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コロナ禍におけるスポーツのルール改正の是非について

皆さん、こんにちは。はじめまして。
男子チアリーディング協会(King of Cheerleaders' Association)代表理事の佐藤です。
チアリーダーの皆さんからはSugarと呼ばれています。
この協会では、男子チアの全国大会を年に一回開催したり、男子チア女子チア問わずコーチングなどをして、男子チアのためだけではなく、全てのチアリーダーの為の活動をしています。

三密のチアリーディング

「新しい生活様式」なんていう言葉がごく普通に使われるようになってきて、もはやコロナ禍前の生活は古い生活様式になってきてるのかもしれません。
相変わらず朝の電車の通勤ラッシュはものすごいですが、マスク着用率はほぼ100%に近い状況ですし、客先訪問や社内会議は「リモートでやりましょう!」と提案することにも、提案されることにも、違和感は全くなくなっていきているかと思います。
そんな中、なかなか「新しい様式」にすることに、苦慮することが多いのが「スポーツ」なんだと思います。
中でも我々が様々ご支援させていただいているチアリーディングという競技は、「屋内」で行い、スタンツという組体操のような「密集」する技があり、「声」を出すという、三密の極みのスポーツであり、殊更ルール改正に一歩踏み出すことが難しいのかなと思ってます。

某チアリーディング協会のルール改正について

私たち男子チアリーディング協会は来年三月にThe King of Cheerleaders Competitionという男子チア大会を実施予定で、現在「新しい生活様式」でのルール整備に粉骨砕身しております。
日本にはチアリーディングの協会が様々あり、他協会のルール改正について動向をうかがっているところではあるのですが、
今週中旬、とあるチアリーディング協会が今シーズン行われているチアリーディング大会の指針を発表致しました。

内容をおおざっぱにまとめますと
全て今年に限り、
・地区大会は全てバーチャル大会(ビデオ審査)とする。
・全国大会(来年三月開催予定)は実施予定だが、状況次第でバーチャル大会となる。
・スタンツ(組体操)は禁止とする。
・発声は禁止とする。
・選手と選手の間を2m程度確保する。
といったものです。

これを見たとき、「コロナ禍では、そりゃそうか」と思う一方で、「ここまで制限してチアリーディングの特性を活かせるのかな?」と思いました。
チアリーディングにおいて、「スタンツの禁止」と「発声の禁止」は、他競技における「オフェンスの禁止」と「ディフェンスの禁止」くらいの衝撃があります。
たとえ話をするのはあまり得意ではないですが、サッカーで言うと全試合がPK戦になる、競技としてはそのくらいの変化があると思います。
当然、「このルール下なら優勝できそうだぞ」という新ルールに希望を見出すチームも出てくると思いますが、一方で、「このルール下なら今年は出ない」という新ルールに匙を投げるチームも出てくると思います。
【今年に限り】というフレーズで、今後は今まで通りに戻るのかな、という若干の期待がありますが、冒頭で記載した通り、「新しい生活様式」が「通常の生活様式」になりつつある今、「新しい競技ルール」が「通常の競技ルール」になるということも否定できないかと思います。

と、まぁ当該チアリーディング協会の選定した新ルールには希望がないという書きっぷりですが、実はそうは思っていません。
これはこれで、多いにありと思っております。(かといって我々男子チアリーディング協会も同様のルール改正を行うということではないですが)
私がそう思うことのできたきっかけは、チアリーディングの原点、チアリーダーの役割にあります。


チアリーダーの役割とは

皆さんはチアリーダーの役割とは何なのかご存知でしょうか。
選手を応援するとか、選手を元気づけると思われがちですが、実は「サポーターを盛り上げ、選手を応援させる」役割を担っています。サポーターのチア(応援)をリードする役割があるのです。
競技性だとか競技ルールを一度忘れ、チアリーダーの役割について考えてみると、先の協会の設定したルールは悪くなく、むしろよく見えてくると思います。
コロナ禍の現在、あらゆるスポーツをサポーターが現地に応援しに行こうとするときまって、

・良いプレーには声援ではなく、拍手で応援しましょう
・席間隔は保つようお願い致します

という二大ルールがあります。
当然、このルールはチアリーダーにも適用されるもので、このルールの中で「サポーターを盛り上げ、選手を応援させる」という役割を果たさなければなりません。

そう考えると、コロナ禍で、チアリーダーの役割を果たすことってすごく難しい。

話を戻して、大会の話です。
チアリーダーの役割を前提に考えたとき、先ほど紹介したチアリーディング協会の競技ルール改正は、「どれだけチアリーダーとしての役割を果たしているか」を最重要視できるものとなっていることに気が付きます。
今までのルールは、どれだけスタンツが綺麗か・優れているか、何回転したか、声が出ているか等(いわばチアリーダーの役割から若干遠いところ)が大部分の評価項目を占めていましたが、この競技ルール改正で、今まで薄く評価されていた項目、チアリーダーの役割が、色濃くスコアで評価されます。おそらくジャイアントキリングが多く発生すると思います。
声を出せない、スタンツができない状況で、いかにチアをリードできるか、いわば「新しい競技様式でのチアリーディング」是非とも見てみたいと思ってます。

今回コロナ禍におけるスポーツのルール変更は是か非か、などというタイトルでnoteを書いてまいりましたが、まだその答えを出す段階ではないかなと思ってます。「新しい競技様式」が「通常の競技様式」となった時、是だったか、非だったか、そんな話が出来ればいいなと思っております。

我々、男子チアリーディング協会も来る2021年3月21日の男子チアリーディング大会The King of Cheerleaders Competition2021の「この時代にあったルールづくり」を急がねばなりません。
引き続き応援の程、宜しくお願い致します!!

以上、Sugarでした。

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