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7.面接

WHY:面接は何のためにあるのか?

そもそもESやGDがあるにもかかわらず、なぜ面接という選考プロセスを企業側は行っているのでしょうか。
主に企業側が理由を行う理由は2つあります。

1. 企業側が学生の適性を見極めるため:
  a. 活躍するためのポテンシャルがあるか(CAN:能力適性)
  b. 自社に入ってコミットメントできるか(WILL:志向適性)
2. 学生側に自社の魅力訴求をするため:
  学生にとって魅力的な自社情報を提供する

選考とは、合格/不合格を競うためだけにあるのではなく、企業側と学生側が相互にマッチングを確認し合い、選択し合うためのコミュニケーション活動です。

企業側による学生の適性見極めに関しては、「企業で活躍できる能力があるかどうか・自社への志望度が高くコミットメントしてくれるかどうか」を見ていきます。ただ、学生の能力・志望度を見極めることに関しては、「ES・webテスト・グルディス(GD)」など他の選考フローでも同様です。

では、なぜ企業側が面接という選考フローを課すかというと、ES・webテスト・GDはあくまで「学生を絞り込むため (=スクリーニング基準)」のものであり、面接は「採用する学生を決めるため (=採用基準)」の選考であるからです。分かりやすく言い換えるのであれば、前者は「落とす人を決めるための選考」、後者は「選考を通過させる人を決めるための選考」となります。

そのため、面接ではそれ以前の選考以上に「企業側から一人一人の適性をしっかりと見極め」されていきます。
また、学生ごとに会社に魅力を感じる要素も異なるため、「一人一人の軸に沿った企業の魅力訴求」をされていきます。

WHAT:面接では何を見ているのか?

前述したとおり、企業側が学生を見極めるという観点では、
 a. 活躍するためのポテンシャルがあるか(CAN:能力適性)
 b. 自社に入ってミスマッチにならないか(WILL:志向適性)
の2点を見ていきます。

選考のフローに沿って選考官と見極められるポイントをまとめると下記のようになります。

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一次面接:"能力適性"を現場レイヤーから見極め
一次面接では、現場で働いている若手社員が面接官を務めるのが一般的です。学生の第一印象、基本的なマナー、人柄、過去経験などを確認します。自分の同期や後輩として同じチームで働いても遜色ないレベルかを確認していきます。

二次面接:"能力適性"を管理職レイヤーから見極め
二次面接では、部長や課長などの管理職クラスの社員が面接官を務めるのが一般的です。第一印象だけではなく、質疑応答の回答内容から能力、性格、資質を確認します。部下として採用したときの、マネジメントのしやすさやエースとしての活躍可能性を確認していきます。

役員・最終面接:"志向適性"を経営レイヤーから見極め
役員面接や最終面接では、役員や経営者が面接官を務めるのが一般的です。志望動機や入社意欲について掘り下げ、他社ではなく本当に自社に入り活躍したいと思っているかを確認します。次世代のリーダーとして採用したときの、会社の未来の方向性に共感し、5-10年後に会社の未来を創る力と意思を持っているかを確認していきます。

★ 「能力適性」って具体的に何をみているの?

就活はマッチングを図るためのコミュニケーション活動であると冒頭にお伝えしましたが、あくまでマッチングですので学生ごとに企業に求める条件や要素が違うように、企業ごとに学生に求める能力適性は異なります。そのため一概に定義することは非常に難しいです。しかしあくまで即戦力を採用する中途採用とは異なり、5-10年後の活躍を期待される新卒採用においては、専門的なスキルや知識(=テクニカルスキル)よりも、どの仕事でも必要とされる基本的なスキル(=ポータブルスキル)を重視されやすいです。

>人材要件フレーム
リンクアンドモチベーションが経済産業省と共に定義をした「社会で活躍する人材が持つ要件」をフレーム化した、人材要件フレーム(下図)を用いて上記を説明していきます。縦軸が"後天獲得可能性"となっており、上に上がればあがるほど年齢を重ねた後も取得しやすいスキルとなっていきます。一方で、ピラミッド図の下側は若いうちにしか身に着けにくいスタンスやスキルになっていきます。

