【保存版】ビットコインを超初心者向けに世界一わかりやすく解説
ビットコインが話題になって久しいですが、
「結局ビットコインとか仮想通貨とかよくわからない…」
と思っている人もいるのではないでしょうか。
そんな人に向けて、ビットコインの基礎から基本的な仕組みまでを解説します。
超初心者向けに解説するので、ある程度知っている人は物足りないかもしれません。
この記事でわかること
この記事を読めば、明日からある程度会話ができるようになるでしょう。
参考文献
※技術にそこまで深入りしないので、わかりやすくて入門書として最適です。
ビットコイン=デジタルのお金
ビットコインを一言でいい表すと「デジタルのお金」です。
「デジタルのお金ってなんやねん!
そこからわかんないんだよ!」
って感じですよね。
デジタルのお金とはどういうことか。
それは「1ビットコイン玉」や「10ビットコイン札」といった実物が存在しないということです。
だから"仮想"通貨といわれています。
つまり、ビットコインの正体はただの数字です。
「じゃあなんでただの数字がお金として機能するの?」
「なんでみんな買いたがるの?」
「無限にコピーできるんじゃない?」
などの疑問が出てくるかもしれません。
2、3点目の疑問については後述します。
ここでは、1点目のなぜお金として機能するかを説明します。
ビットコインは、銀行の預金通帳と似ています。
預金通帳に書かれているのは、残高、つまりただの数字です。
通帳に書かれている残高の範囲内であれば、
自由にお金を動かせます。
誰かに振り込んだり、引き出したり…etc.
給料が振り込まれたときは、手持ちの現金は増えない代わりに、残高の数字が増えます。
デビットカードで買い物をすると、その場で口座の残高の数字が減ります。
ビットコインも、基本的には同じです。
自分が持っているビットコインの残高の範囲内で、物を買ったり、誰かに送金したりできます。
誰かから送金してもらうことも可能です。
日本円をドルに両替するのと同じように、ビットコインと日本円やドルの交換もできます。
ビットコインと他の仮想通貨の交換も可能です。
ただし、先述の通りビットコインの現金はないので、ビットコイン玉や紙幣を手にすることはできません。
要するに、ビットコインを使う=究極のキャッシュレスだと思ってください。
今までの内容で大事なのは「価値の量(金額)を表現できさえすれば、現金は必要ない」ということです。
つまり、自分が今いくらのお金(価値)を動かす権利を持っているかがわかれば十分ということ。
ビットコインも「自分が今何BTC動かせるか」さえわかれば、お金として機能します。
ビットコインと日本円(法定通貨)の違いは?
ビットコインがお金として機能することは、なんとなくでもわかっていただけたかと思います。
ここからは、ビットコインと他のお金を比較しながら、よりイメージを湧かせていきましょう。
まずはビットコインと日本円(法定通貨)の違いです。
大きな違いは、以下の3つです。
これらの違いは日本円だけでなく、法定通貨すべてに当てはまります。1つずつ見ていきましょう。
ビットコインには中央管理者がいない
日本円を管理しているのは、日銀ですよね。
日銀が日本円を発行し、景気の動向を見て発行のペースを速めたり緩めたりして、円の価値を安定させています。
では、ビットコインの場合はどうでしょうか?
ビットコインには、発行主体や中央管理者がいません。
ここがビットコインや仮想通貨の大きな特徴です。
ビットコインには中央の管理者がいない代わりに、運営にかかわる人たち全員で管理します。
メンバーの権限に上下関係はなく、全員横並びです。
日本円やドルをはじめ、あらゆる法定通貨は中央集権型であるのに対し、ビットコインは分散型であるといえます。
中央集権型と分散型の違いは、トップダウンか話し合いで意思決定をするかどうかです。
日本円の場合、発行ペースや金利の上げ下げを決めるのは日銀です。
一方で、ビットコインの今後の運営方針は、参加者の話し合いの結果、多数決によって決まります。
このことから、ビットコインは民主的な通貨と言えます。
では、発行主体がいないビットコインでは、どのようにして新しいビットコイン発行されているのでしょうか?
