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1950年代のビル・エヴァンス
ビル・エヴァンスのことを語る時には、一般的に前期、中期、後期と分けることが多い。中期は、天才ベーシストのスコット・ラファロとのリバーサイド4部作を生み出した60年代であり、それ以前は、50年代であり、それ以降は、70年代となります。
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60年代のビル•エヴァンスがすごいのは言わずもがななのですが、70年代もすごいのは下記の本に理由がありました。
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これから50年代のビル•エヴァンスについて語るのですが、50年代は、マイルス・デイヴィスとの交流もありかなりの名作を残しております。お互いに影響し合い高いレベルでの作品を残しております。
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今回はこれらについては語らず、純粋にリーダー作品について語りたいと思います。
50年代はひとことで言うと試行錯誤の時代であったような気がする。試行錯誤の時代と言えるのは、その後のビル・エヴァンスがどのような活躍をするかを知っているから言えるところが大きいと思う。歴史的な認識である。本来であればその作品を純粋に評価すれば良いのであるが、その後の発展を知ってしまっているが故のことと思います。ビル・エヴァンスの最初のリーダーアルバムは下記です。
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このアルバムは、その後を知っている身としては大変淋しいものと思います。大変びっくりするのは、「ファイブ」という曲が、あまりにも、セロニアス・モンクにそっくりでありということです。これにはびっくりいたします。
このアルバムには、「ワルツ・フォー・デビー」や「マイ・ロマンス」などのソロピアノを聴きことが出来るが、これしか話題性としての聴きどころしかないかも知れません。大変厳しことを言って申し訳ありません。逆に言えばこれが聴きどころかも知れません。
次のアルバムは下記です。
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このアルバムには、「ピース・ピース」や「サム・アザー・タイム」などの話題により一般的には結構評価が高いように思えます。
但し、バラード系のものは割と良いのですが、その他のものについては、録音もあまりよくなく厳しいものがあると思います。
上記でかなり厳しことを言って来ましたが、これはビル•エヴァンスを愛するからでこそであります。その中で、最も50年代で好きなのは、次のアルバムです。
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このアルバムは、元マイルスのリズムセクションが担当をしており、事前準備なしの偶発的に行われたと言われています。その為に、ビル・エヴァンスは当初発売を拒んだそうです。その後に勿論発売されるのですが、20年後だそうです。個人的に一曲目の「あなたと夜と音楽と」の曲が好きで少し思い入れているところがありますが、全体的にリラックスしているようにも感じられ、気負うところが全くなく、60年代以降に発揮されるビル・エヴァンスの自己表現ができているように感じられます。
ビル•エヴァンスの最も好きなところの清涼感が感じられ始めたアルバムだと思います。以降このアルバムが、基準となりビル・エヴァンスを捉えられるようになったような気がします。とても印象的なアルバムです。
色々と言いたいことを語って来ましたが、様々な環境や過去や知り得ている将来の作品との比較の上での聴き方をするやり方もありますが、そのようなことを全く考えないで、音だけを追いかけて聴くというような聴き方もあると思います。私自身もそのような聴き方もします。音楽はそのように全てを受け入れてくれるものと思っています。音楽は素晴らしいと思います。