神戸で開かれる催しの名称にイタリア語が目立ちます。姉妹都市などと関係があるのかと思っていましたが、そうでもないようです。播州人3号が3つのイタリア語行事を紹介します。
まずは神戸の年末の風物、神戸ルミナリエです。
あの光を特別な思いで見つめる人に何度も出会いました。
始まったのは阪神・淡路大震災のあった1995年。復興に歩む被災地を勇気づける願いが込められていました。
イタリアから光の贈り物
神戸旧居留地
全国に知られる神戸の催しとなっていますが、もとはイタリアの伝統芸術です。
神戸が国内最初の開催と思い込んでいましたが、その年の夏に和歌山で開催されていたとは知りませんでした。
新型コロナの感染拡大の影響で、2年連続で中止が決まりましたが、代替の催しが今年も開催されます。
代替ルミナリエ 7カ所で展示
12月3~12日 三宮・元町に光の装飾
個々の作品の名もイタリア語です。
年によってデザインも光の加減も異なります。
いくつかの写真で振り返ってみましょう。
会場を訪れると、光にぬくもりがあるんだと実根します。
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春にもイタリア語と関係のあるイベントが神戸で開催されています。
続いて「インフィオラータこうべ」です。
初開催はこんなふうに告知されていました。
今度は花絵咲かせよう GWに神戸で
屋外 花敷き詰め
”春のルミナリエ”に育て
ルミナリエの2年後に始まりました。
その後、花絵を描く会場も増え、ゴールデンウィークの神戸のイベントとして定着しています。
近くで見るとかなり大きな絵のため、少し高い場所から見るのが観賞のコツです。
新型コロナの影響で、こちらも2年連続で中止となってしまいました。
最後は芸術祭「神戸ビエンナーレ」です。
残念ながら既に終了していますが、市民らが気軽に芸術とふれあう機会を提供しました。
文化創生の都市へ
神戸ビエンナーレが開幕
「ビエンナーレ」は「2年に1度」とか「隔年」という意味のイタリア語です。
ベネチア・ビエンナーレが世界的に有名ですが、神戸では展示にコンテナを使うなどミナト神戸らしさを感じる工夫もみられました。
ただ、2015年秋の第5回を最後に打ち切りになりました。
企業などからの寄付金が減り続け、事業費の確保が難しくなったことなどが要因で、芸術イベントを続けることの難しさがうかがえます。
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いかがでしたか。いずれも名称にイタリア語を冠した催しです。
ビエンナーレの開催発表の場だったと思いますが、「なんでイタリア語なのか」と神戸市の幹部に尋ねたことがありました。答えは「特に意識したわけではない」でした。
記事にもある通り、そもそも神戸市が主催者でないものもあるため「偶然の一致」なのかもしれません。
けれど、今となってはルミナリエは「イルミネーション」ではなく、ルミナリエでないとしっくりこない気がしませんか。
<播州人3号>
1997年入社。神戸市役所を担当していたころ、神戸ルミナリエの点灯式を何年か続けて取材しました。詰めかけた大勢の人で騒がしい会場が決まって静かになる瞬間がありました。「しあわせ運べるように」のピアノ前奏が始まったときでした。続く子ども達の歌声を聞くと、胸がいっぱいになりました。
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