3歳児健診、自宅での視力検査は"違和感"を大切にしてほしい
娘が弱視と判明したきっかけは、3歳児健診でした。
3歳児健診で視力検査をするわけ
子どもの弱視は発見そして治療開始が早いほど効果が期待できるとされており、逆に発見が遅れるほど治療効果が出にくくなると言われているようです。
弱視が良くなるかどうかは、視力の発達がどの程度、またどれ位の期間おさえられているかによります。程度が強いほど、期間が長いほど、弱視の回復は困難になります。
三歳位までに弱視を発見できると、視力はかなり回復します。
出典:公益社団法人 日本眼科医会ホームページより
そのため、全国の自治体での3歳児健診で視力検査が行われていますが、多くの自治体において、問診票などとともに視力検査のための用紙が郵送され、自宅で親が検査をして申告する、というスタイルが一般的なようです。
我が家が住んでいる自治体も同様で、郵送物の中にランドルト環(いわゆる視力検査のC状のやつ)がいくつか印刷された用紙が同封されていました。
自宅での検査で感じた違和感
3歳という低年齢での検査が難しいことから、事前にネットの記事で「自宅での視力検査を上手にやるコツ」などを調べたりして、子どもが目を隠されるのを嫌がること、眠かったり機嫌の悪い時間帯だとうまく検査できないことなどを情報としては知っていました。
忙しい日常の中で、ようやく検査のための時間が取れたのは健診の前日夜。夕食が終わっていざ検査!となり、まずは左目からスタート。
最初はやり方に慣れないのもあり、親子ともコツを掴むまでちょっと手間取りましたが、無事に検査完了。
さあ次は右目の検査、と始めた段階で、娘がぐずり出しました。「穴が開いているのはどっち?」と聞いても無言でグズグズ…しまいに目を隠すこと自体を嫌がるようになりました。お風呂に入って気持ちを切り替えさせて再チャレンジしましたが、やっぱり嫌がる。。
ここで親の勘とでもいうのか、なんとなーく違和感を感じ始めましたが、この日はまだ「まぁ夜で疲れているし、いつもと違うなんだか変なことをやらされているし、そりゃ嫌だよな…」と思う気持ちの方が大きく、夫婦で相談して、翌朝再チャレンジしようとなりました。
翌朝、ぐっすり寝たところで登園前に再度チャレンジしたものの
やっぱり嫌がる…
昨晩から感じていた違和感は大きくなり、問診票の視力検査の結果欄に『何度かチャレンジしたが、右目の検査(左目だけ隠す)を極端に嫌がるのが気になる』と書きました。
あとから調べてみて分かったことですが、片方の眼だけを隠すのを嫌がる場合、隠していない方の眼の視力がきちんと出ていないことが多いそうです。
健診会場で検査をするのは一部の子のみ
3歳児健診当日の会場では、視力検査は全員が受けるものではありませんでした。自宅でうまく検査が出来なかった子や、自宅検査で親が異常・違和感を感じたと申告があった場合のみ、会場内で再度検査をしているそうです。
娘の場合も、違和感を申告したことで、再度専門の検査員さんに検査してもらうことが出来ましたそこでも、やはり右目の検査だけ嫌がったため、目の動きなども見てもらい、「屈折異常(いわゆる弱視の原因)がありそうなので眼科でもう一度しっかり診てもらうように」との判断でした。
その後、眼科でのより詳細な検査を経て弱視が診断確定、眼鏡治療を開始することになったわけですが、あの時なんとなく感じた違和感を大切にして本当に良かったと思います。
日常生活で弱視に気付くのは難しい
冒頭にも書きましたが、弱視は治療開始は遅くなるほど治療効果が期待しにくくなると言われています。
我が家が暮らす自治体の場合、3歳児健診の次に視力検査をするタイミングは、小学校入学前の健診までありません。娘は、日常生活の中で見え辛そうにしていると感じたことはなかったため、3歳児健診で発見できなければずっと気付かないままだったかもしれません。
(実際に、3歳児健診では気付けず、結膜炎など別の理由で受診したところたまたま弱視発覚、というケースもあるようです。)
娘もそうですが、片目だけの弱視(不同視弱視)の場合、両目で見ている状態では、見えている(弱視でない)方の目で視力を補っているため、本人も親でも日常生活の中で気付くことは難しいそうです。
不同視弱視とは、遠視・近視・乱視に左右差が強いためにおこる、片眼の視力障害です。
片目の視力は正常に発達しているため、生活上に不自由はなく、周囲からは全く判りません。片眼性の弱視であるため、屈折異常の弱い眼の視力は良好であり、片眼ずつの視力検査や屈折検査で発見します。
出典:日本弱視斜視学会ホームページより
つまり、違和感を感じていたのに「気のせい、たまたま機嫌が悪かっただけ」と申告せずにいると、そのまま長期間見逃され、視力回復できたかもしれない期間を無駄にしてしまう可能性があるわけです。
だからこそ、これから3歳児健診を受ける親御さんは、もし少しでも違和感を感じたのならその感覚を大切にしてほしい、きちんと健診時に伝えてほしい。少しでも「あれ?」と思うなら、とりあえず申告してほしい。
言ってみて、検査してみて、思い過ごしだった!となるならそれでいいじゃないですか。
そんな風に思っています。
★これから3歳児健診を受ける方へ
自宅での視力検査の方法は、ブログの体験記なども多いですが、下記のサイトに詳しくまとまっていますので参考にしてみてください。(私も当時、このサイトを知りたかった!)
検査に取り組む前の注意点や練習方法なども、詳しく載っています。
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