片伊勢武アミンのトリプルアクセル|フィギュアスケート
今シーズンを振り返って心残りなのは、片伊勢武アミン選手のお姿を拝見した回数が少なかったことだ。
今シーズンのフリープログラム「Tree of Life Suite」は神プロというレベルを通り越して、片伊勢くんのためにある曲かと思うほどハマっていた。
一番最初に見たげんさんお肉杯でのノーミス演技は鳥肌だった。
「Tree of Life Suite」は壮大なスケールを感じさせる中に何とも言えない哀愁がこめられており、演じられる選手を選ぶ曲だと思う。
編曲が少し違うけれどシンジア選手も昨シーズン使用した曲で、やはりとても素晴らしかった。
4回転はまだ未搭載の片伊勢選手だが、私は彼のトリプルアクセルが大好物である。
踏切から着氷までの時間が長くて、猫足着氷なのだけれど力強さもある降り方で、「タメの効いた」トリプルアクセルとでも言ったらいいのだろうか、一瞬時間が止まったような錯覚に陥るのだ。
今シーズンのフリーは1番目と4番目のジャンプがトリプルアクセル。
2つめのトリプルアクセルの前には、競技ということを忘れさせるそれは優雅なステップが踏まれ、こちらが酔いしれているところへ
「もう一杯お紅茶いかがかしら?」
・・・てな感じでふんわりとトリプルアクセルが入る。
層の厚い日本男子の中で、来シーズンはグランプリシリーズのエントリーは難しいかもしれないけれど、我々の至宝を海外の人にも見てもらう機会が、一つでも増えてほしいと願うばかりである。