それは、マイニングによって、約10分ごとに一定数のビットコインが新たに発行されています。
※マイニングについては、後述します。
ビットコインは国際通貨
当然ながら、日本円は日本でしか使えません。
しかし、ビットコインなら世界中で利用できます。
※その国がビットコインの決済を認めていることが前提ですが
それはなぜかというと、ビットコインは特定の国に属さない通貨だからです。
ビットコインは、インターネット出身の通貨です。
インターネットはどこかの国のものではないですよね。
だからビットコインは、特定の国の思惑に左右されず、世界中どこでも使えるのです。
ビットコインは国際送金が得意
ビットコインはもともと、早くて安い国際送金を実現するために生み出されました。
そのため、国際送金はビットコインの得意分野です。
日本円をアメリカにいる親戚に送る場合、現在主流なのは銀行送金です。
しかし銀行送金は、めちゃくちゃ遅くてめちゃくちゃ手数料が高いですよね。
なぜかというと、海外に送金をする場合、お互いに口座を持っている銀行をマッチングさせる必要があるからです。
自分が使っている銀行が相手の銀行に口座を持っていればいいのですが、なかなかそうはいきません。
そうすると、お互いに口座を持つ別の銀行を経由しなければならなくなります。
国際送金の作業は全て手作業で行われるため、かかる人件費と時間はバカにならず、さらに人が作業する分ミスが起きる確率も高まります。
ビットコインは、こうした国際送金の課題を解決するために提唱されました。
実際、ビットコインでの送金は10分もあれば完了し、手数料も銀行送金に比べると圧倒的に安いです。
なぜそのようなことが可能かというと、ビットコインは第三者を経由せずに相手に直接送金をする「ピアツーピア(P2P)取引」を採用しているからです。
相手に直接お金を送れれば、第三者が介入することによる中間マージンを取られることもなく、時間もかからないということです。
ビットコインと電子マネーの違いは?
デジタルなお金としてイメージしやすいものに、電子マネーがあります。
SuicaやPASMO、Edyなどですね。
ビットコインとこれら電子マネーは、何が違うのでしょうか。
そもそも、電子マネーは「通貨」ではありません。
ここが根本的な違いです。
確かに電子マネーも実体がないという点ではビットコインと同じですが、あくまで「円」がデジタルになっただけです。
そのため外国では使えませんし、電子マネーに値段が付くこともありません。
値段が付かないというのは、Suicaに入っているお金の価値が変動するわけではないということです。
Suicaに入っている1000円が、ある日1200円分の価値になることはありませんよね。
しかし、ビットコインは円と同じ通貨の一種です。
日本円と同じように、需要と供給により価格が変動します。
また電子マネーは物理カードがあるのに対し、ビットコインにはない点も違いの一つです。
ビットコインは、専用の「ウォレット」と呼ばれるデジタルの財布で管理します。
なぜビットコインに価値があるのか
ビットコインの時価総額は、2022年9月現在約272万円です。
これは全仮想通貨の中でもぶっちぎりのトップです。
なぜビットコインに、そこまでの価値があるのでしょうか。
仕組みが優れているから
ビットコインが買われている大きな理由は、仕組みが優れているからです。
仕組みとは、ブロックチェーンのことです。
「出たーブロックチェーン、新しい用語出さないでくれ…」
って感じですよね。
大丈夫です。
ここではブロックチェーンの込み入った話はしません。
とりあえず、ブロックチェーンは「透明性や公平性が高くて、不正がほぼ不可能な技術」だと思っておけば大丈夫です。
ここで、そもそもなぜ通貨や株といった資産が価値を持つのかをさらっと解説します。
資産の価値が価値を持つのは、その資産が信用されているからです。
株式が価値を持つのは、その会社が成長すると期待(信用)されているから。
法定通貨が価値を持つのは、その国の政府が安全だと信用されているから。
日本円の場合
「日本の政府はうまくやってるから、円が暴落することはないよね」
とみんなが信用しているから、円が買われ、価値が安定しています。
逆に
