Zatsukoto

岩手県出身。高専卒業→大学→大学院→化学メーカー勤務。

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最近の記事

フルチンで泳いだことはあるか?

 こんなタイトルの記事を開いてくれてありがとう。恐らくこの記事を読んでいるということは、フルチンで泳いだことがない人だろう。もしくは女性かもしれない。ちなみに記事を書いているわけだから、私はフルチンで泳いだことがある。  これから、フルチンで泳いだ時の背景、思ったことをつらつらと書き連ねるわけだが、もしかしたら男性にしか伝わらない表現となっている可能性がある。なぜなら、チンチンは男にしかついていないもので、ついていない感覚が全く理解できないからだ。  小学生高学年の時、劇

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    • 岩手、新潟、静岡、茨城、栃木に住んだことがある俺が考える、魅力度ランキング最下位の県

       私は現在26歳。先日会社の公用車の許可証をもらうために免許証のコピーをとっている時ふと思った。 「次引っ越したら、住所が枠からはみ出るな…」  そう、まだ学生の頃に免許更新をした後、2回引っ越しをしている。しかもまあまあ長い文字列の住所に。よくよく考えると、生まれと育ちは岩手だけど、そのあとなんやかんやあって4つの県に住んだことがある。  26歳で合計5つの件に住んでるって結構多くない?そう思って記事に起こすことにした。ついでにここ数年世間をざわつかせる「魅力度ランキ

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      • カラスの夢

        私はカラスだ。生まれた時から何もない場所で、巣立ちの日までただ小さな群れの中で育った。まだ幼かった頃の記憶はおぼろげだが、餌を求め、空を飛ぶための力を得るために、必死であったことだけははっきりと覚えている。仲間と共に羽ばたいて生きていく、それが当たり前のことだと思っていた。 だがある日、私は仲間を失い、群れからも置き去りにされた。体が弱っていたせいで空を飛ぶことすら困難だった私は、群れの中で何の役にも立たなかったのだ。見捨てられ、私は一羽で大地を歩き続けた。空は遠く、羽を広

        • 夢を見る理由とは?睡眠中の脳の不思議な活動

          夜眠りに落ちたとき、私たちの脳は静かに休んでいるわけではありません。むしろ、眠っている間にも驚くほど活発に活動しているのです。そんな脳の活動が生み出す神秘的な現象、それが「夢」です。 例えば、インフルエンザで高熱が出たとき、普段とは違う怖い夢を見た経験はないでしょうか?私はインフルエンザで寝込んだ夜、暗い森の中を延々とさまよい続ける夢を見たことがあります。ぼんやりとした視界の中で、得体の知れないものが私をじっと見つめている…その恐怖は目覚めてからもしばらく消えませんでした。

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          【ショートショート】不器用な彼の1日

           ケンタは、周囲から「不器用な男」と言われていた。何かにつけてドジを踏むのだ。彼は努力家で、何事にも真面目に取り組むのだが、その分だけ失敗も多い。何をするにしても、手元が狂ってしまったり、ちょっとしたタイミングが合わなかったりして、最終的にはややこしい状況に陥る。 朝の始まりは決まって同じだ。アラームが鳴ると、ケンタは反射的に手を伸ばしてアラームを止めようとする。しかし、手が滑ってアラームのスヌーズボタンではなく、寝床の脇に置かれた水の入ったコップに当たってしまう。毎朝これ

          【ショートショート】不器用な彼の1日

        記事

          【ショートショート】不器用な彼の1日

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          【ショートショート】消えたメッセージ

           静かな田舎町で、夏が終わりかけた頃のこと。ミカは自分のスマートフォンに届いた奇妙なメッセージに目を奪われた。そのメッセージは、全く知らない番号からで、「助けて」とだけ書かれていた。 最初はいたずらか何かだと思い、無視しようとしたが、メッセージの内容は簡潔で、どこか切迫した様子が感じられた。ミカはそのままスマートフォンを机に置いたが、どこか気になってしまう。助けを求める内容に、どうしても気がかりな感覚を覚えたのだ。 夜になり、メッセージのことは忘れようとしていたが、再びス

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          【ショートショート】超能力を持つ男の日常

           ケンジは特別な能力を持っていた。彼は他人の心を読むことができる。その能力を手に入れたのは思春期の頃で、最初は頭の中に他人の考えが流れ込んでくることに混乱し、恐怖すら感じた。しかし、今ではそれが彼の日常となり、まるで耳に背景の音が入るようなものになっていた。 毎朝、ケンジは通勤ラッシュの中で人々の思考を聞き流す。疲れた顔で電車に乗るサラリーマン、スマホを見つめる学生、隣の席で化粧をしている女性。それぞれの頭の中で、愚痴、悩み、希望、そして些細な考えが入り混じり、彼の意識に流

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          【ショートショート】スマイルシティの掟

           スマイルシティは完璧な都市だった。広場には笑顔のオブジェが立ち並び、通りには「幸せ」と書かれたポスターが至るところに貼られていた。住民はみな「幸せ」であることを強調し、常に笑顔を絶やさないようにしていた。笑顔こそがこの都市の象徴であり、笑顔が消えた瞬間、その人は「社会的不調」と見なされることになる。 市役所の職員であるタカシも、毎朝鏡の前で笑顔の練習を欠かさなかった。完璧な笑顔は、スマイルシティで成功するために必須のスキルだったからだ。歯を見せて、目元に優しさを漂わせ、少

