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人の家と比べたら遅いかもしれないけど、「うちはうち」それでいい。

「みんな、もってるもん!」
これは、小学生の常套句だ。
例えば、switchのゲーム。
例えば、キャラクターものの筆箱。
例えば、スマホ。
例えば、消しゴム落としで勝てそうな消しゴム。
例えば、自分の部屋。

「みんな、もってるもん!」の中に、持っていない人もいるという事は、小学生には見えない。みんな=自分の周りの限られた数人のことだから。

うちの子は、だからと言って何かをねだるような子ではなかった。ただ、与えるタイミングは親が握っていたため、主張をしないことが身についてしまったのかもしれない。
「みんな、もってる。けど僕はもっていない。そういうものなんだ。」とそのまま受け入れて育っている。いいのかわるいのか。

もうすぐ、中学生。
学区3校が集まる。今より集団が大きくなる。その中で、自己主張ができないとどうなるのだろう。埋もれる?自信を無くす?今のまま?

彼の成長過程で何が起こるかは、彼の問題なのだ。
心配したってキリがない。だから、私は私にできることをする。
彼に「自分の部屋を作らせる」というミッションを遂行するのだ。

我が家は、今まで宿題はリビング学習だった。(音読の宿題があったり、親が印鑑を押さねばならぬので、こちらの方が好都合だった。ゲームの充電器もリビングにあるし、目が届くから)
でも、さすがに受験を控えた中学生にそれはまずいだろう。小学6年生になって、やっとこさ自分の部屋を作ってあげることにした。物置部屋を掃除して、まっさらな彼の部屋を。

早い子は、小学校低学年から部屋があるのが当たり前かもしれない。うちは、上記の理由からあえて作らなかった。
今なら、できる。
小学6年生なら、いろいろな知識を総動員して、自分の空間を作り上げられると判断したのだ。中学になってからだと、彼も新しい生活でてんやわんやになるだろうから、今しかない!

① 部屋の間取り図とメジャーを渡し、計測を促す。
② 欲しいベッドや机のサイズを叩き出し、自分でネットから探し出す。
③ 間取り図に家具を描きこんで、動線を確認する。
④ 一緒に、実物を見に行く。
⑤ 注文したモノを、自分で組み立てる。
⑥ 部屋の管理をする。(ゴミ出し、掃除など)

数カ月かかったが、やらせてよかった。特に自分で組み立てを体験することで、楽しさと大変さを感じていた。自分で自分の空間をつくる喜びを感じていた。嬉しい!を全身で表現していた。
(ぶっちゃけ、母の私はベッドが白なのに机が黒!?と微妙だった。が、彼の判断に任せた。自分で決めることが大事なのだ。)

そんな姿を横目に、弟も感化されている。早く、僕の部屋も欲しい!と思っている。その感情に訴えかけるように「お兄ちゃんのように、モノの管理が上手にできたらね」と伝えておく。次男は、片付け・掃除が大嫌いだからだ。……めんどくさいのは、みんな同じなのだが、彼はまだわかっていない。子どもなのだ。
それでも、次男は、主張する。
「○○くんも、○○くんも自分の部屋あるんだよ~。」と。ただ、次男もわかっているのだ、母にはそういうプレゼンが響かないことは。

人の家と比べたら遅いかもしれないけど、「うちはうち」それでいい。
だって、子どもの成長ペースも親の余裕のある時期も違うから。私は今、彼らに寄り添える。だから、ベッドの組み立てやらダンボールの解体やらも、喜んで手伝える。自立までの過程には、必ずサポートがいる。そう思う。
安心できる場所で、大きくなってほしい。

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