【信州コンシェルジュ体験記④】千曲/ステンドグラス
こんにちは!工房信州の家です。
この記事は、フォレストコーポレーションが4年前から実施している「信州コンシェルジュ」の体験レポート第4弾。今回は工房信州の家の「ひとてま工房」で日頃よりお世話になっている、千曲市上山田でステンドグラスの制作、販売を行う山﨑一彦さんを訪ねました。
信州コンシェルジュって?
信州コンシェルジュとは、
『信州で「信州らしい暮らし」を提案している私たちが、信州のことを誰よりも知っていたい。信州のプロフェッショナル、信州のコンシェルジュになろう。』そんな想いから始まったプログラム。
信州らしいアクティビティを体験しに行ったり、信州に根差し、信州を楽しんでいるプロに会いに行きます。
山﨑 一彦さん
今回「信州コンシェルジュ」の活動にご協力いただいたのは山﨑一彦さん。工房信州の家は、お客様が家づくりに参加することを大切に考えており、「ひとてま工房」として、様々な体験メニューを用意しています。その一つである「ステンドグラス体験」に、かねてよりご協力いただいています。
経歴
山﨑一彦さん。1981年に大学卒業後、東京の日本最大級のステンドグラス工房「メイフィア」にて2年修行の後、地元・長野県でレストランや居酒屋など幅広く店舗展開していた会社の、ステンドグラス制作部へ転職。経験を積んだ後、1989年10月に「アーツプロデュース」として長野県千曲市上山田にて独立開業。開業以来、全国の公共施設や学校・病院・教会などの大型制作から、住宅や別荘、店舗など約1,000軒全てをオーダーメイドで制作、施工してきた。現在は、家族3人で働いている。
作品紹介
本店近くの戸倉上山田温泉旅館には、山﨑さんが手掛けたステンドグラスが多く使われています。旅館の通路や窓、大浴場のガラスにエレベーターの階数表記までもが、ステンドグラスです。旅館に馴染みつつも、印象的なステンドグラスがとても幻想的でした。戸倉上山田温泉にお越しの際はぜひ、ステンドグラスにも注目してみてください!
まずは、事業への想いをお聞きしました。
事業への想い
「ステンドグラスは敷居が高いと思われがちなので、特別な人たちだけの贅沢品というイメージを変えることを目標にしています。」ステンドグラスは、朝日や夕日の時間帯に加えて、季節や天候、太陽高度などの環境要因によっても見え方が大きく変わります。
そんなステンドグラスをもっと多くの方に体験して頂き、日常に取り入れることで癒されて欲しいというのが山﨑さんの想いです。
同じく事業に携わっている山﨑さんの息子さんは、建築学科の出身で、2級建築士の資格を持っています。建築士の資格を持っているのになぜこの仕事を?と言われる事も多いようです。
「建築士さんがお家の設計の際に現地調査をするように、私達も建物のどこにどのようなデザインで入るかを想像して計算し、デザインしてご提案、制作、施工をしています。絵画もキャンパス上で見るのと額に入れた時ではガラリと変わるように、ステンドグラスも建築物に収めた時によりよく見えるように、作品だけ注目が集まらないよう建物や空間全体で素晴らしい作品となるように、あとから後悔しないようその時の最大限の力を注ぐことを信条にしています。」
また、父である山﨑さんから、ステンドグラスをやりたいなら二級建築士を取るようにと言われていた事も、理由の一つ。
お客様の中には「マイホームにステンドグラスを入れることが夢なんです」とおっしゃるほど思い入れの強い方も多いそうで、一生に一度の夢の実現に関われることに誇りをもっています。
いざ、ステンドグラス体験!
今回の取材では、上山田温泉街にある本店(長野県千曲市上山田温泉1-39-1)に伺い、ステンドグラス体験をさせていただきました。
①ステンドグラス選び
様々な色で分けられたステンドグラスのBOXから、好きな物を選びます。しかし、このステンドグラス選びがなかなか難しかったです。同じ色の物でも肌触りは違いますし、少し淡い色の物もあります。一度決めたつもりでも、もっと良いステンドグラスに出会ってしまったり。最初は完成イメージが湧かない中で、山崎さんにアドバイスを頂き、素材となるステンドグラスを決める事ができました。
②ステンドグラスのカット
完成イメージを紙に書くと、それに合わせて山崎さんがカットしてくださいました。ほとんど削るところがないくらい綺麗なカット技術に一同驚愕。カットして頂いたステンドグラスのどこをさらに削るのか、考えます。
③ステンドグラスの加工
カットして頂いたステンドグラスは、専用の機械を使って綺麗な形に削っていきます。
力を入れ過ぎると削りすぎてしまうくらい繊細で、力加減が難しかったです。サイズがより小さくなるほど、難易度は上がっていくようです。
④ステンドグラスの溶接
次に、ステンドグラスを溶接で繋げ合わせて固めます。
これがまた難しく、量が少ないと剥がれてしまいます。全集中です。
⑤そして完成…!
溶接して乾燥させ、磨いたらステンドグラスの完成です!
スタッフはペンダント、ペンギン、ネックレスを作りました。人生初のステンドグラス体験で、何を作ろうかというところから始まりましたが、山崎さんご家族に親身に教えて頂きました。
ありがとうございます!
インタビューを通して
今回、ステンドグラス造り体験とインタビューを通して、山崎さんがステンドグラスをもっと親しみやすい物にしたい、もっとステンドグラスを日常に取り入れられる世の中したいという想いがある事を強く感じました。
家族を養う覚悟から年中無休を自分に課し、この40年でお店を休んだのはコロナウイルスがまん延していた時のみとのこと。生半可な気持ちでは独立も継続する事も出来ないと思います。それだけ、ステンドグラスに対する愛があり、ステンドグラスを普及したいという目標があり、そして何より山﨑さん自身がステンドグラスに魅了されている事が、多くの方を笑顔にし続ける理由だと感じました。
自分で一から作ったステンドグラスは、お店で購入したものより愛着も沸きます。私も今回作ったステンドグラスネックレスを、プライベートで身に着けるほど気に入っています。この記事を読んでいただいた方に、少しでもステンドグラスの良さが伝われば幸いです。
ぜひ、皆さんもステンドグラス造りを体験してみてください。
素敵な思い出になりますように。
信州コンシェルジュ体験記はシリーズ企画。今後も信州に根付き、信州を楽しんでいる方にインタビューを行い、発信していきます!
伊藤