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【代表理事の独り言】少し昔の本を読んで今と繋げて考えてみた。

 ちょっと最近体調を崩していて頭が回らなかったので、本を読もうと思い、丁度興味を持っていた、糸賀一雄さんの「福祉の思想」という本を読んだ。

 最近は、何も考えずにゆっくり本や何かを読む機会はなく、新しい研究をはじめる関係で、心拍の基礎知識を得ようと思い心拍の導入本を読んだり、

 論文を書く関係で論文を色々読んだりと、学術系の読み物がが多かったので、思想?哲学書?を読むことは殆ど無く、しかも「福祉の思想」は1968年に第一刷が発行されているという事で、その時代の歴史的背景もとてもなく詰まった本で、とても内容が新鮮に映った。

 でも、今の私達でも学びになる事は色々あった。
例えば・・・
・(西欧の福祉的理念がどのように育った課程を理解しないで)ただ西欧的モデルを入れようとすると、思想的な吟味が欠けて、ものまねにすぎないことになる。
・世間のひとがきめる価値評価は、ほとんど絶対的な重要さを持っている。
・人間の日常性を支配しているものは、そして実際にあるものは、相対的価値である。
等など。

 それらを元に考えると、現代社会でも、どんどん海外からいろいろな思想や考え、運動がはいっているけど、思想や考え、運動が起こった国ごとの歴史的背景が理解されていないまま、形のみ入ってきて、蔓延しているものも多々あるんじゃないかなぁと思ったり。

 一本筋のように進んでいく子どもの発達観や情報の元、その通りに子どもが育たず悩む親。そして、我が子は我が子で良いと思っても他の子ども達と比べてできない事が気になってしまう親。世間の絶対的評価や世間と比べて相対的に我が子を評価する事で悩みが絶えない人たちも今も沢山いるのではないかと思った。

 「今の社会は昔と違う。」とか「昔の人は分からない。」と言う人はいるけれど、その中でも私達と同じように悩み生きている人は沢山いたんだろうなぁと思う。ただ、その答えの出し方は、当時の文化の影響を多く反映するので今の昔では異なっていただけなのかなぁと。

 その中での答えの出し方の経験の積み重ねによる「当たり前」の価値観の形成が、世代間の価値観の違いにつながる一つの要因になっているのではないだろうか。そんな気がしました。

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