【人生雑談::オンとオフ切り替えたい】
会社員(事務員)です。帰宅しても仕事のことや会社の人間関係のことが頭から離れず、リフレッシュできないことがあります。夢にも出てきます。オン・オフの切り替えが下手なのです。いっそ仕事を辞めたら楽になるのかなと思うのですが、転職しても解決しないですよね……。プライベートの時間に、仕事のことをスパッと忘れる方法はありますか。(43歳・女性)
まぁ大概のことは時間がたてば忘れることができますが、スパッと忘れることは、そうそうできないようです。
眠れない夜に「寝なくちゃ、寝なくちゃ」と思えば思うほどなかなか寐つかれず、汗をかいてしまったり、心臓がどきどきしてくるようなことは誰しも経験があるでしょう。
同じように、「忘れよう、忘れよう」などと一生懸命になると、かえって忘れることはできません。人間はいい加減に出来ていて、なかなか自分を自分の思うようには扱うことができません。
でも人間はいい加減に出来ている分だけ、それに対応できるような仕組みもまた供えています。まぁそうでなかったら、こんなに地上に蔓延る前に絶滅していたでしょうから...。
それをうまく書いている徒然草第百五十七段の冒頭の部分を今の言葉にすると「ペンを持てば何か書きたくなるし、楽器を持てば演奏したくなる。盃を持てば酒を飲みたくなるし、サイコロを持てば賭けがしたくなる。心というものは、物に触れると動いてしまう」とでもなるでしょう。
人は自分を己の意志で制御できないことはいろいろあります。そんな時には「何とかしよう」などと焦らずに、身の回りにある何かをいじってみることです。カバンにつけてあるアクセサリーでも、気に入った服でも、なんでもいいのです。ちょっといじってみて余り気分がのらなかったら、また別のものに触ってみる。これで気分はだいぶ変わるはずです。
余談になりますが、よく神社で売っているお守りは本来はこういった用途で使うような古来からの仕組みです。なにか大変な事態になっていても、お守りを握ることで神様が守ってくれていると確信できるようにする道具です。
部屋で一人で考えるとか、TVやネットを見ていることはお勧めしません。兼好法師の言葉で言えば「心は必ず事に触れて来たる」です。御自分で何かを能動的に行うことで、御自分の感覚が動きます。眺めているだけでは、感覚が引きずられるだけで眠ってしまいます。
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