【読書記録】質問の一流、二流、三流
ChatGPTなど対話型AIチャットツールや、AI画像生成ツールなどが出てきてますます、人間側が「何を問うか?」が大事になっているように思います。
ちょっと前までは、Google検索にどういうキーワードをどれだけ入力するかが肝だったけど、今は質問。これほどまでに発達したのには、デジタルデータがウェブ上に溜まってきたおかげです。集合知がそこにあるのです。
たんなる情報は、ChatGPTに聞けばいいのです。
でも、実際に日常生活で使えそうな質問とその裏にある人の気持ちにまで言及してあるこの本は、なかなかおもしろかったです。
特に、私は人見知りをしない性格なので初対面でもガンガン話してしまいます。たまに、距離の詰め方が近すぎて、なんとなーく避けられてしまうこともありました(笑)でも、愛嬌でごまかして何とかしました。
しかし、それも若かったから。今は違います。もう少し礼儀を憶えた方がいいのでしょう。
ということで、参考になったページはこちら。
どうやって距離を掴む?と疑問系ではじめることで、読者の心を掴んでいるけど、はやく答えが知りたいので読み進めていっちゃいます。
答えがありました!
別に、話がうまい人でも攻めた質問をすることもあるのです。ただ、タイミングを掴むのがうまいのです。それこそ、相手の反応をよく観察する力。私は、ここに欠けていたのかもしれません。嗅覚に。
犬のように愛想よく相手に近づいていき、ちょっと雲行きが怪しくなったらするんと猫のように離れつつ、また犬のように近づいて行く感じでしょうか。きっと。私はそう解釈することにしました。
ただ、相手のことをもっと知りたい!って思ったらぐいぐいと質問攻めにしてしまうことがあるのです。そこから、自分の体験とリンクさせてついつい自分語りが始まってしまうようなことも。女性の会話は飛びがち。飛びまくって着地しないことも多いです。ぎりぎりの時間までおしゃべりしまくり満足するだけ。ストレス解消にはいいでしょう。
ただ、肝心な事が聞けていない事もあるのです。相手が何となく悩んでるのはわかってしまう。それは、実はデリケートな内容だったりするようです。お金・恋人・病気etc.そんなところかな。ちょっと気になってしまう。そんな時にできる質問が書いてありました。
思わず答えてしまう質問をするためには、「心理的リアクタンス」を使うようです。初めて聞きました。「心理的リアクタンス」とは、「心の抵抗」のことだそうです。
抵抗させちゃダメじゃん!って思いますよね。逆なんですって。
人って、「○○しちゃだめ!」って言われると、ついつい○○をやりたくなるものですよね。そういう気持ち「心の抵抗」を質問に使うとどうなるか?
すばり、前置き!
「もし、答えづらければお答えいただかなくて結構ですので……」とか、「言える範囲でまったく問題ございませんので……」という枕詞をつけるだけで、それが「言っちゃだめ!」と同じ効果をうむようです。これを言ったら、相手のことを気遣いつつ話させてあげることができるようです。
これを読んでいた時、ある絵本を思い出しました。
あの絵本は、「心理的リアクタンス」を活用してつくられていたんですね~なるほど。でも、この絵本を子どもたちに読むと絶対に押してしまう子と、絶対に押すもんかと抵抗する子がいるのです。
きっと、後者の子は秘密を墓場まで持っていけるタイプで、のちに人から信用されることでしょうね。
話がそれました。本を読んでいるといつも思考が脱線してしまいがち。
まぁ、それが本の楽しみ方でもあるんですけどね。
最後に、これは家庭でも使えるかなと思う質問がありました。
著者によると、仕事の会議で何も決まらないのは「決め方が決まっていないから」だそうです。そして、その決め方には3つのパターンしかないそうです。
言っていることはわかります。でも、あまり意識してこなかった視点かもしれません。例えば、夕飯の献立を決める時に、全員一致でカレーだったらすんなり決まります。でも、母は気が乗らないけど、父と息子2人はラーメンを食べに行きたい!となれば、多数決でラーメンです。もしくは、本日誕生日ならば主役の息子の好きなメニュー、チーズ入りのハンバーグ目玉焼きになるでしょう。こんな感じでしょうか。
ただ、今月は外食に行き過ぎで母は家計のやりくりに困っているとしましょう。そうしたら、多数決でラーメンと決まったとしても渋るかもしれません。でも、母は暑い夏に料理を作る気が失せてげんなりしているというメンタル問題も抱えていました。すると……何も決まらない会議ができあがります。なぜなら、母は多数決に納得いっていないから(笑)というか気持ちが会議に向いていないかもしれません。
そんな時の魔法の言葉。
「決め方を決めませんか?」
決め方とは、決定権を誰がもっているのかはっきりさせることです。おそらく、決まらない会議には納得がいかない人がいる場合が多いのです。ここで、誰に決定権があるのかがみんなわかっていれば先に進むことができるのです。全員一致の食べたいものをみつけるのか?誰かが今回は譲って多くの人が食べたいものにするのか、誰か一人の決断で道を決めるのかをはっきりさせます。
その結果、そうめんになるか、外食のラーメンになるか、自宅でカップラーメンになるか、はたまた別の選択肢を選ぶのか、道は分かれるけど会議はきちんと進むのです。
ほかにも、いろいろな質問がのっているこの本、何とnote上に著者さんがいらっしゃいました。
一流、二流、三流っていうシリーズで本を他にも出されているようですね。
機会があったら、読んでみたいと思います。