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古寺巡礼

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古社寺への巡礼記録、古社寺・宗教美術にまつわる展示の鑑賞記録
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2021年8月の記事一覧

讃岐の誘惑:1

 印象派の画家ジャン=バティスト・アルマン・ギヨマンの経歴が面白い。 夜間労働者として昼…

世羅(セラ)へ… :2

(承前)  参道を抜けると背の高い樹木が増えて、日差しが梢に阻まれる。小さな池もあって、…

世羅(セラ)へ… :1

 アンガールズの田中卓志さんが書いた上京時のエピソードがおもしろい。  田中さんの文章に…

東京で、奈良をさがして:3

(承前)  高輪プリンスから徒歩20分弱。五反田駅前に、薬師寺の東京別院がある。  西ノ京…

東京で、奈良をさがして:2

(承前)  奈良から東京へ移築された古建築には、東博の十輪院宝蔵や茶室・六窓庵(興福寺の…

東京で、奈良をさがして:1

 前回は「上野へ、奈良を感じに」と題し、奈良ゆかりのものが多く出陳されている藝大美術館の…

上野へ、奈良を感じに コレクション展 /東京藝術大学大学美術館

 タイトルからして変態的な香りを醸しているが……藝大美術館のコレクション展の話である。  今回のテーマは「雅楽特集を中心に」。昨年、開会前に中止となってしまった「雅楽の美」展のリベンジ+αといった趣の収蔵品展だ。雅楽器や舞楽の装束、舞楽を絵画化した作例に加えてその周辺、とくに仏教美術によく目くばせがされた展示であった。  展示室の最初は、歌舞音曲・芸能を司る「伎芸天」のコーナー。入ってすぐにどーんとそびえるのが、伎芸天の造形化された例として最も著名な竹内久一の彩色木彫《伎芸天