「この国は戦争をやってて、政府が崩壊しそう。じゃあ通貨もただの紙切れになるんじゃ?」
とみんなが思えば(信用されなければ)、その国の通貨は売られて暴落します。
ではビットコインの何が信用されているかというと、述べた通りブロックチェーンという仕組みです。
「ブロックチェーンは画期的で優れた技術だから、これから絶対伸びる」とみんなが思っています。
だからどんどんビットコインが買われ、値段もどんどん上がっているわけです。
希少性があるから
ビットコインには希少性があることも、価値を持つ理由です。
希少性とは、有限であることです。
実は、ビットコインの発行枚数は2100万枚と決まっています。
そのため、2100万枚を発行し終わった時点で、それ以上新たなコインが市場に出回らなくなります。
そうすると、みんながビットコインを欲しがるのは想像に難くないですよね。
この意味で、ビットコインは金(ゴールド)に近い資産だといえます。
仮想通貨界の基軸通貨だから
ビットコインは、法定通貨でいう米ドルのような、基軸通貨としての働きをしています。
どういうことかというと、マイナーな仮想通貨を取引するときに、一度ビットコインを経由させる使い方ができるということです。
仮想通貨は数万種類もあるといわれており、マイナーな通貨を扱っている取引所はなかなか多くありません。
特にマイナー通貨から別のマイナー通貨に交換したい場合、取引所がその通貨ペアを取り扱っていない可能性が高いでしょう。
そのような場合、マイナー通貨A→ビットコイン→マイナー通貨Bというルートであれば、交換できます。
ビットコインとのペアなら、取り扱っている可能性が高いためです。
たとえば、南アフリカランドをフィリピンペソに両替したい場合、一度米ドルに交換するのが確実ですよね。
仮想通貨でも同じことが起こっています。
このように、ビットコインは基軸通貨として機能していることから、まさにビットコイン一強の状態になっています。
ブロックチェーンとは要するに台帳のこと
発行枚数の上限が決まっていても、
「ビットコインはデジタルなお金だから、
無限に複製できるんじゃないの?」
と思う人もいるかもしれません。
ブロックチェーンの仕組み上、それは無理です。
ここで少しブロックチェーンの仕組みを解説します。
ブロックチェーンとは「分散型台帳」と呼ばれる技術です。
「だからその日本語訳の意味がわかんなくて、
俺はここでつまずいたんだよ!」
という人もいますよね。
なので「分散型」と「台帳」に分けて説明します。
まず「台帳」について。
これは文字通り、取引の記録が書かれた台帳だと思ってください。
「何月何日、誰から誰にいくら送金」
みたいな記録が書かれているのが、ブロックチェーンです。
紙の台帳と同じ認識で大丈夫です。
では「分散型」とはどういう意味か。
みんなで管理しているという意味です。
具体的には、みんなで同じ台帳のコピーを保有して管理しています。
コピーなので、みんなが持っている台帳に書かれている内容は全く同じです。
つまり、ブロックチェーンとは
「みんなで同じ台帳のコピーを作成して管理する技術」
ということです。
ブロックチェーンで不正ができない理由
「みんなでコピーを保有している」というのがミソで、
これが改ざんや複製などの不正防止に役立っています。
ではここで、悪いことをたくらんだ人が、自分にたくさんのビットコインがあるように台帳の記録をいじったとします。
でも自分の台帳だけ書き換えても、他の全員が持っている台帳と比べて、自分の台帳だけ内容が違う、ということになりますよね。
ブロックチェーンには多数決の原則があります。
だから、誰かが勝手に自分の台帳を書き換えたとしても、他のみんなが持っている台帳の方が正しいことになり、その台帳は無効になります。
これこそが、ビットコインを複製したり、取引記録を改ざんできない理由です。
しかし、勘のいい人はあることに気づくでしょう。
「じゃあ半分以上書き換えちゃえばいいんじゃね?」と。
確かに、全台帳の半分以上を書き換えればそれが正しいことになるので、理論上不正は可能です。
しかし、現実的にはそれが難しいのと、非合理的なのでほぼ100%起こらないといって差し支えありません。
なぜ難しいのかというと「半分以上書き換える」という作業がとてつもなく大変なのと、それをやっている時間的余裕がないから。
