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輸送反応の応用 赤ちゃんはあやし方(揺らし方)でおとなしさが変わる!

前回のnoteでは、哺乳類で見られる輸送反応、親が子を運ぶときに子が鳴く(泣く)のを止めたり体を硬直させておとなしくなる反応について紹介しました。今回はその輸送反応の応用編、まぁ、やってみた!編です(^^)

移動しない状態で、どのようなあやし方(揺らし方)をすれば我が子はよりおとなしくなるのか、その効果を実験・観察したいと思います!

1. 実験方法|実験条件|計測について

実験対象:生後1週目の新生児
実験方法:以下4つの揺らし方を試します
 A:左右に揺らす(横抱き 水平)
 B:左右に腰を軸に円弧(約120度)を描いて揺らす(横抱き 水平)
 C:前後に5cm程度揺らす(縦抱き 前方へ約30度傾斜)
 D:上下に5cm程度昇降する(横抱き 水平)

実験条件:

・日中、赤ちゃんが起きている時に泣き出したら実施
 ※ミルクを飲み終わった直後ではない
 ※おむつ交換前ではない
 ※テレビや会話等、大きな環境音がない部屋
・実験中、赤ちゃんへは話しかけを行わない
・180秒間、揺らす(左右/前後に1往復で約2秒間隔)。移動はしない
・揺らしを終了した後、今度は180秒間、静止する
 ※静止時に赤ちゃんが泣きを5秒以上継続したら終了

計測について:
揺らしてから①おとなしくなるまでの時間、②目を閉じるまでの時間、③眠るまでにかかる時間、揺らしを止めてから④目覚めるまでの時間、⑤再び泣くまでの時間について計測します。

2. 結果|泣いてる赤ちゃんをおとなしくさせる一番いいあやし方(揺らし方)

うちの赤ちゃんをおとなしく寝かせるあやし方(揺らし方)の順位は以下!
 
 1位 A:左右に腕を揺らす(横抱き 水平)
 2位 B:左右に腰を軸に円弧(約120度)を描いて揺らす(横抱き 水平)
 3位 C:前後に腕を5cm程度揺らす(縦抱き 前方へ約30度傾斜)
 4位 D:上下に膝を5cm程度昇降する(横抱き 水平)

なお計測はAが2回実施、細かい秒数は違えど3分以内に睡眠へ以降し、20分近く眠り続ける(ミルクの時間となり起こした)結果を得ました。
B,C,Dは1回だけ実施となります。ギャン泣きし始める状況が異なっても、同様の結果となるか今後も追加確認していきたいと思います。

>結果(計測秒数は丸めてます)
3/16 14:00 先ほど編集でミスって計測記録を消してしまった・・・記憶を頼りに書きます(汗。Aはある程度覚えていて、Cだけ計測時間のメモが残ってたけど、残りはまたやり直します。

■ A:左右に腕を揺らす(横抱き 水平)
AM 09:00 起床10分後、おむつ替え後にギャン泣き
>揺らし
0秒:すぐにおとなしくなる手足のバタつきを止め、泣きやむ ①
60秒後:まぶたが降りてくる ②
90秒後:すやすやと寝息を立て始める ③
180秒後:睡眠継続
揺らし終了

>静止
起きることなく睡眠継続
その後、床におろしても睡眠継続
※④⑤は計測にいたらず

********

■ B:左右に腰を軸に円弧(約120度)を描いて揺らす(横抱き 水平)
PM 起こして後、おむつ替えにてギャン泣き
>揺らし
0秒:すぐに大人しくなる手足のバタつきを止め、泣きやむ ①
10秒後:むず痒い顔
170秒後:顔を親の腹の側面に向けて目を閉じる ②
180秒後:寝たように見える ③
     ※直前で寝たため、揺らしを継続
270秒後:揺らしを終了 

>静止
90秒後 
起きてギャン泣き ④⑤

********

■ C:前後に5cm程度揺らす(縦抱き 前方へ約30度傾斜)
PM 17:00 起床中 ギャン泣き
>揺らし
0秒
 泣き止んでおとなしくなる ①
90秒後 1回泣き声をあげるも泣かない
110秒後 1回泣き声をあげるも泣かない のけぞりかける
180秒後 腕を少しばたつかせるも暴れるほどではない

>静止
0秒 キョトンとした顔でこちらを見る
90秒 表情が泣きそうになる
110秒 泣いて暴れだす ⑤
※②③④は目標達成にいたらず計測できず

********

■ D:上下に膝を5cm程度昇降する(横抱き 水平)
PM  起床中おむつ替え後にギャン泣き
>揺らし
0秒
 泣き止んでおとなしくなる ①
5秒後 硬い表情になる
10秒後 腕と脚をバタつかせる
90秒後 腕と脚を暴れさせてギャン泣き ⑤
※②③④は目標達成にいたらず計測できず

