
リージョンコード(※1)と海外ドラマにまつわる映像メディアの変遷
中学のときにハマった海外ドラマ『ファミリー・タイズ』
映像メディアの変遷に巻き込まれて見られなくなったり、見られるようになったりする話。
◆1990年:VHSビデオ全盛、ソニーはベータ(※2)
担任の先生。教科は英語。20代前半のフレッシュ感もありつつ、英語ができてカッコイイ。キャリアウーマンってこういう感じなのかなと思っていた。
先生がわたしの宿題の日記を見て、
「『Family Ties』好きなの?先生もよく見てたよ。スティーブン(父親)が面白くて、特に好きなんだよ」
共通の話題ができた。
◆2000年以降:ビデオデッキからDVDプレーヤへ
自宅にビデオデッキがなくなり、レンタルDVD化されていないビデオテープのままの『Family Ties』を見る術がなくなった。
Amazon.comで『Family Ties』のDVDを探して買った。でもそのDVDは見れなかった。
リージョン1のDVDだったから。
国(地域)ごとにリージョンコードが割り当てられていて、アメリカはリージョン1、日本は2。リージョン(地域)が違うため、日本製のPCやDVDプレーヤーでは再生できない。

再生できないとは知らなかった。
海外で買ったCDは再生できるのに。
調べると2つの方法で見られることが分かった。
リージョンフリーの再生専用DVDプレーヤーを購入する(当時5,000円ぐらい)
PCのリージョンを変える。ただし5回までしか変更ができず、制限を超えると固定される。
手っ取り早く、自宅のPCのリージョンを変えてみた1回目。
DVDを見ることができたけど、すぐに日本のリージョン2に戻す必要があり2回目を使った。
制限を超えたら固定されてしまうため3回目は諦めた。
結局、リージョンフリーのDVDプレーヤーを買った。
よし、見れる!と分かって
落ち着いてみたら、わたしが買った『Family Ties』は英語版(=英語のみ)だったことに気づいた。
ビデオテープが擦り切れるほど何回も見たんだという誇りを胸に、血眼になりながら1回だけ全部見た。
見終わったらすぐリージョンフリーのDVDプレーヤーが壊れた。
また見る術がなくなった。
◆2025年1月:Blu-rayプレーヤーがDVDの現存を保持~DVDs still alive~
久しぶりに思い出してAmazonで検索した。
日本語字幕付きのDVDがあった!
反射神経で即買い!
めでたし。めでたし。
でも、まぁ、一応ね。検索してみようか。
"ファミリー・タイズ "
"ファミリー・タイズ 見たい"

ディズニープラスで見られるんかい!
◆2025年2月:Disc系メディア生産終了~DVD and Blu-ray won't survive in the future~
ディスク系の映像録画メディア生産終了の記事が出ていた。
◆数年後:もしBlu-rayプレーヤー自体の生産がなくなれば
買ったばかりの『ファミリー・タイズ』がまた見られなくなる。
※注釈1:リージョンコード
リージョンコード(region codes)は、DVD・Blu-ray Discやゲームソフトなどが販売および利用される地域(リージョン)の情報を記載した情報(コード)である。
リージョンコードを採用している規格では、商用パッケージソフトのリージョンと利用する機器のリージョンが一致しないと再生できないようにアクセス制御される場合が多い。理論的にはこの規制によって販売者が地域ごとに内容、発売日、価格を調整できることになる。
なお、ゲーム業界においては、英語では「リージョナル・ロックアウト」(regional lockout)、そこから転じて日本語では「リージョンロック」[1]ともそれぞれ称される。