ブロックチェーンは、一部の取引記録を書き換えるだけでも、結局全部の記録を書き換えなきゃいけない仕組みになっています。
全部というのは、ビットコインが始まってから今現在までの取引記録全部です。
しかも、ただ書き換えればいいのではなく…
とにかく、いろいろやることが多すぎるんです。
それを、新たな取引記録が追記されるまでの10分以内にやらなきゃいけないので、現実的に無理です。
また、万が一取引記録の書き換えが成功してしまった場合、ビットコインの信用は地に落ちることになります。
そうすると、きっとビットコインは大暴落するでしょう。
そんなことになれば、もはやどれだけ大量のビットコインを持っていても意味がありません。
だから、不正をしても労力に見合った結果が得られないのです。
このように、ブロックチェーンはルール通りまっとうに振る舞う方が自分の得になるように設計されています。
ここもみんながブロックチェーンを信用しているポイントの一つです。
ブロックチェーンに書かれていること
ブロックチェーンに書かれているのは
「誰から誰にいくら(何BTC)送った」
という情報だけです。
なぜなら、物を買うときも、誰かに送金するときも、
「誰から誰にいくら送る」
と表現できるためです。
おもしろいですよね。
私もこれを知ったときは「なるほどな~」と思いました。
「あれ、そしたら残高の情報とかは記録されていないってこと?」
はい、記録されていません。
過去の取引履歴をさかのぼれば、今誰がいくら持っているかわかるからです。
ブロックチェーンには、過去の取引データが全て記載されています。
最初の取引から、今現在行われている取引まで全部です。
つまり
「誰から誰にいくら送った」
という情報をたどっていけば、
今まで自分にいくらのビットコインが送られたのか
=自分はいくらのビットコインを持っているのか
=残高
がわかるということです。
ビットコイン≠ブロックチェーン
もしかしたら、ビットコインとブロックチェーンを混同している人もいるかもしれません。
しかし、ビットコイン≠ブロックチェーンです。
ビットコインは通貨であり、ブロックチェーンは台帳技術です。
「ブロックチェーンという台帳に、ビットコインの取引履歴が記載されている」という関係性です。
ちなみにブロックチェーンはビットコイン専用の技術ではなく、仮想通貨全般で使われている技術です。
イーサリアムやリップル、その他の仮想通貨もみなブロックチェーンを使っています。
さらにいうと、ブロックチェーンは仮想通貨だけでなく、他の分野にも応用できます。
代表的なのはNFTですが、本題からそれるのでここでやめておきます。
イメージとしては「ブロックチェーンという技術を使って実現できることの1つが、ビットコイン(をはじめとする仮想通貨)」という感じです。
ビットコインはウォレットで保管する
ビットコインは「ウォレット」と呼ばれる、専用のお財布で管理します。
このお財布も、もちろんバーチャルです。
ウォレットにはいくつかの種類がありますが、
とりあえずメジャーな以下の2種類を覚えておけば大丈夫です。
①スマホアプリ型
スマホアプリ型は、ウォレットのアプリをスマホにインストールするタイプです。
ウォレットアプリを開くと、現在の残高や送受金に必要なアドレスを表示させられます。
つまり、ウォレットアプリがあればビットコインの送受金ができます。
ウォレットに入っているのは「秘密鍵」と呼ばれる、
銀行口座の暗証番号のようなものです。
ちなみに「ビットコインのデータやファイル」は存在しません。
だから、自分が保有するビットコインを
スマホやパソコンにダウンロードする、
といったことはできません。
最初に説明した通り、
ビットコインを保有する=動かす権利を持っている
にすぎず、
ブロックチェーンにも取引記録しか記載されていないためです。
なので、もしスマホを紛失したとしても、
ビットコインは無事です。
他のデバイスで再度ウォレットにアクセスすれば大丈夫だからです。
ただし、秘密鍵は紛失したり、盗まれたりしてはいけません。
秘密鍵がないと、ビットコインを送金することができないからです。
銀行の暗証番号であれば、忘れても窓口で身分証を提示すれば再発行が可能です。
