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侘の美学

わび侘び)とは、辞典の定義によれば、「・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識」を言い、動詞「わぶ」の名詞形である。
本来、侘とは厭う(いとう)べき心身の状態を表すことばだったが、中世に近づくにつれて、いとうべき不十分なあり方にが見出されるようになり、不足の美を表現する新しい美意識へと変化していった。

わび・さび - Wikipedia

科学や西洋文化の台頭により、完全性や整合性を有するものが善美であるという思想が勢力を伸ばしてきた。しかし《侘び》によると、不完全さや儚さにしか表現できない善美が、確かに存在することがわかる。
したがって、完全性や整合性は「美しさ」の必要条件ではないのだ。美のために完全性を追求する者は、不完全ゆえの美しさを失っていくのである。


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