コロナ受難2「オンライン授業で多くの授業は代替しうるが中には代替不可能な授業がある。休校を検討する学生がいる今、学校のなすべきことは何か?」
私は現在オンライン授業でコロナのため全面休止の対面授業の代替授業を行なっている。我が校は美術系の予備校であるが緊急事態宣言がGW後も自粛期間が延長されてしまう可能性が高いと見て受験生の受験勉強が滞ることのないように配慮し、オンラインだからこそできる授業を優先し少しでも生徒の受験が優位に進むようにしている。その内容については必要であれば、多分ないと思うが、後日公開してもいいと考えている。それより気になるのは、大学生たちが休学しようとしている件についてである。学生が休学を選択することは学校において非常に不味いことになる。もちろん学生への損失も大きい。これをできうる限り抑えるのは学校の柔軟な対応と仕組みを考え出すことにある。
対面授業ができないコロナ受難の我々の置かれたこの状況下でオンライン授業で代替できない授業がある。一般の家庭環境ではできない特別に準備や環境が必要な実習がそれに当たる。誰にも馴染みのある授業で言えば、化学の実験、音楽の防音室、工作の防塵、巨大な作品の制作などが挙げられよう。馴染みのないものでも専門的な研究や制作と言えばなんとなく研究室やアトリエでなければできないことは想像しやすい。このような授業が大学に通う動機となっている大学生にとって研究や制作ができないのであれば休学を検討してみたくもなるのは当然のことと思う。学校は今のこの期間を平時ではない特殊な間として、平時とは区別し、どのように認識するべきかをイメージし形にするべきである。それには特例という形で学生の置かれた細かな状況に対応するシナリオを無数に作るべきである。それを考えるのは学校同士が協力しあってシナリオを考え制度にどのような特例を付帯事項として加えれば良いか考えればそう時間はかからないように思われる。
大学生はそれぞれの置かれた状況や専攻や学校での立場の中で自分の専攻で行う授業の内容がオンライン授業で代替しうるかどうか判断はできる。代替可能な授業は多いはずだが中にはどう考えようとも代替が不可能なものがある。学生にはそれが見えるので、状況を良く見通した上で休学を判断するものが出てこようとしている。
学生の進退を決めるのは緊急事態宣言が解かれるタイミングだ。緊急事態宣言がいつ解かれるかが誰にもわからない今必要なことは、学校側のフレキシブルな対応ではなかろうか。つまり、学生の進退は学生の意思に任せる。学校側はそれに柔軟に対応しうるシステムを早急に作りあげてすぐに提示し始めるべきだ。
言うまでもなく今は平時ではない、学校を軸にして、学校の都合に合わせて全ての学生が動くことは難しい。今は学生の個々の状況に合わせて学校が対応できるようにするべきだ。柔軟さに欠ける為に学校が多くの学生を失い経営を圧迫することとなれば、それほど愚かなことはなかろう。実際、小規模の学校で存続の危機にある所は多いと思う。戦争であれば危なければ逃げて欲しい。逃げるかどうかの判断はその瞬間でなければできない。つまり、この期間はいつ逃げても構わないからいつでも戻って来いと言えるようにして欲しい。具体的に言えば休校したとしても緊急事態宣言が解かれた時点で復学を希望すればいつでも戻れるようにする仕組みを作って欲しい。平時に決められた期間に合わせて休学を判断するのは今の状況には合わない。
この受難により、学校は命とも言える多くの学生を失うかもしれない。緊急事態宣言の期間がどれだけ伸びようとも学校は学生が安心していつでも学校に戻ってこれる仕組みを考え出すべきだ。それが「愛」ではないだろうか?
コロナがGWで本当に終息するなら4月の授業を代替するか授業料返還するかで対応できよう。しかし、これが夏まで続いたり、本年度末3月まで続けばどうか?オンライン授業でも代替が不可能であれば、いたずらに学費を払い学習の機会を失ったり、コロナの影響でアルバイトができない状態で経済的に疲弊するよりも休学を選ぶ方が正しい判断と言える。
学生たちの為に学校が今なすべきことは他にもある。授業への信頼を担保することである。代替授業の内容について詳細に説明すること。どのような意義があり、必要なことなのか?大学が本当に納得いくだけの指導力が今、試されている。
学校の授業はひとまず、代替不可能な実習は見送り、オンラインで行える座学を中心にオンライン授業のシラバスを組むべきである。多くの授業が対面授業のシラバスをそのまま応用できるはずである。問題は実習であるが、実習不可能であるかどうかは早急に、高等教育機関の前期については、もう時はすでに遅しであるが、教員と大学が連携し履修登録を行なっているこの期間に示すべきである。
全ての学校が今何をするべきか考えていることと思う。
正直言うと緊急事態宣言発令と同時にオンライン授業を行なった学校が美術関係では我が校だけだったことはとても残念なことだ。
GWを開ければ緊急事態宣言が解かれるか、期間延長になることがわかる。そのタイミングでは多くの学校でオンライン授業が実施されるだろう。
先の問題に触れておくと、このコロナ受難が終息しなければ、入試が行えなくなる。その場合にまでを想定してあらゆる角度でどうすればいいか考え、今のうちに学生にどうなったらどうする。と言う風にシナリオを話して安心させておくべきだ。
今巷で話題になっている学生の休校も、予め学校側から話があって、安心して休校だと、悪いのは全てコロナということで良かったのだが・・。
続く
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