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なんでからすが黒いのか?


あかちゃんのむかしむかし
ふくろうのそめものや
松谷 みよ子 ぶん
和歌山 静子 え
童心社
2~3歳頃から

 昔話には、動物の今の姿がなぜそうなったのか、という話があります。
例えば、おさるのお尻はなぜ赤いのか、とか。
今回紹介するのは、からすが黒いわけは、というお話。
 この絵本を借りて行ったCちゃん(年少さん)は、文章を覚えてしまうほどに、何回もなんかいも読んでくれてたそうです。
その話をお母さんがすると、すかさず
「ふくろうのそめものや やーい」と言ってニコニコ。
とても好きだったことがよくわかります。ぐるぐるの◎でした。

 むかしむかし、からすは真っ白で、みやまかけすの美しさを見てうらやましい~と思った。しじゅうからはお洒落だし、かわせみはキラキラの宝石のよう。なんでそんな綺麗なのかを訊ねるとふくろうがそめものやをやってると教えてくれました。
 ところがねぇ、どの色に染めてもからすは文句しか言わない。そりゃふくろうさんも怒るわよね。それでどうなったと思う?
それはね…… 続きは絵本で。

 この本はわたしも自信を持って、文庫で読んだり、読み聞かせにも持っていきます。子どもたちはそれはもうどうなるのか?どうなるのか?と楽しみに聞いてくれます。

 おなじ楽しく読むなら、こういう本を手渡してほしいし、読んであげてほしいと切に願います。ウケだけを狙ってくる絵本は、その時だけしか面白くないし、あんまり残らない。たまに読むならいいと思うけど、いつもいつもウケを狙う本はもったいなと思います。

 最近読んだ(やっと)『ヘルシンキ生活の練習』で小さな子の”笑い”について書かれてる章がありました。
 筆者の娘さんが話すフィンランド語を、同じクラスのフィンランド人の子が話すたびに笑うことをとても嫌がっています(誰だっていやです。たまに大人もいます、わざと複唱する人。もちろん子どもにもいます。)
 その男の子のお父さんに後日会った時、筆者にそのことを謝るのですが、「ハハハ、まあ子ども同士のことですから」と意にそぐわない返事をしてしまいます。それから一週間ほどして、娘にその後どう?と聞くと「お話し合いした」と答えるので、筆者は吊るし上げでもしたのか?と思ったら(たぶん案外本気で…)、みんなでクマとウサギの絵本を読んでおしゃべりしたと話します。それで翌日気になった筆者は担任の一人に質問をしました。

すると、ロッタ先生はこう答えた。
「私たちは、物事を笑うことと、人を笑うこととを別のことだと教えました。前者は友達と楽しめるが、後者はそうではありません」

ヘルシンキ生活の練習p123

 このあと、もう少し話はつづきます。この物事を笑うことと、人を笑うことは別、これはとても大事な感覚。

 生活の練習は文庫がでました。この本、子育てお役立ち本ですよ。あ、同じ、そんな感覚で読めると思うし、自分が思うこと、体験する子育ては特別じゃない、みんなも一緒だということも感じられる、応援本のような存在になるはず。 上間陽子さんも「私も、この本を片手に戦える!」と紹介されていました。すごい!
 少しずつ読めるので、こちらもぜひ!



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