3か月半ぶりに友達に会った
ただ友達に会う。それだけなのに幾重にも障壁があった。最後に会った時から結果的に3か月半が経っていた。
イギリスはロックダウンが段階的に緩和されている。7月4日からはパブやレストラン、カフェやテーマパークなどが営業を再開できるようになった。ただ、制限がすべてなくなったわけではない。以前と同じ状況に戻れているとは言えないが、少しずつ自由が増え外出が楽しめるようになっている。
そのおかげで、バーミンガム大学も施設の一部を自主学習用のスペースとして開放するようになった。
その施設に行くためには、前日までの予約が必須である。その上で、大学に入るために警備員にIDと予約画面をチェックされ、さらに施設に入るときにもIDを提示して予約を確認される。中に入ってからは、もちろん、ソーシャルディスタンスを保たないといけない。滞在できる時間は3時間きっかりである。
今は大学で勉強することにこれだけの制約がある。ロックダウン前までは、なんの苦労もなく好きなだけ大学に入れたのに(バーミンガムには24時間空いている図書館がある)。
超厳戒態勢とはいえ、たまにラフな警備員や職員がいる。例えば、予約をし忘れた時に、バレないだろうと思って前日の予約完了画面を見せたら10秒くらい念入りにチェックされて、"Perfect"と言って中に入れてくれた警備員などである。
お前は何をチェックしてるんだ。てか、"Perfect"ってなんだ。
でも、この厳戒態勢の中彼らがいるおかげでなんとかバランスがとれているのかもしれない。みんながみんなウイルスに神経質になり、気を張っていては疲れてしまう。これくらいのラフさがあった方が・・・。
さすがに無理あるか。
慎重になるところと気を緩めるところのバランスはしっかりととるべきである。自分自身が気を付けるしかない。
話がそれたが、そんなこんなで大学で勉強ができるようになり、3か月半ぶりに友達に会うことができた。誤解のないように書いておくと、久しぶりにあったのは大学院の同じコースに通う友達である。同じ寮や大阪人のフラットメイトの友達など、3か月半誰にも会っていないわけではなかった。
同じコースの人たちとは住んでいる場所が遠かったりで会えていなかった。
ロックダウン中はメッセージのやり取りをしたり、たまにテレビ電話をしたりしていた。課題が忙しい時は、リモートで何とかお互いに助け合い、励まし合いながら乗り越えた。
そんな時を経て、今日3か月半ぶりに会ったのだ。
みんなもう喋る喋る。今まで会っていなかったから、話したいことがたまっていたんだと思う。最近何をやっていたか、課題の成績はどうだったか、修士論文の進み具合はどうかなど話は尽きなかった。うるさくなりすぎて、周りで勉強していた人に注意されてしまった。申し訳ない・・・。
そして気づいたら・・・2時間半経っていた。
勉強する時間はもうあと30分しか残っていない。そのあとは各々集中してやっていたようだが、僕は何をやろうかと考えていたら15分くらい過ぎてしまい、結局ほぼできなかった。
まあでも今日くらい、いいかなと思ってしまう。
今の時代オンラインで気軽に話せるから外出制限だったり、自粛になったりしてもいいよねと言う声があった。たしかに、テクノロジーの発展があって良かったと思うことは多かった。日本も自粛になっていたおかげで、普段は電話をしない日本にいる友達ともLINEやzoomで話すことができた。
しかし、今日のように友達と会って話せると、当たり前かもしれないが会うことに勝るものはないといえる。今回は一緒に勉強していた(ほぼ話していた)だけだが、一緒の空間を共有できるって素敵なことだと思う。
ウイルスの蔓延をきっかけに、これからオンラインでのやり取りは増えていくだろう。もちろん、その便利さは享受するべきだし、どんどん利用していったほうが良い。
一方で会うことには他には代えられない良さがある。だからこそ、オンラインでいつでもどこでも繋がれる状況があったとしても、できるのであれば会うことの時間と手間を惜しまないようにしたいと思った。
やっぱり会って話すのは楽しい。今日は良い日だった。
執筆者・東京人
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