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子どもとの遊びに疲れた大人へ。楽しく遊ぶためのヒントは「環境構成」


「みてみて~!」
「次は~これやって!」
「じゃあ、ママは、お姉ちゃん役ね!」

こんな感じで永遠に続く子どもたちの遊び。
最初は、かわいかったけれど……だんだん
これに付き合うのが疲れてくると思います。

というか、
大人たちにとっては「退屈」なのではないでしょうか?

遊びたい!の動機

多様性が叫ばれている現代です。

男女。こんな分け方をすると、
短絡的って言われそうですが、
あえて言います。

私が保育士として
関わってきた子どもたちの
遊び方を見ていると、
男の子が好む遊びと
女の子が好む遊びは分かれていました。

もちろん個性や好みはありますが、
大きく分けて、男の子は鬼ごっこや構成遊び。
女の子は、ままごとなど人と関わる遊びや
生活の再現などを好んでいました。

構成遊びとは、ブロックや積み木、粘土など
何か作品をつくりあげていくものです。
男の子たちの目的は、これらをかっこよく作り
それを使って遊ぶこと。
女の子たちの目的は、作る過程を共有して
楽しむこと。または、かわいく仕上げること。

これって、大人になってもそう変わっていないと思いませんか?
LEGO、ガンダム、プラモデル、ゲームなどを作りあげて遊ぶのは
男の人たちの需要が多くて、
ハンドメイド作品、ミニチュアドール、手芸、アクセサリーなどは
女の人たちの需要が多いと思います。

男は、かっこいい!と思って遊び、
女は、かわいい♡と思って愛でる。

もちろん、これを読んでいるあなたは
両方の気持ちがわかると思います。
きっと大人の方でしょうから。
一通り遊んだ経験があるのではないでしょうか。

男女の分け方に抵抗がある方は、
かっこいい派と、かわいい派でもいいです。
どちらの遊びもよいものです。

なぜ、こんな当たり前の話をしているのか?
「あれ?子どもとの遊びに疲れた大人へ」
ってタイトルなのに違う話題じゃないか?
と思った方、もう少しお付き合い下さい。

それは、親になって異性の子どもをもった時に
男女差への理解を忘れていることがあるから。

異性の気持ちなんて理解できないのは当たり前です。
そもそもの興味関心が違うのですから。
私も男の子を育てていて、
何でそんな事する⁉なんていうのはしょっちゅうです。

かっこよさそうだから飛んでみたと言われて
安全面からイマイチ納得いなかくても、
男の中のかっこいいという感性は受け入れざるをえません。

そもそもが私とは違う感性の持ち主なんだ、
という視点を忘れずにいれば、
子どもの遊びを見る視点が1つ上がります。

つまり、私の感性だけを子どもたちに押し付けずに済むのです。

LEGOブロックLOVEな男の子

LEGOブロックが人気なのは、
1つ1つのパーツを組み合わせて、自分の好きな形を作り上げて、
最終的にバトルをするのが男の子たちの傾向です。

だから、必要なパーツが沢山あることが重要で
集団生活の場では、このおもちゃの取り合いで
ケンカになることがあります。(やっぱりバトル)

男の子たちは、強さとかっこよさを求めています。

対して、よく観察すると同じブロックでも、
女の子はバトルをせず家をつくって
人形を動かして遊ぶことが多いです。

ブロックをやっているようで、
遊びの内容はままごとです。
ケンカになるとしたら、
どちらがこの人形でお母さん役をするのかでもめています。
お母さん役はいつも人気です。

女の子たちは、自分が素敵な役になりきることを求めています。

実は、1つの遊びに夢中になれる力は男の子の方がもっているのでは、
と思いました。熱量が高いというか、1つの事に集中する力が強い男。

ままごとLOVEな女の子

ままごとコーナーでは、大体女の子たちの独壇場です。
お気に入りのエプロンや、お気に入りの人形を背負って
せっせとままごとコーナーで料理をしています。
さらに、洗い物をしてきちんと棚にしまいます。
時に、アイロンをかけ、赤ちゃんを寝かせます。
彼女たちの遊びは、現実の再現そのもの。

保育園のおやつで「ホットケーキ」がでました。
でも、実際ままごとコーナーでホットケーキが登場する時は、
「おまたせいたしました。パンケーキです♡」って
いう女の子たちの姿がありました。
ネーミングの違いだけだけど、
私はままごとコーナーで時代を感じました。
そうね、今はインスタ映えする「パンケーキ」です。

女の子たちの興味の対象は、生活。
(さらに、きちんと整えたがる傾向あり)

反対に、男の子たちがままごとをすると
食べる真似をするだけか、
(女の子に言われ)会社に行くふりをして
別の遊びコーナーに目を奪われ帰ってきません。

もしくは、ままごとでは飽きてしまい、
暇つぶしなのか目に付いた物を全部出して、
片付けずにそのままどこか行ってしまいます。
(そして、○○くん出しっぱなし!と怒られる)
まぁ、きれいに片付けられる男の子もいますけど
そういう子の割合は少なかったです。
保育士の日常茶飯事な光景。

男の子たちの興味の対象は、基本食べること。楽しむこと。
(整えるスキルは個人差があり)

何か、整理収納アドバイザーに女性が多い理由がわかる気がします。

男の子は日常よりも、イメージの世界でバトル・競争を好み
女の子は日常を再現して、イメージの世界で素敵な自分になるのです。

ま、男の子も女の子も夢の世界を生きているのは同じです。
でも、見えている世界観が全く違うのです。

あなたのお子さんは、どんな世界を見ていますか?

