「折り紙」。なんなら、100均にも売ってるしYouTube見ればいいじゃんって思いますよね。

それでも、私には行きたい理由があったのです。なにせ、この方の名前を今まで何度となく見てきたから。ユニット折り紙で有名な布施知子さんだったから!折り紙の本は沢山あるけれど、折り紙というジャンルで名前を出して、国内外で活躍され、なおかつ折り方を創作して極めている方と言えば布施さんです。おもちゃデザイナー相沢康夫さんの本によると、ネフスピールの積み木を作った海外デザイナーのクルト・ネフさんにも認知されているそうです。保育業界にいた私にとっては、親近感しかありません。この企画、名古屋でやるなるなら行くしかないです。

まず、この機械をかりておこう(無料)
音声ガイドしてくれます
枯山水
編み出したっていうのが凄い!

巨大な紙を幾重にも折り重ね、独特の雰囲気を表現されていました。正直、こんなのをどうやって折ったのか……そしてこの根気のいる作業を想像できる作り。もはや、芸術の域。これが日本の美なのでしょう。淡々と折り目正しく紡ぎあげていく力。

紙のグラデーションも素敵
横から見ると厚みがわかります
私の中では布施さんと言えばこれです
ここでは単色で世界観を作っていますが、柄ものの折り紙で作ってもかわいいのです

ユニット折りは簡単なものなら、保育園でも作っていました。見た目も可愛くできあがる箱たちは、大人気です。でも、今回の展示物の「スパイラル折り」とか「無限折り」とかは、もう空を見上げて口をあんぐりあけて立っているだけの状態になります。手も足も出ません。真似しようとすら思いません。これが、プロの世界。隣で写真を撮っているおじさんも「こいつはすげぇな……」とつぶやいているほどでした。

圧倒されながら、作品を見ていくとヤマザキマザック美術館に元々展示されていたアンティーク家具とのコラボのゾーンがありました。まさかの、アンティークのガラス棚の中にたたずむ真っ赤な折り紙たちの姿がそこにありました。(こんな、コラボもしちゃってるんだ。この家具結構高いよな~。すごいな。入れちゃった)と思わず写真を撮ってしまうほど感心しました。海外と日本のコラボ。雰囲気が全然違いますが、ちょこんと居座っていてかわいいかも。こういうのが和洋折衷?

折り紙がインしてます
細長い紙で折り、組み合わせてあります
真っ赤な蛇と机の上にツチノコ


大作の中でも、最初は日本庭園を彷彿させる枯山水、最後は洋風な部屋に真っ赤な絨毯のような蛇の折り紙でこの企画展自体で和洋折衷を表現しているようでした。どこにもそんなことは書いてありませんが、私はそう感じました。

折り紙以外の常設展示も、どっかでみたことあるぞっていう有名そうな絵が沢山飾られていました。(私の美術的知識のなさがよくわかります)最近読んだ本で、モーリス・ユトリロを知ったのでその絵が飾ってあってテンションがあがりました。ピカソもあったけども、あれが闘牛の絵だとは知りませんでした。そうなんだぁ。

美術でも何でもそうですが、知っていることが前提です。知らないと楽しめません。コンサートでも、知らない曲ばかりより知っている曲が1曲でもあれば安心するし、一緒に楽しめるものです。数ある美術館で、いくつもの企画展が行われていますがやっぱり足を運ぶのは自分の知っている分野と接しているものになってしまいます。認知の幅を広げれば、新しい出合いもあるかもしれません。でも、結局人の好みは幼少期につくられてしまっているのかもしれません。私は小さい頃から折り紙が好きでした。布施さんほどではありませんでしたが、ちょっとしたはばたく鶴とかぴょんぴょんガエルとか動く折り紙は、友だちにウケたのです。それが嬉しかったのです。私にとっては簡単な折り紙。でも友だちにとっては「すごいね」っていう分野。
そんな私の過去があったからこそ、興味がわいたORIGAMIの企画展。

あなたが子どもの頃、夢中になった遊びは何でしょうか?
人によっては、イラスト、一輪車、側転だったり、英語、手芸、将棋だったり、ゲーム、楽器、コマだったりといろいろあると思います。
大人になってからも、たまにはそれに触れてみる時間をとるとおもしろい発見があるかもしれません。時が経ってからもあの懐かしい感情が蘇るかもしれません。あなただけの、あの感情が。

さぁて、私は久しぶりに「折り紙」を楽しもうかな。大人になっても無心で折ると、意外と気持ちいいものです。

柄ものと色折り紙の組み合わせを楽しむ

あなたも昔を思い出して懐かしく楽しい時間をお過ごしください♪
読んで頂きありがとうございました。

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