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子どもの権利・きもちプロジェクト通信 第13号 発行日:2024年9月3日


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子どもの権利・きもちプロジェクト通信
第13号
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夏の最後に大きな台風があちこちで被害をもたらしました。
被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
避難先で、ご自宅で、子どもたちはどのように過ごしているでしょうか。
『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』は、コロナ下に、非常時の子どもの権利を考えるということで生まれた絵本です。どんなときにも、子どもの声に耳を傾けること、子どもの権利の視点を持ち続けることが、子どももおとなも健やかな心でいられることにつながるだろうと思っています。

さて、新学期が始まりましたね。いろいろな心の動きのある季節です。
この季節は特に、子どもたちの心の声をキャッチできるかどうか、いのちを守る対応が出来るかどうか、私たちに出来ることは何か、考えていきたいものです。
(中村)

〇〇〇〇〇 今回の内容 〇〇〇〇〇

1.寄贈プロジェクトご報告
2.連載「絵本で感じる子どもの権利」
  第3回 :学校に行きたくない.…「今」におすすめの絵本
3.講演・イベント報告
4.今後の講演・イベント情報

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1.寄贈プロジェクトご報告
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『ようこそこどものけんりのほん』寄贈プロジェクト、50カ所への寄贈の発送を終えました。絵本が届いた皆様、ぜひ現場での反応やお声をお寄せいただけますと幸いです。
寄贈プロジェクトは、今後も重版の際など、折を見て続けていきたいと思っております。

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2.連載「絵本で感じる子どもの権利」第3回
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プロジェクトメンバーが代表の長瀬による子どもの権利の視点からさまざまな絵本を読み解いてご紹介するコーナー。
今回は、「学校に行きたくない」という気持ちにかかわる絵本です。

【テーマ:学校に行きたくない…「今」におすすめの絵本】
夏休みが終わりました。
「学校に行きたくない」…そんなふうに思う子どもは少なくないのではないでしょうか。子どもの「行きたくない」は大事な気持ちです。まずは、気持ちを受け止めることが求められます。今回紹介する絵本は、「行きたくない」という気持ちに含まれるいろんな気持ちについて、子どもとおとなが話すきっかけになるようなものです。「行きたくない」と言葉にしていない子どもにも、学校について楽しいことも、いやなことも話ができるきっかけになるかもしれません。

また、実際に「行きたくない」気持ちをどう手当てすればいいのか、子どもの学ぶ権利をどう保障するのか、保護者だけでそれを考えることは難しいです。子どもの権利・きもちプロジェクトは、子どもと保護者を支えるようなおとなが一人でも増えること、支えあうコミュニティをつくっていくことができるよう、活動していきたいと思っています。

◆『ようちえんいやや』
長谷川義史 作・絵 出版社:童心社 発行日:2012年2月

子どもたちが「ようちえんいやや」と大合唱するこの絵本。なぜいやなのか、いろんなふうに子どもたちが語っているところが印象的です。自分がほっとする落ち着ける場所でゆっくりしていたい、そんな子どもの気持ちが伝わってくる本です。「いやや」「いやや」と叫んでいたら、なんとなく気持ちが吐き出され、すっきりする絵本でもあります。

◆『青い花のえかきさん』
作: ソーニャ・ハートネット 絵: ガブリエル・エヴァンス 訳: みらい なな
出版社:童話屋 出版年:2021年

まさに朝「学校に行きたくない」とつぶやく女の子のおはなし。女の子は、みんなと同じようにしなくてはいけない学校という場所の何もかもが難しい、できない、と感じさせられています。そんななか、女の子は彼女のお母さんと「同じ」こと、「ちがう」ことについての語り合いのなかで女の子はある発見をしていきます。実際は、こんなふうにすっきりと自分なりの歩み方や生き方を発見できる子どもばかりではないでしょう。とはいえ、子どもが学校をめぐって感じているあれこれが伝わってくる絵本です。

◆『海のアトリエ』
作:堀川理万子 出版社:偕成社 発行日:2021年5月

こちらも学校に行けなくなっている女の子が夏休みに友人の絵かきさんのおうちで過ごす日々を描いたおはなし。子ども時代のひと夏の特別な記憶を大切に手渡してもらったような気持ちになる物語です。描かれた風景やエピソードは、自分の子ども時代を表現したものではないけれども、なんだか自分も大切にされたような、心のやわらかな部分に沁みこむような作品です。わたしは、疲れた時にじっくりゆったり読み返します。

代表・長瀬のブログ「ちいさなとびら」も併せてご覧ください。毎月月初めに更新しています。今月はもう少ししたらアップします!
https://chisanatobira.exblog.jp/


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3.講演・イベント報告
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夏休み中のWSの報告です。
今年は東京都八王子市と、岩手県盛岡市に伺いました。
それぞれに、学びのあったイベントとなりました。
お世話になった皆様、参加してくださった皆様、ありがとうございました。