環境を整えること

まず、子どもたちを観察してみましょう。

この子はどういう事を好み、
何に興味関心があって、
どういう遊び方をするのか?

どこにつまずきポイントがあって、
そこを伸ばすためには、
どういう遊びの提供が必要か?

子どもをつぶさに観察し
それをもとに、遊びのコーナーを作ったり
遊びが広がるように、物を増減したり
人として介入したり、見守ったりします。
これを、「環境構成」といいます。

保育士は、養護と教育を担います。
養護とは、子どもたちの成長・発達を見守ること。
教育は、子どもたちのスキルを伸ばしていくこと。
養育者の代わりのお仕事です。

こういう視点で、ずっと子どもと関わってきました。
THE男の子っていうやんちゃな遊び方をする子もいるし、
性別は男の子だけど、スカートを履き女の子に
混じってままごとする子もいました。
THE女の子っていう遊び方は、着せ替えでしょうか。
お姫様に変身できるグッズはいつでも大人気です。

たまには一緒の遊びを離れ、ちょっと俯瞰して
子どもたちを見てみるとおもしろいです。

自分そっくりな遊び方に気づくか、
配偶者そっくりな遊び方に気づくか、
全然違う!って発見して面白さに気づくのか。
個性豊かな子どもたちをみていると飽きないはずです。

観察者になってみると

とはいえ、子どもとずっと一緒にいると
疲れるんだよ!って声が聞こえてきます。
そりゃ、そうですよね。

我が家では小学生になった今でもLEGOブロックに夢中です。
でも、私自身はブロックに興味がありません。
最初はブロックも一緒にやっていましたが、
一緒に遊ぶのが、つまらなくなる時もあります。
だって、私自身はブロックには興味がないから。
そりゃあ、退屈にもなります。

ほら
男は、かっこいい!と思って遊び、
女は、かわいい♡と思って愛でるんです。

この状態のまま一緒に遊ぶと、
私は彼らの創作意欲を削いでしまう!と危機感を持ちました。
私のやる気のなさが、息子たちのワクワクした気分を台無しにする。
だから、あえて一緒に遊ぶのをやめました。

そのかわり息子たちには、いろいろなパーツと
収納ボックスと遊べる時間と、
時に参考になるような動画や写真を見せるようにしました。
つまり、「環境構成」のみをやることにしました。

子どもの遊びに大人がつきあうこと。
それをよしとされることが多いかもしれません。
でも、実際多いのは、
「子どもとずっと遊んでいると疲れるよね。」という本音。

わかります。
そうですよね、永遠にままごとやら
ブロックに付き合っているのは
大人の高い知的レベルからしたら「退屈」でしょう。
ずっと下の知的レベルの会話に付き合っていると
大人同士で会話を楽しみたくもなるでしょう。

大人自身が楽しくないんです。
だから、退屈になって疲れると思います。

それは、実は子どもたちも同じです。
自分一人じゃ、発想力が枯渇して「退屈」になってしまいます。
遊びが続かないから困ってしまい、親に助けを求めるのです。
実は、双方が困っている状態だったのです!

だったら、この退屈から2人とも抜け出しましょう!
男の子たちには、満足いくおもちゃの量と時間を。
女の子たちには、同じレベルの友だちか、かわいい人形を。

そういう環境が整っていたら、
子どもとずっと遊んでいると疲れる問題は解決します。
子どもたちが勝手に遊びに夢中になってくれるからです。

親のやることは、「みてみて!できたよ!」に応えることぐらい。
それが大変な時は、「後でもいい?」と約束したり、
スマホで写真をとってあげれば大丈夫です。

おわりに

子どもとの遊びが疲れることは誰にでもある事です。

子どものために、一緒に遊んであげること。
それって大切なことです。
でも、お母さんご自身が苦痛を感じてまで
やり続ける必要はないと思います。

自分を責めずに楽しい時間を過ごすことが大切です。
子どもたちの遊びをうまくサポートできるよう環境を整えてみる。
なんなら、大人自身の趣味を隣で一緒にやってもいいのです。
保育用語では、「平行遊び」です。
同じ空間にいるけど、別の遊びをそれぞれが楽しんでいる状態です。

こんな感じで、疲れているならちょっと視点を変えて
家族にとってちょうどいい感じの遊びの時間をつくってみるといいですね。

男の子も女の子も性別不明な子もみんな興味関心は人それぞれ。
それぞれの感性を認めてあげて、それをもとに環境を整えてあげれば
みんな夢中で遊べて幸せな空間ができあがります。

子どもとの遊びに疲れた大人たちへ。
楽しく遊ぶためのヒントは「環境構成」
子どもにも、あなたにも優しい空間づくりが解決策です。


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