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新しくなったペンシルビルのプラン公開!

ここまでペンシルビルの再生記録、主に契約や工事の様子を書いてきましたが、肝心の室内のプラン(間取り)をお知らせしていませんでした。
今回は新しく生まれ変わったビルの室内のプランを簡単にご説明します。


最終プラン大公開!!

以前の記事でもお伝えしたように、ビルの概要は、以下のようになっています。

・地下1階、地上4階建+屋上

・敷地面積:31.08㎡(9.40坪)

・ワンフロア面積:24.25㎡(7.33坪)

・トータル面積:128.35㎡(38.82坪)
>そのうち住居部分の面積   57.07㎡
>事務所部分の面積    24.25㎡
>住居と事務所以外の面積 47.03㎡
                            ※全て階段面積含む

特徴としては、住居スペースに加えて、私たちの仕事場として事務所(建築設計事務所)、そして+αの部分があるということです。

下の絵が、このビルを購入した際、始めに思い描いたこういう場所になったらいいなぁのイメージスケッチです。
(現況に合わせて文字は修正しています)


細かいプランは以下のようになっています。

地下1Fはスタジオスペース、個展開催や音楽室として利用
1Fはキッチン付き店舗スペース(現在は固定のテナントさんに入ってもらっています)
2Fは私たちの設計事務所
3Fから住居(事務所の打合せスペースとしても使用)
4Fは完全にプライベートな寝室
RFは浴室!とルーフバルコニー


プランの特徴

とにかくワンフロアの面積が、一人暮らしのワンルーム並み(更にその中に階段もある)に狭いので、いかに広く使えるか、広く感じるかを考えました。
結果として意識したのは以下のようなことです。

○間仕切り壁を作らない
>いわゆるリビング、寝室などの用途はフロアごとに分けることとし、ワンフロアの中に間仕切りの壁や扉を極力作らないことで広く使えるように考えました

○シンプルな構成を各階で繰り返す:2枚の大きな引戸と用途を変えるカウンター
>2階から4階まで共通して、フロアのほぼ中央に大きな2枚の引戸があります。(というかそれしかありません笑。)
それを開け閉めすることで、階段が現れたり、居室を区切ったりすることができます。
>2階から4階まで共通して、北面の壁側全面を1列カウンターとしました。(長さ約4.7m)
カウンターは作業机だったり、キッチン+ベンチだったり、収納棚、洗面台だったりと、フロアによって用途が変わります。

構成を単純化しシンプルにすることが空間を広く感じさせる一つの要因となっているかのではと思います。

○視線の抜けを作る
間仕切り壁を作らないこともそうですが、体感として狭く感じないために、視線が止まらない=視線の抜け、を作ることを意識しました。
>階段の蹴込み板をなくす(スケルトン階段)
>仕上げを無くし、天井を高くとる
>必要な壁もできるだけ天井まで伸ばさず視線が通るようにする
(本当はトイレの壁も同じようにしたかったが使い勝手を優先させて断念。)

プランが決まるまでの紆余曲折。。。

このようなプランに決まるまで、それはそれは紆余曲折がありました。
私たちの本業が設計事務所であり、いわゆる自邸にあたります。
もちろん自分で使うからという単純な理由もありますが、建築の設計という仕事が、他のデザインの仕事、洋服やグラフィック、プロダクトなど、と大きく違うことの一つに、完成品を事前に見せることができない、という点が大きく関係します。
完成品を見せることができれば、それを買うか買わないか、実物を見て判断してもらうことができますが、私たちが設計している建物は、クライアント一人一人にジャストフィットするようにその都度考えて作る、いわばオーダーメイドの作品です
。完成するまで、どんなものが出来るのか、本当のところはわからない。
それに少なくない金額を払ってお任せいただくことは、大変ありがたいとともに、毎回緊張感と大きな責任が伴います。
そんな建築設計者にとって「自邸」とは、自分はこのようなものを作れます、という実物を見せられる唯一の作品になります。その後の自分たちの仕事にも大いに影響するかもしれない、、、。
つまり何が言いたいかというと、、、、物凄く、力んでしまうものなのです!!w

力んだ結果、いくつも案を出し、練りに練り、何とか絞り込んで一つにまとめましたが、何となく決め手にかけてイメージが定まらずにいました。
しかし見積もりをとったところ、大幅に予算オーバー。。
そのため設計変更を余儀なくされ、結果、最終プランのようにシンプルにならざるを得なかったという側面もあります。
しかし、このプランにしたことで建物全体のイメージがスッと固まり、スルスルと絡まっていた糸がほぐれた感覚を今でも覚えています。

力んで、こねくり回したプランは、あれもやりたい、これもやりたい、という足し算の設計でした。
予算オーバーというネガティブなきっかけではありますが、本当に必要なものの
優先順位を決め、引き算の設計ができたことが、結果としてこのビルの状況に寄り添うベストなものになったと感じます。

実際住んでみて良かったこと、難ありなことなど、ぶっちゃけて書きたいことは山ほどありますが、既に文字数大幅オーバーのため(またか、、)、
また別の機会でお話ししたいと思います!


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