◆八王子
「今日の気持ちはどんなかな? 
 親子でこどもの権利を考えるアートワークショップ」
(主催:まちの駅CHITOSEYA)
開催日時:7月21日(日) AM10~11時30分 
場所:まちの駅八王子CHITOSEYA 
ファシリテーター:momo (モモ)

子どもたちが夏休みに入ったばかりの7月21日(日)、東京八王子市の「まちの駅八王子CHITOSEYA」の主催で親子向けアートワークショップを行いました。プロジェクトから、momoと中村がファシリテーターとして伺いました。当日は、5組の親子+スタッフさん2名、合計13名の方がワークショップに参加して下さいました。年齢は3才から大人まで、小学生や中学生もわいわい賑やかなに楽しい時間となりました。まず、絵本『ようこそ こどものけんりのほん』(えがしらみちこ絵 子どもの権利・きもちプロジェクト文 白泉社)を途中まで読んで、「子どもの権利」のお話をしました。小さいお子さんも一生懸命聞いてくれましたよ。

一生懸命きいてくれました!

絵本から「子どもの権利」は世界中の大人たちが、子どもたちとした約束であることが分かりました。それは、すべての子どもが元気に楽しく、安全で安心して生きることを大人たちは応援するよ!という約束。みんなももう、約束してるんだよというと、子どもたちはちょっとびっくりした顔に。

でもこの約束、目に見えないね。約束ってどこにあるのかな?
約束が守られているか、いないかはどうやったらわかるのかな?と問いかけます。
子どもたちからは、「約束は見えなーい!」
「どこにあるか、わからなーい」という声。

実はね、この約束には目じるしがあります!
それは、あなたの気持ちなんだ…

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◆盛岡
子どもの権利に関する講演・ワークショップ(主催:のっぽのっぽ)
開催日:2024年8月18日(日) 
場所:いわて県民情報交流センター アイーナ
第1部 ワークショップ/自分の気持ちや「なりたい自分」を知るアートワーク
第2部  講演 /わたしの気持ちと「子どもの権利」
講師:長瀬正子
*講演のアーカイブ動画無料公開中です(9/25まで)
 お申し込みはこちらから→★

 プロジェクトで文を手がけた絵本『ようこそ こどものけんりのほん』が出版されて1年経ったころ。岩手県は盛岡で子どもにまつわる場づくりをしているみなさんが、この絵本を読んで、講演とアートワークショップをしてほしいとお声がけくださいました。今年は講演会を担当している代表である長瀬が多忙だったこともあり、ほとんどのお声がけをお断りしていたのですが、絵本をきっかけにお誘いいただくのは、実は初めてのこと。「絵本がどんなふうに読まれているのか、生の声が聞けるかも……行ってみましょう」と長瀬はお引き受けすることを決め、絵本を編集した山縣と盛岡を訪れることとなりました。今回はそのレポートを、私、山縣がお届けしたいと思います。
…(中略)…

 最初は、気持ちをコラージュするワークショップ。このワークショップは、言葉にならない気持ちや気分を引き出し、対話をするワークです。「子どもの本当の気持ちをきくこと」はそう簡単ではないことが多々あります。信頼し安心してもらうことが必要ですし、気持ちを言葉で表現することができない子も多いからです。大人だって、自分の本当の気持ちをなかなかわからないのですから当然です。

 絵本を雑誌で発表したときも、どうやって子どもの気持ちを聞き対話すれば良いかわからないという読者の声が多く、単行本化の際はそのコツを描いたページを加筆しました。その一つが「何かをしながら」という聞き方。お風呂に入りながら、自転車に一緒に乗りながら、二人で絵を描きながら……真っ正面から対峙するのではないリラックスしたムードを作るのがコツの一つなのです。まずは大人である参加者の皆さんに、その時間を体験してもらいます・・・

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4.講演・イベント情報
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◆佛教大学O.L.C講座
4月に始まった
「子どもの権利学習」をつくる
~子どももおとなも、ともに楽しく学ぶために(全6回)
が終了しました。
子どもの権利学習のヒントがたくさんある講座でした。
詳しくはデジタルパンフレットをご覧ください。

下記講座は、アーカイブ動画をご視聴いただけます。

〇9月2日(月)15:00~16:15 長瀬 正子 「子どもの権利学習」のこれから

〇8月5日(月)15:00~16:15 栄留里美(大分大学) アドボカシーと「子どもの権利学習」

〇8月9日(金)15:00~16:15 金澤ますみ(桃山学院大学) 学校における「子どもの権利学習」

お申し込みはこちらから→★

◆子どもにやさしい相談窓口・手続のあり方とは?
 〜海外の指針を踏まえて〜

『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』でもお世話になった平野裕二さんの報告です。

日時:9 月 14 日(土)14時~16時半(終了時刻は予定)
場所:東洋大学 赤羽台キャンパス WELL-B HUB2 20208教室(2階)

https://npocrc.org/comitia/wp-content/uploads/2024/08/kenkyukai240914.pdf


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メルマガ13号、お読みくださり、ありがとうございました。

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