私はHAEです。
HAE(遺伝性血管性浮腫)という病気の名前を聞いたことはありますか?
去年(2018年)の11月3日、「真相報道 バンキシャ」というテレビで特集された希少難病です。
(このおかげで私は親戚からの「甘え病」という汚名が返上できました)
患者数は少なく、5万人に1人~15万人に1人の確立ではないか、という説がありますが、実際に私の住んでいる県では私を含め、3家系しか確認されていません。人口の多い都道府県でも10数人程度くらいと言われています。
どんな病気かというと、簡単に言うと全身がどこでも突然浮腫む病気です。
これだけ聞くと「ふーん」くらいですよね!分かります。
お酒を飲みすぎた次の日の朝、妊娠中や月経中など浮腫むことって誰でもありますよね。
でも、HAEの浮腫みは命に関わる事も少なくありません。
命に関わらなくても、原因が分からずに腫れている部分を切除する手術が行われてしまった患者さんもいます。
なぜなら、浮腫む場所は手足、顔、頭、肩、性器周辺といった外部だけではなく、内臓が浮腫んでしまうことがあるのです。
腸や胃が浮腫むと急激な嘔吐、下痢、激しい腹痛や酷い場合には急性の腸閉塞を起こしたり、喉に浮腫みが出てしまうと窒息死の危険性もあり、実際に亡くなってしまった方もいる病気です。
恐ろしいことにこの浮腫みは急激に起こるので、あれ…?浮腫んできた…?
と油断していたらアッという間に窒息してしまう事もあり得ます。
大体数十分~数時間の内に発作の浮腫みが完成される、とされていますが、体感としては数分でパンパンに浮腫んでしまう事もあります。
軽度の浮腫みでも浮腫みが出ている部分の痛みや全身のだるさ、火傷した時のようなヒリヒリした痛みは味わう事になります。
この病気は医師の間でも知名度が低く、私自身も診断名が確定するまでに約5年、昔の謎の胃痛や謎の腹痛で救急に運ばれた事も合わせれば20年はかかっています。
HAEは3つの型があり、Ⅰ型、Ⅱ型は血液検査で判別することができます。
Ⅲ型は血液検査で診断できる人もいれば、原因が今の段階では見つけ出せない方もあります。
私は、原因不明とされているⅢ型です。発作(浮腫みが起こることをこう呼んでいます)の頻度も高く、そのために仕事も退職せざるをえず、日常生活にも支障をきたしています。
正直に言えば、自分がこんな病気になるなんて思っていませんでした。
難病を患っている人はみんなそんな気持ちがるのではないでしょうか?
辛いことは沢山あるし、不安も色々あります。
しかし、幸いなことに支えてくれる家族がいてくれるので
「なんでこんな病気になるなら、宝くじ当たらないの!確率的には似たようなもんじゃないのー?!」と笑えています。
SNSでも同じ病気の患者さんと交流を持つことで、情報交換出来たり、「~が腫れた」「わかる!痛いよね!」と時には共感できることも大きな救いです。
このnoteでは、難病になって困ったことや症状、手続きなどHAEの事に加えて家族のことを書いていきます。
医療関係者の方、原因不明の腹痛や浮腫みに悩まされる人、同じHAE患者さんやそのご家族の目に触れる事を祈って!
そうでない人もふーん。くらいで立ち寄ってみてください。