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ストレート法・中種法・ポーリッシュ法・老麺法の違いとやり方と特徴とは?

この記事は「こびとのカフェ」という【自家製酵母とパンのブログ】からお引越ししてきた記事です。
元記事公開日:2017年6月12日 12:06 PM

パンの製造方法ってどんな種類があるの?


パンの製造方法には、大きく分けて「ストレート法」と「発酵種法」があります。


「発酵種法」の中には「中種法」や「液種法(ポーリッシュ法)」、「老麺法」などがあります。


正確には中種法と液種法は「こねる(混ぜる)過程を分割することで、生地の伸展性を良くしたり、ボリュームをアップさせたり、ソフトな食感のパンができる」という方法です。


一方「老麺法」は「こね・混ぜを分割」するのではなく、先に出来上がっている発酵生地を、パン作りのミキシング工程で一緒に「添加する」という方法です。


どちらも「発酵種法」になるのですが、「発酵種を作りながらパンを作る」のか、「発酵種を使ってパンを作る」のか、結構な違いがありますね^^


一概には言えませんが、ストレート方は「小麦の風味を生かしたいリーンなパン」に向いていて、

発酵種法はふわふわしたソフトなパン(食パン・菓子パン)などに向いています。日持ちもします。


もちろん発酵種法で作ったリーンなパンも美味しいですし、ストレート法の食パンも焼き立て美味しいですよね。


せっかくハマったパン作り。

ぜひどちらも試してみて、お気に入りを見つけてみてください^^ノ


以下でそれぞれの方法を詳しく、できるだけわかりやすく解説してみます!



ストレート法(直こね法)

基本的には最初にすべての材料をいっぺんに混ぜてしまい、そのまま発酵⇒焼成と進む製造方法です。

ホームベーカリーの製法もこれです。

お家で手作りパンを楽しまれる方のほとんどはこの「ストレート法」によるパン作りをされていると思います。


特徴

●楽ちん。

●発酵スピード(混ぜ・コネから焼成までの時間)が短くて済む。

●フランスパンなどの「風味重視」のパンに向いている。

●弾力があり、もっちり系のパンになる。

●後の調整ができないので、最初の配合&コネの正確な技術が求められる。

●材料や工程のちょっとの差がパンに大きな影響を与える製法。

●機械製造だと生地が傷みやすくなる。大量生産には向かない。

●パンのボリュームに欠け、焼成後の老化もやや早め。



中種法

中種法とは、先に材料のうちの粉(70%だったり、100%だったりする。50%以上が原則。)+水+塩を軽くコネ、発酵(熟成)時間をとったあと、残りの材料と混ぜて「本捏ね」をする製造方法です。


中種は本捏ねレベルでこねすぎてしまうとグルテンが出てきて熟成に時間がかかってしまうので、軽くこねることがポイントです。低速5分以内で。


無糖の中種なら~4hほど。

加糖の中種なら2~3hほど熟成時間をとります。


特徴

●生地の伸びがよくなる。

●ソフトでボリュームのあるパンが焼ける。

●食パンはよりしっとり口どけがよくなり、歯切れも良好になる。

●機械製造に強い。生地が傷みにくい。大量生産の工場などで採用されることが多い方法。

●熟成された生地なので日持ちするが、粉や素材の「風味」を生かしたパンではない。


オーバーナイト中種法

中種法で作った中種を2hほど常温で発酵させたあとに、冷蔵庫で10h~15h、低温発酵される方法です。


酸っぱくならないように温度管理と時間管理に気をつけなくてはなりません。


おうちで作るとき、急に用事ができたり、もう寝る時間になっちゃった、ってときに、冷蔵庫に入れて「オーバーナイト中種法」に切り替えることもできそうですね^^(ほっ。助かる!笑)


➤長時間冷蔵発酵のメリットとは?美味しい甘いしっとりパンの理由とは?


加糖中種法

中種の中に砂糖を必要に応じて材料の砂糖の14~20%の砂糖を先に中種に添加した「加糖中種」という中種を使用することもあります。


こうすることで、粉に対して20~30%という多めの砂糖を使う菓子パンでも、耐糖性を高くし、イーストの力を弱めずに済みます。


(砂糖はイーストのエサですが、多すぎるとイーストの活性力が落ちてしまうんです)


液種法(ポーリッシュ法)

液種法とは、粉の一部(20~40%ほど)と、粉と同量の水をイースト(酵母)と共に粉気がなくなるまで混ぜ、常温で3hほど、その後冷蔵庫で6h~発酵させる中種法の一種です。


しっかり発酵して膨らんだ種のカサが減る時が来ます。(自家製酵母の元種を作っていると、よくこれを見かけます。)これを「種落ち」と言い、この段階になったらほかの材料と混ぜます。


19世紀のポーランドで生まれ、現代フランスで多用されている方法ですが、なかなか手間がかかるので日本のパン屋さんで取り入れる方は多くないようです。


しかしポーリッシュ法はやってみる価値のある「美味しいパン」が作れるので、お家でパン焼きを楽しむ方にはぜひトライしてみてほしい製法です。


特徴

●小麦のうまみ・甘味を引き出してくれる。独特の風味もある。

●食べやすい歯切れのよいフランスパンができる。ボリュームも適当。

●日持ちする。老化しにくい(固くなりにくい)。

●工程が長くなり、完成までに時間がかかる。

●最初は生地がべたつくので作業がしにくく、慣れるまで大変。

●乳製品を入れることで、ポーリッシュ法のパンはより風味がよくなる。


老麺法(古生地法)

中華まんやフランスパン、菓子パンにも利用されることがあります。

「焼き立てジャパン」にも老麺法が出てきました^^


ほぼフランスパンのようなリーンな生地(強力粉使用)を前日に仕込み、冷蔵庫にて低温発酵させておきます。


この生地を「老麺(ろうめん)」と呼びますが、老麺の一部をストレート法のパン作りの材料の中に「10%~40%(基本20%)」で加えるだけ!


とっても簡単で「味・風味・食感」への効果は抜群なパン製造法です。


しかもこの老麺、冷蔵庫で3日くらい保存可能で、どんなパン生地にも添加できます!

老麺を入れた分、砂糖や加水の割合を調整したりしなかったりは、焼きあがったものを食べてみて調整してみてくださいね。


特徴

●酸味と甘みの2つを感じられる独特の風味ができる。

●ストレート法に加えるだけなので簡単。

●簡単なのに美味しさがまるで違う。

●適切な温度管理をしないとすっぱくなったり、べたついたりする。

●冷蔵庫でも3日以上経つと老麺からアルコール臭がする。

●安定した発酵力と熟成した風味をパン生地に添加することができる。

●出来上がった生地なのでストレート生地ともなじみが良い。


まとめ


いかがでしたか?

そのほかにも、ライ麦パンを作るときに使用される「サワー種法」や、中種法の発酵時間をたったの30分ほどに短縮しただけの「アンザッツ法」(シュトレンなどのリッチなパンによく使われる方法)など、いろいろな方法があります^^

老麺法やポーリッシュ法など、気になる製法があったのではないでしょうか?

ポーリッシュ法+老麺法なんてしたら、どんだけ美味しいパンができちゃうの??なんて妄想しちゃいます♪

ぜひこれらの製法を試してみて、さらにパン焼きを楽しんでいかれてはいかがでしょうか^^

僕も全部試してみますね!


こびと

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