見上げれば別世界 兵庫の夏の星空
ぶらっくまです。夏になると、星空を見たくなりませんか。
天体観測には空気が澄んだ冬の方が適しているともいわれますが、私の場合、夜でも屋外で過ごしやすい夏の方が、夜空を見上げる機会は多い気がします。満天の星空は、しばし暑さや日常、時間をも忘れさせてくれます。
子どもの頃、夏休みの自由研究で天体観測をした思い出がある人も多いでしょう。最近は、スマートフォンを夜空にかざすと星の名前などが表示される星座表のアプリもあります。
とはいえ、なかなか普段は、ゆっくり星を見る時間などないのが現実ですよね。住んでいる場所では街明かりなどで、そこまで星が見えないという人も多いかもしれません。
そんなわけで今回は、過去の神戸新聞紙面に掲載された夏の星空の写真とスポットをいくつかご紹介します。この夏、一度くらいは、この目で満天の星空を見上げたいと願いながら。
大撫山、兵庫県立大学西はりま天文台(佐用町西河内)
佐用町西河内、大撫山の山頂付近からの夏空です。頭上を縦断するように「天の川」の光の帯が伸びています。
写真の右下に見えるのが、星空観察スポットとしても有名な「兵庫県立大学西はりま天文台」です。口径2メートルの反射鏡を持つ、国内最大級の望遠鏡「なゆた」を備えています。
なゆた望遠鏡は2004年の完成時は国内の天文台で最大、今も2番目に大きいそうです。一般の市民も楽しめる公開望遠鏡で、しかも毎日公開されているものとなると世界最大です。
同天文台は宿泊施設も備え、宿泊客向けに毎日、なゆた望遠鏡の天体観望会を開催しています。なかなかの人気で宿泊予約が取れないこともありますが(公式サイトで予約状況を確認できます)、土日曜と祝日には、日帰りの一般客向けの観望会もあります(土曜と祝日は要予約、定員あり。同天文台☎0790・82・0598)。
峰山高原(神河町上小田)
こちらもミルキーウェイ、天の川が空へと伸びています。こんな雄大な星空の下でキャンプをするなんて最高ですね。
標高930メートルにある峰山高原リゾートでは、スキー場のゲレンデを夏場はキャンプサイトとして利用しています。グランピング施設やホテルもあります。ホテル敷地内の森は、映画「ノルウェイの森」のロケ地の一つになりました。峰山高原リゾート☎0790・34・1516
兎和野高原(香美町村岡区)
夜の森に浮かび上がる天の川です。天体に疎い私も、この時期は夜空に天の川や「夏の大三角」を探してしまいます。
兎和野高原は標高550~650メートル。周辺に人家がない星空スポットで、キャンプ場やオートキャンプサイト、宿泊施設などがあります。兵庫県立兎和野高原野外教育センター☎0796・94・0211
若杉高原(養父市大屋町若杉)
こちらの若杉高原おおやキャンプ場も、冬場のスキー場のゲレンデを、夏は宿泊サイトとして使用しています。満天の星の下でテントを張ることができます。
星空のPRにも力を入れており、リフトに乗って高台で星座を観察する催し「星空ハイキング」を開催しています(有料)。若杉高原おおやキャンプ場☎079・669・1576
大野山、猪名川天文台(猪名川町)
大野山(標高753メートル)頂上付近にある猪名川天文台の上空で輝く星空です。
こちらの猪名川天文台は、兵庫県内の他施設と比べても規模は大きくありませんが、予約なしで天体観測などが楽しめるのが魅力。プラネタリウムもあります(新型コロナ対策による人数制限の有無などは直接、施設にご確認ください)。
京阪神の都市部からもアクセスがよく、一帯の「大野アルプスランド」にはキャンプ場もあります。猪名川天文台☎072・769・0770
バンドー神戸青少年科学館(神戸市中央区港島中町7)
最後はちょっと番外編。兵庫県内にはいくつかプラネタリウムがありますが、こちらの青少年科学館は昨夏、18年ぶりに設備を一新。最新鋭の投影機に加え、星空を映し出すドーム(直径20メートル)のスクリーンや音響システムも最新型になりました。
公共のプラネタリウム(同館は神戸市の施設)としては国内初、関西のプラネタリウムでも初導入という、下の写真のような設備もあります。同館☎078・302・5177
みなさんのお住まいの地域にも、さまざまなプラネタリウムがあるかと思います。「高原やキャンプ場までは、なかなか足を延ばせない」といった方も街ナカで気軽に、特別な星空を体験できるのが魅力ですよね。
〈ぶらっくま〉
1999年入社。最後の青少年科学館は、小学生の頃によく通った思い出の場所です。悲しいくらいに、星座の名前や位置などは覚えていないのですが…。それでも星を眺めていると、「いま見えているのは、はるか昔の星の姿、光なんだよなー。すごいなー」(ざっくり)と日頃の雑事を忘れられるので好きです。