パンのこね方とこね上がりの目安とは?手作りパンをもっと美味しく!
美味しいパンのこね方
こんにちは!
パンづくりと言って思い浮かぶ作業工程は何ですか?
「こねる!」と答えた方が多いのではないでしょうか。
今回は、「こねる」にはどんな「こねる」があるのか、こねることはパン作りにとってどういった意味を持つのか、ということについて解説してみようと思います。
パン生地をこねる理由とは?
パンをこねる理由はずばり、「グルテンをつなげて、発酵過程で出てくるガスをそのグルテン膜で風船のように受け止め(これが気泡になる)、パンを膨らませるため」です。
パンを全くこねない場合、この「グルテンをつなげる」という部分がきちんとできておらず、酵母が発酵してガスを出してもパン生地がそのガスを受け止められず、結果、膨らまないずっしりとした美味しくないパンができてしまうのです。
ちなみに「グルテン」というのは、タンパク質の一種です。
小麦粉に水を加えてこねこねすることによって、このグルテンという成分が強く結束して、引っ張ってもびよーんと伸びやすい(つまり強い)生地になるのです。
パン生地は基本「小麦粉と水と酵母と塩」で出来ています。
それに砂糖や脱脂粉乳、牛乳、生クリーム、ココア、その他いろいろな副食材を混ぜて作る場合もありますね。
まず「こね」について覚えておきたいのが、
1、ふわふわのパンを作りたければ、しっかりこねてグルテン膜を薄く、伸びをよく、強くする!
2、バゲットやカンパーニュなどの気泡(すだち)がぼこぼこ入る系のハードパンはこねすぎ厳禁!
3、基本の生地に他の材料を添加すればするほど、しっかりこねあげるのに時間がかかる。
あとは加水量が多くてもこねるのが大変で時間がかかりますね。
1度同じ食パンで加水量を変えて実験してみたのですが、たった5%加水量を変えただけなのに、いつもよりこねあがるまでの時間がだいぶかかってしまい、疲れたのが印象的でした(笑)
また、昔まだ2番の「こねすぎ厳禁」を知らなかった時代によくやってしまっていたのが、カンパーニュ生地を猛烈にこねること(笑)
カンパーニュらしからぬ、ぼこっとした気泡のまるでないきめ細かなパンが焼きあがってしまっていましたw
しかも加水高いからいつまでたってもこねあがらず、「パン作りって・・・辛い・・・」とまで思いかけた出来事です。
皆さん、カンパーニュはハードパンだけどコネはハードじゃなくていいんです!!!(笑)
では以下で、ふわふわ系のパンの基本のコネ方と、ハード系もっちりパンの基本のコネ方について見ていきましょう!
(ちなみにこね方に厳密な正解はないようで、グルテンがしっかりとつながるというゴールに達することができれば、家庭のパン作りでは「やりやすく疲れにくい方法」でこねればOKだと思います。
実際いろんなプロの方のこね方を研究してみても、ちょこっとずつ違います。それぞれのパンに一番適したこね方があるのでしょうが、いろんな動画やブログやサイトを見た中で、一番多かった基本のこね方をご紹介します!)
ふわふわ系のパンのこね方
まずは食パンや菓子パン、総菜パンなどのふわふわしてボリューミーなパンのこね方を見てみましょう。
生地を「繋げる」こすりつけごね
0、(油脂以外の)材料を粉気がなくなるまで混ぜた所からスタートです!
1、生地を清潔な台に出します。
2、そして手前から奥に向かって、手のひらの付け根の部分(肉付きの良い部分)で生地を台にこすりつけるようにしてこねます。
3、奥までこすりつけたら、生地を手前に戻してまた奥に向かってこすりつけます。
4、最初はべっとべとで台にへばりついてなかなかうまく行きませんが、スケッパーなどで生地をかき集めながらこの動作を繰り返します。(手についた生地もたまにスケッパーでこそぎ落して他の生地と混ぜていきましょう!)
5、だんだんと生地が台からはがれやすくなりますので、生地全体がつながって塊になってきたらOKです!
