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杉村、原、死闘は延長13回…高知、東海大相模破り初V 1975年春(上)紙面で振り返る「高知の高校野球」

 3月開幕の選抜高校野球大会。高知県からは、2021年秋の四国大会を制した高知高校が中四国地区から選出された。高知高校は1975年のセンバツで優勝。その年、ヤクルトにドラフト1位で指名される杉村繁が主力だった。決勝の相手は、のちに巨人の4番・原辰徳を擁する東海大相模(神奈川)。延長13回に及ぶ激闘だった。あれからおよそ半世紀たつが、杉村はヤクルトのコーチとして、原は巨人監督としていまなおグラウンドに立つ。高校時代、屈指のスラッガーとして「西の杉村、東の原」とも称された2人が相まみえた大熱戦を、当時の高知新聞紙面で振り返る。(敬称略)

杉村高知選抜優勝-上1

蒋介石死去を差し置いてトップ扱い

 試合があったのは、1975年4月6日。翌7日の朝刊1面トップで高知高校の優勝が報じられた。主見出しは「高知、闘志で初優勝飾る」。凸版という、活字ではない見出しを横展開で付けている。いわゆる「横トツ」というもので、これはビッグニュース用に使われる。高知新聞の場合、スポーツ記事が1面トップに来ることは五輪関係ではあるが、地だね(地元のニュース)となると頻繁にはない。特に今回は高知県勢として初めてのセンバツ制覇ということもあり、堂々の1面トップになったと思われる。すぐ隣に「蒋介石」という大きな文字が見える。台湾の初代総統・蒋介石が亡くなったというビッグニュースだ。高知の優勝はこれを差し置いてのトップである。

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