『あな』のつづき
きのうの続きの今日のはなし
昨日、『あな』の本を読んでいる間、魔法にかかったかのような表情をしていた女の子の話をしました。
今日もその子に会えました。本を読める時間になると、すぐにわたしのところにきて「読んでいいの?」と聞きます。「もちろんいいよ」と答えると、本棚の方へ。他の子どもの相手が済んで、ふと彼女を見ると、黙々と『あな』を読んでいて、最後のページまで来ると、今度は声を出して全部読んでました。
読んでいる顔を見ると、きらきらと目が輝いています。大切な友達にあったかのよう。
他の子がわたしのところにきて『ぶたのたね』(佐々木マキ・福音館書店)を読んでと言いました。その本を読んでいる時もそばにいましたが、読み終えると、「わたしも読んでほしい」と『あな』を持ってきました。
昨日もさっきも読んでいることを知っているその子は、「気に入ったんだね♡」と言って一緒に聞いてました。
「にちようびのあさ、なにもすることがなかったので、ひろしはあなをほりはじめました」と読み始めると、ぶたのたねを持ってきた女の子が「えぇ、やることいっぱいだよ、はみがきとかっ」とかと言っています。いいながら、ひろしくんのあなをほっている様子にくぎ付け。残念ながら芋虫と出合う前に帰る時間になってしまったのだけど、上着を着ながら聴いて、ランドセル背負いながら聴いてと帰りたくなさそう。結末は知っていても、最後まで聴きたいよね。
さて、『あな』を持ってきた女の子は、本を閉じると、大事そうに持って、「この本ね、すごく好き!!この本みたいな本探してほしい」と言われました。
限りある本棚だからなぁ、文庫から持っていくかなぁ。なにがいいかな。と夕方からずっと考えながら幸せな時間を過ごしている。