3. 考察 なぜ揺らし方により効果が違うのか

 ■ あやし方(揺らし方)
 A:左右に揺らす(横抱き 水平)
 B:左右に腰を軸に円弧(約120度)を描いて揺らす(横抱き 水平)
 C:前後に5cm程度揺らす(縦抱き 前方へ約30度傾斜)
 D:上下に5cm程度昇降する(横抱き 水平)

A,B,CとDとの違いは、揺れが水平方向か垂直方向かです。結果から考えると、垂直方向はうちの赤ちゃんをおとなしくさせるには効果が薄いとわかりました。

A,Bの違いは、Bの方にわずかに遠心力が働くことでしょうか。最初の予測では、AよりBが歩行時の揺れに近いと思っていたため、Aの方が良い結果だったのは意外でした。A,Bの差が何なのか今はわからないため、継続して考えていきたいと思います。

また、Aにおいては完全に水平ではなく、振り子の軌道で試してみたいと思いました。もしかすると効果が違うかもしれません。

なお、Cの結果がなぜ悪かったのか?おそらくですが、体の正面で縦抱きで前後に揺らすため目線が親と合うからだったのではないかと思います。

赤ちゃんが人の横顔を認識する能力は生後8か月ごろ獲得されます。A,Bでは親の顔が正面から見えませんが、Cだと親の顔が正面から見え、認識できる状態になります ≒ コミュ二ケーションを取れる状態だから泣いた、のではないかなと。実際、Cの実行中にギャン泣きするまで赤ちゃんは僕の顔をずっと見ていました。

生後1週目で赤ちゃんが他者を認識できるかは疑問ですが、我が子は目線がバッチリ合う。試しに四角の紙切れを目の前で動かすと目で追随するし、僕の顔を左右に動かすと追随するときもある。顔とそうでないものの検知と認識がDNA配列に記憶されている能力としてあるのかもしれません。なお、新生児の顔認識を知りたい方は日本心理学会サイトにある中央大学の山口真美先生の話をご参考ください。

消えてしまった計測データの測り直しもありますが、それに合わせてさらに考察を深めたいと思います。今日はここまで。

4. 追記 解決されない不快に対する考察

夜、ミルクを上げるために起こした我が子がギャン泣き。起こされたことと光の眩しさで不快になりギャン泣きし、そのうちに手を口でチャプチャプするので空腹も思い出してさらに不快に。母乳のさいの抱っこも嫌いなため、かなり暴れくるってしまいました(汗
妻がミルクを作りに行っている間、Aの抱き方であやしてみました。

■ A:左右に揺らす(横抱き 水平)
0秒後 ギャン泣きしながら腕や脚を振り回す
10秒後 泣くのをやめ、腕や脚もいったんおとなしくなる
20秒後 顔が険しくなり、反り返ってギャン泣き、腕と脚を振り回す
30秒後 おとなしくなる表情が無表情になる
40秒後 顔が険しくなり、反り返ってギャン泣き、腕と脚を振り回す
 〜   脚の動きが落ち着く
50秒後 固まったようにおとなしくなる 壁の1点を見つめる
90秒後 急に顔が険しくなり、ギャン泣き
110秒後 急におとなしくなり目をつぶった、と思いきやギャン泣き
 〜   急におとなしくなり目をつぶった、と思いきやギャン泣き
180秒後 ギャン泣きがやまず

ほとんど効果がなかったですね。なぜなのか?輸送反応の効果は万能ではないのか・・・考えられる理由の仮設は、あやし(ゆらし)で起こされた不快や眩しさによる不快は緩和できても、お腹が空いた不快はミルクを飲むまで解決しないからではないかと思います。

実際、ミルクを口に当てた瞬間から泣き止み、飲み終わった後はすぐに寝ました。複数の不快、おむつ替えや空腹など、解決されないと続く不快に対してはあやし(ゆらし)で落ち着かせることはできないようです。

また、正しいメカニズムがわからないのでそこを無視して書きますが、もしいくつかの異なる入力刺激が不快を作るのであれば、aという入力刺激の波が小さくなってきても、bやcの入力刺激の波と重なって、不快スイッチがオンになる閾値まで届くことも考えられます。

不快スイッチがオンになるたびに、不快と判定する閾値も一時的に下がるのかもしれないですし、ギャン泣きすることで神経系の刺激伝達も増幅されるのかもしれません。つまり、より不快のスイッチが入りやすい不快ブーストのような現象が起こっているのかもなと。それが、赤ちゃんがギャン泣きで暴走すると、なかなか静まらない原因なのではないかと想像してみました。

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