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          【ショートショート】新しい王様の服

           その国には、新しい王様が即位したばかりだった。王は国民に対して、「真実の透明性を重視する」と公言し、国中の支持を集めていた。彼のモットーは「何も隠さない透明な社会を作ること」。それを象徴するかのように、王は新たな施策を発表した。 「我々は、新しい時代にふさわしい『透明な服』を皆に提供する!」 王の宣言に、国民は一斉に沸き立った。「透明な服」とは、王の掲げる透明性の象徴であり、特別な素材で作られたということだった。それを身に着けることで、社会的地位や経済的格差を隠さず、皆

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          【ショートショート】七つの扉

           その日は、一風変わった出来事の連続だった。朝から些細なミスが続き、仕事も思うようにいかなかった。どうにか一日を乗り越え、疲れ切った体で帰宅する途中、私は古びた建物の前で足を止めた。 それは普段は気にも留めない廃ビルだった。しかし、その日は何故か引き寄せられるように、建物の入り口に近づいていった。重くて錆びついた扉を押すと、軋む音とともに中に入ることができた。 ビルの中は薄暗く、埃が立ち込めていた。廊下の先には、七つのドアが並んでいた。それぞれのドアは色も形も異なり、どれ

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          【ショートショート】自由

           未来の街には、猫の隠れ場所が減ってしまった。高層ビルと輝くネオン、無数の監視カメラが行き交う車や人々を常に見張っている。人々は、動物の自由な動きすら「管理」するべきものと見なしていたが、そんな街でのびのびと生きようとする存在がいた。 月夜の晩、輝く光を反射して目がまばゆく光る。ビルの影に身を潜め、黒い毛が月の光を受けて艶めいていた。暗がりに溶け込むように動き、監視カメラの赤いランプが見えない場所へ静かに進む。都市の片隅に潜むこの猫は、自由を求め、毎夜この街を駆け巡っていた

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          【ショートショート】猫探偵のモンロー

          モンローはこの街で唯一の「猫探偵」だった。街中の猫たちから依頼を受け、彼らの問題を解決することを生業としている。ただし、その推理がいつも的確かどうかはまた別の話だった。 ある日の昼下がり、モンローはお気に入りの箱の中で丸くなって昼寝をしていた。そこに駆け込んできたのは、街の食堂で働くトラ猫のミミだった。ミミは息を切らしながらモンローの前で立ち止まると、心配そうな顔で言った。 「大変なの、モンロー!食堂の魚が全部消えちゃったのよ!」 モンローは半開きの目をこすりながら、の

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          【ショートショート】夢を作る工場

           私はずっと「ドリームファクトリー」に行くことを夢見ていた。この場所は政府公認の秘密施設で、選ばれた少数の者だけが訪れることが許される。噂によれば、そこで作られる夢は、ただの幻想ではなく、人々の精神を安定させるための「制御された幻想」だという。 ある日、ようやく訪問許可が下りた私は、期待と不安を胸にその施設に足を踏み入れた。工場は厳重な警備に囲まれ、冷たい金属製の壁が無数に続いていた。案内人の男が私を迎え、無機質な廊下を案内してくれる。工場の奥に入ると、目の前には巨大な機械

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          【ショートショート】音のない部屋

           その部屋に引っ越してきたのは、なんてことのない月曜日のことだった。私は日々の生活に少しでも変化をもたらそうと、新しいマンションに移ることにした。新居は古びた雰囲気があるものの、特に問題はなく、間取りも静かで落ち着いた感じが気に入っていた。 最初の夜、荷物の片付けを終えて床に就こうとしたとき、妙な違和感があった。部屋の中が異常に静かだったのだ。どこからも音が聞こえない。普通なら外の車の音や近隣の生活音が少しは聞こえるものだが、この部屋ではそうした音が一切消えていた。 「静

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          【ショートショート】消えた足跡

           冷たい冬の夜、雪が静かに降り積もる中、アヤはいつも通り仕事からの帰り道を歩いていた。普段は賑やかな街も、深夜の静けさに包まれ、彼女の足音だけが通りに響いていた。しかし、その夜は何かが違っていた。 途中の公園で、アヤは妙なことに気づいた。雪の上に続く足跡が、不自然に途切れていたのだ。公園の入り口から延びていた足跡は、まるで突然消えたかのように、途中で跡形もなくなっていた。 「どうして…?」 アヤはその足跡をたどってみた。足跡は一定の間隔で続いていたが、ある地点で突然消え

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          【ショートショート】永遠に繰り返す日

           カレンがその奇妙な現象に気づいたのは、ある冬の朝のことだった。目覚めると、いつもと同じ天井が見えた。カーテンの隙間からは薄い日差しが差し込んでおり、彼女は何の変哲もない一日が始まると思っていた。しかし、目覚まし時計が鳴ると、その音に何か違和感を感じた。 「この音…前にも聞いた気がする…」 カレンは起き上がり、いつものように顔を洗い、朝食を用意しようとキッチンへ向かった。しかし、家の中で起こる些細な出来事が、まるで既に経験したことのあるシーンのように思えた。テーブルの上に

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