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夜な夜なシュトーレンを作る

シュトーレンってドライフルーツパンに粉砂糖がかかったもの?
いえいえ、それはなんちゃってシュトーレン。本物は全く別物なのです。
本番ドイツのシュトーレンを食べた私の感想ですが、ドイツのシュトーレンはしっとりしていて芳醇な香り。手に取るとずっしりと重たいです。

シュトーレンはドイツの伝統的な発酵菓子で、バターをたっぷり使った生地に洋酒に漬け込んだドライフルーツやナッツを混ぜこんで作ります。表面には、これまたたっぷりの粉砂糖をふりかけます。日持ちがするので、ドイツでは12月になるとシュトーレンを薄く切って少しづつ食べて、クリスマスを楽しみに待つそうです。

毎年シュトーレンを作るのがこの時期の私の手仕事。仕込みから出来上がりまでじっくりと時間をかけて作っていきます。

2週間前にドライフルーツを仕込むことから始まります。赤ワインとハチミツ、グランマニエを加えて熟成させておきます。


10日前にレーズン酵母をおこしておきます。


3日前にパン種を仕込んでおきます。


前日にライ麦と白ワインの前種を仕込んでおきます。
翌日、生地にドライフルーツとナッツを混ぜこんだら、約13時間かけて低温発酵も間にはさんでじっくりと一次発酵させます。二次発酵は30分ほど。
焼きあがったらすぐにブランデーをたっぷり塗ります。表面にブランデーを塗るとジュっと音がします。
そして溶かしバターの海へドボン!上からもスプーンで溶かしバターをかけます。焼きあがってからブランデー、バターの作業はノンストップなので、どうしても作業に集中できる夜中に作ることが多くなります。


冷めたら粉砂糖をたっぷりと。厚さが薄いと、しみこませたバターで粉砂糖がすぐに黄色に変わってしまうので、とにかくたっぷりの粉砂糖で表面を覆います。
そしてラップでぴったりと包んでおきます。

シュトーレンは、日を追うごとに香りが熟成されていくので、この変化を楽しみながら少しづつ食べるのもの醍醐味。

我が家では毎年たくさん作ります。一つは焼いたその日に熟成を待つことなく「味見」で半分はなくなってしまうので。

たっぷりのバターとブランデーと粉砂糖で日持ちがするので、この時期から年末年始の手土産にも重宝しています。

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