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【読書記録】魔法使いになるには編 宗田理 を読んでみて


きっかけ

作家の宗田理さんが、令和6年4月8日、95歳でお亡くなりになりました。


そんなニュースから早1カ月になろうとしている。
「ぼくらの七日間戦争」は有名だけど、手にしたことはなかった。
その代わり、「悪ガキ7」という作品を息子の読書感想文の題材に選んだことがある。同じ作家さんの作品だった。最初は一緒に読んであげたが、いつしか「悪ガキ7」の世界観にハマりシリーズを読破している息子の姿があった。子どもを夢中にさせる作品は、本物だ。

私も、読んでみようかな?
そう思って、試しに図書館で借りてみた。

あらすじ

将来、我が子がしあわせに世の中を渡っていけるようにするためには、どう育てたらいいのでしょうか?そんな悩みを解決できる塾「いっちょかみスクール」そこに入塾した橋本ユトリと津島礼司。その塾にはピアノ教室から算数教室、古美術・骨董教室などありとあらゆるものがデパートのように並んでいた。そこから好きな所を選ぶのだが、好奇心旺盛のユトリは魔法教室という怪しげな部屋に惹かれてしまう。「決めた!やっぱりわたし、魔法使いになるよ!」子どもたちが主人公の、ちょっと不思議な塾のお話。

読みやすいだけじゃない

私は、今から魔法使いになりたいわけではない。
だが、私にとって設定がよかった。
90歳の作者が3Dプリンターなど
今っぽいものを話の中に登場させて
構成していくその内容も気になった。
だから、読んでみた。

さすが、児童文学。
すべて漢字にふりがなが打ってある。
これなら、息子にも勧めやすい。
ただ、悪ガキ7に比べるとおとなしいかもしれない。
パンダのような猫のダーちゃんがいい味を出している。
あっという間に読破できる。
ハラハラドキドキできる場面もあっておもしろい。

一番は、子ども向けってくくりだけど大人も十分楽しめる。
話の流れ、繋がり、感動ポイント、続きの余韻の残し方。
なるほどって思えた。

こんな塾があったら楽しい

親なら、子どもにあった習い事を探すのだろう。
我が家もスイミングだけは通わせたことがある。
でも、ある程度泳げるようになれればよかったのでもう辞めてしまった。
コロナで、学校の水泳の授業がなくなったのでスイミングはやらせて良かったと思っている。ただ、世の中の習い事は、大体1か所完結型だ。
それしか学べない。

この本のように、この空間に行ったら学び放題で
しかも、有名な講師を取り揃えている。
そういう所に子どものころから通えていたら、視野が広がるだろう。
ただし、練習時間は有限だ。迷ってばかりいる子には、辛いのかもしれない。自分で決めて、自分でやり抜く力がないと。

この本では、子どものための習いごとという設定だったけれど
実は、大人もそういう場所が必要なのかもしれない。
ずっと、やりたいと思っていたけどできなかったこと。
実は、子どもの頃に習いたいと思っていたけど、あの時はできなかったこと。それに出合い直せるチャンスがある塾のような場所が。

大人がいきいきとやっていたら、大人の方が上達が早い気がする。
コツをつかめば、子どもたちよりもよりよい作品を残したり
より効率的に練習ができるはずだ。
子どもたちは、そんな大人の背中をみて自然と上達していく。
そして、いい意味でライバル関係になっていく。
デパートのような塾だからこそ、コラボもすぐにできる環境だ。

あったらいいな。は、必ずどこかにある。
ただ、知らないだけだったり、少し遠かったりするだけ。
お金がかかるだけ。時間がかかるだけ。
もしかしたら、私が以前やっていたオンラインサロンってこれかも。
と今になって、気づく。私は、すでに入塾していたわ。

実は、魔法使いになりかったのかもしれない。
家事も、育児も、ビジネスも、人生も、いろんなことを攻略できる。
あっという間に、何でも悩みを解決できる人になりたいのかも。
だから、私は本を読み知識を蓄え、やってみようとするんだ。

だから、この本に惹かれてしまったのか。
そんなことを感じ、自分を振り返れる本だった。


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