石丸坊ちゃんのこと

「勝敗なんて小さな議論をしないで、次元の違うなんちゃらが…」って、選挙に落ちた候補者がメディアに向かってドヤってるのを聞いて、「FXかなんかの投資セミナーですか?」という言葉がよぎりました。

政治不信ってのは、こじらせると頭にウジが湧くようで、議場で議員に「恥を知れ!」ってイキるお坊ちゃんが、最近じゃヒーローになっちまうそうです。仮にアレが社長だったとして、株主総会で株主に向かってマウント取る社長って、どんな世界線なんでしょう。
 例えばA社の株主総会で、いくつかの主要な法人株主から、それぞれ代理人が参加していたとます。何人かが、A社の社長からの報告の最中に寝ていたとして、社長が株主の代理人に向かって、「恥を知れ!」っと啖呵を切ったら、その社長、経営者として優秀ってことになりますか?
…アホとしか言わんでしょう…。

そりゃ、法人株主の代理人として寝てて良いのかって話はあるでしょうけど、それは株主側が心配することで、経営側が首突っ込んでよい話じゃないはずです。

議会と株主総会は、結社の目的こそ違いますが、大きな規模の合意形成をするために、提案権者を代議制によってチェックするという、ガバナンスの手法は共通です。

議会にいる議員は、手続きを経て住民が送り込んでいる代理人です。首長及び執行部から見て、どんなに愚鈍に見えようが、邪魔だろうが、思想が偏っていようが、寝ていようが、起きていようが、重度障害があろうが、病気で寝たきりであろうが、その資質を首長側が云々するなぞ、許されるはずもないのです。

議員の進退を強制できるのは選挙か議会だけ。どんなにクズでも、ガーシーが選ばれて議員である以上は、国会に出席すらしていなくても、総理の口から「あいつは議員の資質に欠ける」などと発言しようものなら、内閣一つ飛ばして詫びを入れさせるのが代議制民主主義なんです。

有権者が、今すぐ自分の思った通りにならないからと、政治不信をこじらせるのは分からないでもないですが、住民の金を預かる立場で、住民の代理人にケチをつけてるようなとっちゃん坊やを、新しい政治とか第三極とか行って持ち上げるのは勘弁してください。人類は民主制を定着させるまでに、夥しい数の人が闘って死んでいます。未だ闘っている人たちも多いのです。

河合杏里や安倍さんが、金で歪めて良いものでもなければ、
石丸のお坊ちゃんがヒーローごっこに使ってよいオモチャでもないんです。
せっかく腐敗の根が一つ見えた怒りを、幼稚なYouTuberに託しちゃうんじゃなくて、
国会とメディアに、政治資金規正法をもう一度議論させるところから、やっていくしかないでしょう。法治国家は制度で少しずつ改善していくものです。普通に政治、やりましょう。

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