医師の働き方|手取り収入や税金を比較してみた
この記事は、勤務医の働き方の違いで収入内訳が変わることを検証してみたの記事です。
この記事でわかること
✓勤務医の手取り収入やその他内訳
✓勤務医の働き方の違いでの収入の比較
働き方や年代によって様々ですが、careerPicksによると、勤務医の平均年収は1,200万円だそうです。
内訳は上記通りで、もう少しわかりやすくグラフにしてみました。
☝年収の30%は社会保険料や税金で、手残りは70%(おおよそ850万円)になります。
しかし、このグラフは働き先が1カ所の場合です。
勤務医の働き方は「メインの病院+外病院でバイト」という形も多く、同じ年収でも働き方によっては手取り金額や納める税金が違ってきます。
「どれくらい違うんだろう…」
と疑問に感じたので、同じ年収だが、ひとつの病院なのかバイトと合わせて複数の病院なのかの2パターンで内訳を比較したいと思います。
前提条件
比較対象
勤務医☞ひとつの病院に勤務し年収は1,200万円。外勤バイトなどはなし。
勤務医B☞主に勤めている病院で年収600万円。その他に外勤バイトで600万円の合計1,200万円。
「大学病院勤めだとBのような働き方が多いのではないでしょうか」
の3つにポイントを絞って比較していきたいと思います。
※シンプルに比較するために控除類は必要最小限で計算。
手取り収入の出し方
そもそも手取り収入をカッコ良く言うと「可処分所得」と言います。
可処分所得とは
給料やボーナスなどの個人所得から、税金や社会保険料などを差し引いた残りの手取り収入のこと。自分の意思で使える部分を指します。
です。
☝手取り収入を求めるには上記のように、税金(住民税と所得税)と社会保険料の金額がわかればOKと言うわけです!
勤務医Aの手取り収入
社会保険料
社会保険料は健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の3つです。
上図より合計すると1,400,604円です。社会保険料は給料より天引きされます。
所得税
上図より1,268,900円です。
所得税の多くは病院から天引きされており、「年末調整」で多く払い過ぎた分だけ「還付」という形で戻ってくることがあります。
住民税
上図より824,300円です。
住民税も基本的には給料より天引きされます。
可処分所得(手取り収入)
以上より可処分所得は【年収ー(所得税+住民税+社会保険料)】なので
12,000,000-(1,268,900+824,300+1,400,604)=8,506,196円が手取収入(可処分所得)になります。
「月換算だと約71万です。」
勤務医Bの手取り収入
次に主に勤めている病院で年収600万円。その他に外勤バイトで600万円の計1,200万円で手取収入(可処分所得)出していきます。
社会保険料
社会保険料は健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の3つです。
上図より合計すると915,900円です。社会保険料も給料より天引きされます。
所得税
所得税は先ほどのようにはいきません。所得税とは1年間に得たすべての収入に対して課せられる税金だからです。
計算すると1,382,862円です。
2か所以上収入があるので確定申告が必要です。また、追加納税や予定納税にも注意が必要です。
住民税
住民税も所得税と同じで年収に対して金額が決まっていきます。
計算すると872,900円です。
可処分所得(手取り収入)
以上より、可処分所得は【年収ー(所得税+住民税+社会保険料)】なので
12,000,000-(1,382,862+872,900+915,900)=8,828,338円が手取収入(可処分所得)になります。
「月換算だと約74万です。」
勤務医の働き方での比較
これまでの結果を表にしたものが以下です。比較して金額が高い方に赤色をつけました。
表からわかるように、複数の病院で収入がある勤務医Bの方が税金(住民税や所得税)は高いが、社会保険料が低いので結局、手残りが多いという結果になりました。
その差は年間で約32万円です。
ここからわかる事…
おさらいで、社会保険料は健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の3つです。
そして、社会保険料は、4月・5月・6月の平均給与で決まります(標準報酬月額と言います)。
標準報酬月額は、将来の年金額や病気やケガの時に支給される傷病手当の計算に使われるので、勤務医AとBを比較すると社会保険料が低い勤務医Bの方が受給金額は低くなります。
手取り金額が多い分、自助努力で老後資金形成やもしもの時のために生活防衛費をしっかり貯めておく必要があると思います。
まとめ
以上、勤務医の働き方の違いで収入内訳が変わることを検証してみました。
年収だけに目が行きがちですが、国の制度によって手取り収入や税金が違う
収入が複数ある勤務医は手取り金額が多い分、より自分で資産形成が重要
「最後までお読みいただきありがとうございました。」