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古民家に共振するコントラバスの調べ 回想を奏でるおむすび即興ジャズ♪
想帰庵(SHIKIORI)と名付けた築100余年の木造家屋を拠点に
国内外と幅広く活動をされているコントラバス奏者の松永誠剛さん。
先週の土曜日、ここで催されたコンサートへ行ってきました。
楽器や音楽に詳しくはないけれど、コントラバス2本の共演、
そしてドラムとの組み合わせというのに興味がわいて。
なにより惹かれたのはチケット案内に「米2合付き」と書かれていたこと。
米(農業)と音楽。まるで宮沢賢治のようです。
チェロを弾いていた賢治。
コントラバスはチェロに近い楽器でもあるし、
これはなにか賢治に通じるものを感じられるかもしれない。
賢治作品の愛読者の私は、そんな淡い期待も心の内に
福岡県宮若市の田畑広がるのどかな風景の中に佇む古民家へ。
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演奏の合間のトークで分かったのは、
コントラバス2本の共演は珍しいということ。
松永さんの敬愛するコントラバス奏者Mr.アンダーシュ・ヤーミンさんとの
共演が叶い、今回のコンサートに至ったそう。
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ジャズドラマーMr.ヨン・フェルトと共に
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(演奏中はスマホの電源オフ)
ほどよい間合いで会話をしているように呼応する2本のコントラバス。
演奏する姿を間近で見るのも興味深い。
弦を弓で弾いたり、指でつまびいたり。
弾き方や弾く音域で、音色がまったく違う様相になる。
それがコントラバスという楽器の奥深さ、魅力でしょうか。
ポーランド、キューバ、西アフリカ、日本、アルゼンチン、トルコ、ドイツ各国のさまざまなジャンルの曲を演奏する中、
日本の曲で演奏されたのは宮沢賢治の「星めぐりの歌」。
低音でゆったりと歌うように奏でられるベース。
ささやくようなリズムでつなぐドラム。
こんなjazzyな「星めぐりの歌」が聴けるなんて・・・・!
音楽を愛し、新しいもの好きだった宮沢賢治がもしこの演奏を聴いたなら。
きっと飛び上がるほど喜んだのでは・・・。
コンサート終了後、表でお客さんのお見送りをしている松永さんに
あいさつをし、チケットの「お米付き」の理由を尋ねてみると、
「次世代のために」という言葉が返ってきました。
自分の音楽には自然を感じる環境が大事であること。
田畑を含め、地元の自然が守られていることも大切。
環境づくりの貢献にという思いで地域の米作りにも参加している。
この日、来場者に配布されたお米は
松永さんのそんな思いのこもったものでした。
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宮沢賢治をモチーフに作られた木工人形と一緒に
Agriculcure(農業)の語源は、
agri(農業に関すること)とculture(文化・栽培)。
農業と芸術(アート)は密接に関係している。
これは食について探究する私のテーマの1つでもあるところ。
自然を愛し、米作りにも携わるコントラバス奏者。
宮沢賢治に通じるものをいくつも持つ音楽家が福岡にいる。
嬉しい発見です。
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さて。「シキオリ」のお米をどういうふうに食べよう。
考えて決めたのは、シンプル且つおいしくごはんを味わう王道。
コンサートの感想を込めておむすびに。
お皿を選び、中にいれる具とトッピングの組み合わせを考えながら
炊きたてご飯をシャモジでほぐす。
1,2,3・・・。
両手で手早く握っていると、いつのまにリズムが生まれている。
リズムにのって作るといつもよりおいしくなるかな?
ピアノと楽譜のお皿にのせ、回想を奏でるおむすび即興ジャズ♪♪
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音楽もお米(食)も自分なりに味わうのが、楽しいですね。