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初陣・伊野商が快進撃!1985年春(上)紙面で振り返る「高知の高校野球」

 1985(昭和60)年春の選抜高校野球大会。高知県代表の伊野商業高校は準決勝でPL学園高校(大阪)を撃破。伊野商のエース、渡辺智男はPLの強打者・清原和博を3三振と封じた。決勝で帝京高校(東京)を倒し、初出場初優勝を成し遂げた伊野商のセンバツ序盤の快進撃を、当時の高知新聞で振り返る(敬称略)。

いきなり先制パンチ

 握り拳を振り上げながら、一塁ベースを回る眼鏡の青年。85年センバツで主役となる伊野商のエース、渡辺だ。準決勝で清原を封じたことから「投」のイメージが強いが、打つ方でもヒーローになっている。東海大浦安高校(千葉)との1回戦の結果を報じた3月29日付夕刊社会面の「伊野商 初戦を突破」という横見出しを、「渡辺、いきなり2ラン」の縦見出しが支えている。そう、渡辺の快打は初回の先制パンチだったのだ。伊野商はセンバツ初出場。選手は当然緊張していただろうから、渡辺の1発は味方を奮い立たせたに違いない。渡辺は六回にヒットを放ち、追加点の起点に。攻守で勝ちに貢献した。

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