神戸文化ホールオペラ《ファルスタッフ》ができるまで

神戸文化ホール50周年記念にオペラを制作してはどうだろうか?神戸市にはプロの室内管弦楽団、混声合唱団があるし、オペラ指揮者としてピカ一の佐藤正浩さんが合唱団の音楽監督だ。神戸出身には岩田達宗さんという日本を代表する演出家もおられる、との決断から始まった舞台裏の奮闘をリアルレポート

神戸文化ホールオペラ《ファルスタッフ》ができるまで

神戸文化ホール50周年記念にオペラを制作してはどうだろうか?神戸市にはプロの室内管弦楽団、混声合唱団があるし、オペラ指揮者としてピカ一の佐藤正浩さんが合唱団の音楽監督だ。神戸出身には岩田達宗さんという日本を代表する演出家もおられる、との決断から始まった舞台裏の奮闘をリアルレポート

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《ファルスタッフ》ができるまで その3 “タイトルロール”は黒田博さん

森岡めぐみ  さて、ときは2021年年末、神戸文化ホール開館50周年記念のオペラに、ヴェルディの傑作《ファルスタッフ》を上演しよう!と盛り上がりました。盛り上がったのはいいのですが、すぐさま直面したのは「主役は誰にお願いするか?」です。主役“ファルスタッフ”を歌ってくれる歌手、これは重要です。  《ファルスタッフ》のように、主役の名前が作品タイトルになっているオペラはいくつかあります。たとえば《カルメン》、《トスカ》、ほかにも《ローエングリン》(名前がネタバレになっていないか

    • 《ファルスタッフ》ができるまで その2 誰も死なない(知らない)オペラ!?

      森岡めぐみ  さて、神戸文化ホール開館50周年記念のオペラの計画がスタートし、音楽部門の顔ぶれの骨子(佐藤正浩マエストロ、神戸市混声合唱団、神戸市室内管弦楽団)は定まりました。次に検討しなければならないのは演劇部門の要・演出家です。オペラは音楽と演劇の協働による総合芸術、指揮者と演出家は息の合ったチームであることが、とても大切なのです。企画の最初から候補として浮かんでいた演出家は、岩田達宗さん。 佐藤正浩マエストロと岩田さんは、日本デビューが同じ(2000年 新国立劇場 小

      • 《ファルスタッフ》ができるまで その1 ときは佐藤正浩音楽監督デビュー公演。突然、炎のごとく!

        スタッフMM  ご存知ですか?神戸市は2つの演奏団体(室内オーケストラ、混声合唱団)と多目的ホール(神戸文化ホール)をもっている全国でも稀な都市です。そんな都市はありそうで、案外ないのです・・・(自治体による、という意味では、海外でも2団体の運営は珍しいよ、とあの山田和樹マエストロにも仰っていただいたので、そうかも、と信じています!)そして合唱団員の顔ぶれは、メンバーリストを見ていただければお分かりの通り、関西のオペラ界で主要な役どころで活躍している優れた歌手たちが揃っている