就職活動で良く取り上げられる、TOEICの得点や簿記検定や業界の専門知識に関してはテクニカルスキルと呼ばれ、年齢を重ねていっても(=入社後でも)十分身に着けること可能になります。一方でその下にあるポータブルスキルやモチベーションタイプに関して、若手のころにしか育むことができないスキルであるため、入社前にどれだけ各自がこれらを身に着けているのかの素養を見られます

つまり、テクニカルスキル(専門的な知識)よりも、ポータブルスキル以下の能力を面接では見られていきます。

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>ポータブルスキル
特に能力適性という観点では、ポータブルスキルにおける「対人力・対自分力・対課題力」の3つの適性に分けて整理することが可能です。
言い換えると
・コミュニケーション力(=対人力)
・セルフコントロール力(=対自分力)
・ロジカルシンキング力(=対課題力)

の3つの素養を面接では見極められると考えられます。

実際にリンクアンドモチベーションの選考でも、それぞれをを言い換えて「気持ちよさ / 強さ / 賢さ」として選考基準に取り入れています。

具体的には、下図のようにさらにそれぞれを2分割して、計6つの項目によってポータブルスキルの見極めを行っています。

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★ では、「志向適性」って具体的に何をみているの?
こちらに関しては、ポータブルスキルの一つ下の階層の「モチベーションタイプ」がこれに該当します。モチベーションタイプには、

・組織タイプ
・行動タイプ
・仕事タイプ

の3つがあり、どんな組織で、どんな行動をして、どんな仕事内容であればモチベーションがあがるのかは人それぞれです。企業ごとに社員に期待したい働き方に対して、実際にモチベーション高く取り組んでもらえそうかどうかをこういったモチベーションタイプから判断していきます。

ただし、モチベーションタイプだけで判断しているかというとそうではありません。モチベーションの総量の大きさや、言語化したときにそれが企業の目指すミッションと同じ方向を向いているのかを面接では確認されます。

実際にリンクアンドモチベーションの選考では、この志向適性を言い換えて「熱さ」として選考基準に入れています。(下図参考)

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HOW:どうすればうまく面接できるのか?

面接はコミュニケーション活動です。まずは最低限のマナーやスタンスで取り組むことが重要です。就活マナー編をチェックしましょう。

就活マナー:URL~~~~~~~

上記のような基本的な立ち振る舞いに加えて、重要になるのが、やはり「伝える力」です。いかに能力適性や志向適性があったとしても、選考官に伝わらなければ意味がありません。自分の能力適性と志向適性をいかに分かりやすくスマートに伝えられるかで選考官からの印象は大きく変わります。

★「STAGE」 を使って伝える

面接でよく聞かれる質問として、下記のようなものが取り上げられます。

・自己PRしてください。
・学生時代に頑張ったことは何ですか?
・最も苦労した出来事について教えてください。
・リーダーシップをとった経験を教えてください。
 etc...

このときの伝え方として、「結論ファーストで伝える」ということも、もちろん重要ではありますが、それに加えて相手が想像し共感できるようにストーリーで伝える力です。

このストーリーを分かりやすく伝えるためのフレームワークとして「STAGE」というものがあるので、ぜひこれを活用してみてください。

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ポイントは「T」を織り交ぜて構成することにあります。選考官の大半はこれまで多くの面接を行ってきた方々です。当たり障りのない経験やメッセージに抑揚のない伝え方では、なかなか共感や心に響く伝え方をすることはできません。成功した事実を伝えるだけではなく、しっかりと困難(T)を入れてストーリーに波をつけて聞き手の意識を惹きつけることが重要になります。

★ 事実と感情を切り分けて伝える

また上記に紐づいて、面接官はロボットやAIではなく人間ですので、あくまで感情人ですので、いかに綺麗な事実情報だけ伝えてもなかなか共感してもらえません。加えてあなた自身の個性や人間性を感じることができなくなってしまいます。

より具体的に伝えたい事を伝えきり、価値観や考え方(志向適性)を伝えていくためにも、事実だけでなく感情を同時に伝えていくことを心がけましょう。

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