生地を強化して伸びをよくする叩きごね
1、塊になってきた生地を、今度は台に叩きつけます。
2、生地の端っこを持って遠心力を利用して「えいっ!」と台に叩きつけます。その時生地を放り投げてしまわず、端っこに指を掛けたまま、生地がびよーんと伸びるようにしましょう。(最初は伸びないので、台に近い位置でやってくださいね!無理に高い位置からやるとちぎれちゃいます。)
3、叩きつけたら、指をひっかけてある生地の端っこを、そのまま台の方に叩きつけた生地にかぶせるようにして折りたたみます。
4、次は90℃向きを変え、折りたたんだ生地の右横から右手を入れるような形で指をひっかけ、また叩きつけます。これを繰り返します!
5、だんだんと、折りたたんだときの生地の表面が「つるぴかっ」となってきます。生地の伸びも良くなります。
6、生地の加水率や配合された副材料にもよりますが、だいたい100回以上は叩きつけると思ってください。
7、生地の「こねあがり」の目安は、端っこをそおっと広げて、うす~く広げて、後ろから指でツンツンとしても破けず、むしろ膜が透けて指が見えるよ!って感じなら花丸。
このあとに油脂を入れる予定があるなら、若干破けるくらいでもOK。油脂追加後の最後に、この薄い膜状態に持っていきますが。
油脂を全体にいきわたらせる
1、油脂を入れる場合には、膜も張ってきてかなりつながった生地に、バターやその他の油脂を加えて混ぜていきます。
2、このとき、常温に戻したバターを生地に挟んで、スケッパーで挟んだ生地ごと小さくカットしてなじませる方もいますし、思い切り握りつぶすようにしてなじませている方もいますし、指でぶすぶす生地に穴をあけながらなじませている方もいました。
3、どちらにせよ、一度つなげたグルテンをもう一度壊して、油脂をなじませ、またグルテンを繋げていきます。
4、さっきよりすぐにつながりますし、さっきよりもツルンとした生地が出来上がりますよ^^ ここから1次発酵に入る形です。
バゲットなどのハードパンのこね方
こちらもこれが正解ってわけではありませんが、僕も使っている方法をご紹介します。
こねすぎない!
0、タッパーやボウルの中に(塩と酵母以外の)材料を入れ、粉気がなくなるまで混ぜます。
1、蓋やラップをして、30分間放置します。(オートリーズ)⇒高加水のハードパンも、これでしっかり水和させます。
2、酵母(イースト)を入れて手やスプーンで全体にいきわたるように混ぜ、混ざったら塩を入れてま全体にいきわたるように混ぜます。(こねというより、混ぜ)
3、パンによってこねる回数は変わりますが、手やカード、ゴムベラなどを使って「生地の下からすくいあげるように持ち上げて、パッタン、と畳む」という動作を「1コネ」として、
だいたい20コネ~40コネの間で様子を見て、パッタンとしたときに生地がかなりつながってきているのを感じながら、実験して調節しつつ、ご自分の好みのパンに仕上げていきましょう♪
4、バゲットやカンパーニュのようなハードパンの場合、この後30分後と、そこからまた30分後くらいに「パンチ」と言って、先ほどの「生地の下からすくいあげるように持ち上げて、パッタン、と畳む」っていうコネを4~8回ずつ入れてあげます。ちょうど生地の四方からぱったん、ぱったん、と畳んであげるような「パンチ」です。
※パンの種類や水分量によって回数は変わる。いっぱい作ってメモを取って、ベストなこね回数を見つけてみてください★
この後、常温で2~3時間発酵させ、その後冷蔵庫でオーバーナイトさせるのが僕の基本的なハードパンの作り方です。ご参考までに。
このように、こねる、っていうよりも、折る?畳む?的な「こね」と「パンチ」で簡単にハードパンができてしまうのです。
ふわふわ系のパンが日本人には好まれる傾向がありますが、手ごねだと結構「ハード」ですね、こっちの方が(笑)
HBのコネ機能を使うのがおすすめです!(こびと家新居にはないんですけどね!残念!!こねるしかないwww)
いかがでしたか?
「コネって大事だな~」
「意外とこねなくてもできるパンがあるのね~」
「ふわふわパンいっぱい焼きたいから、HB買おうかな~」
などなど、いろんな感想を持っていただけたなら嬉しいです^^*