しかし、ウォレットには個人情報が紐づけられていないので、
秘密鍵を紛失しても再発行はできません。
もし秘密鍵を失くすと、確かに自分が保有しているのに、
そのビットコインを永久に動かせないことになります。
つまり、死蔵されます。
また、秘密鍵を知られない限り、
他人が自分のウォレットから
不正にビットコインを送金する(=盗む)ことはできません。
この点は、現金を持つよりも安心ですね。
しかし、もし秘密鍵を他人に知られてしまうと、
自分に成りすましてビットコインを不正に送金することが可能になってしまいます。
銀行の口座やクレジットカードの不正利用なら、調査によって自分のやった操作ではないことを証明できる可能性があります。
しかし、ビットコインの場合、
秘密鍵を使って送金をした=秘密鍵の持ち主が送った
とみなされてしまい、成りすましを特定することまではできません。
そのため、秘密鍵はくれぐれも注意して保管する必要があるのです。
②取引所のウォレット
ほとんどの人は、取引所のウォレットに自分のビットコインを保管しています。
取引所とは、株式市場でいう証券会社のようなものです。
仮想通貨を手に入れる代表的な方法は、株式の売買と同じように、買いたい人と売りたい人のマッチング(相対取引)です。
取引所は、仮想通貨を売りたい人と買いたい人をマッチングする、つまり取引の場を提供する役割を担います。
加えて、取引所はウォレットも提供しており、ユーザーの仮想通貨を保管する機能も持ちます。
これは証券会社の口座に株式を預けるのと同じです。
証券会社では、自分が保有する株式の売却や、口座に入っている資金で新たに株式を買う際は、証券会社に売買の指示を送ります。
取引所も同じで、仮想通貨を売却、外部のウォレットに送金する場合は、取引所に指示を出して処理してもらいます。
ウォレットには、秘密鍵が保管されているんでしたよね。
取引所のウォレットを使う場合、ユーザーは秘密鍵を知りません。
取引所が代わりに保管してくれています。
ユーザーから指示があると、ユーザーのウォレットに保管されている秘密鍵を使って操作を行います。
「取引所に秘密鍵の保管を任せて大丈夫なの?」
と思う人もいるかもしれません。
ここは、価値観が分かれるところです。
自分で管理する方がいいのか、取引所を信用して管理を任せるのかです。
個人的には、取引所の方が楽かなとは思います。
取引所にログインできさえすれば、ビットコインが死蔵される心配がないからです。
取引所の口座を開設する際には本人確認が義務付けられているので、
万が一ログインIDやパスワードを忘れても再発行ができます。
とはいえ、自分の好きな方で良いと思います。
ビットコインの仕組み
最後に、実際にビットコインがどのような仕組みになっているのか、買い物をするケースを例に見ていきましょう。
ビットコインで買い物をする場合
たとえば、AさんがBさんから5BTCで商品を買うとします。
このとき、AさんとBさんはウォレットを用意します。
ウォレットには、受金用のアドレスが書かれています。
銀行の口座番号のようなものです。
ビットコインを送ってもらうBさんが「ここに送って」と自分のアドレスをAさんに教えます。
アドレスは本来、32桁の文字列なのですが、QRで表示することも可能です。
スマホでの読み取りが楽なので、ここではQRで表示することにしましょう。
Aさんはウォレットの送金メニューを開き、代金である5BTCを入力し、Bさんが見せたQRコードを読み取れば、送金は終わりです。
Bさんがやることは、アドレスを見せる以外にありません。
使う側からすると、非常に簡単ですね。
ただし、すぐにAさんのウォレットからBさんのウォレットに5BTCが移るわけではありません。
取引記録を、ブロックチェーンに書き込む作業が必要だからです。
つまり「AさんからBさんに5BTCを送金」という取引情報が、ブロックチェーンに書き込まれてはじめて、2人のウォレットに資金の移動が反映されるわけです。
送金処理をしてから、ブロックチェーンに記録が書きこまれるまでには、大体10分かかります。
マイニング=ブロックの追加作業
では、この10分間に何が起きているのでしょうか。
マイニングです。
「聞いたことある~」ですよね。
マイニングの説明に入る前に、
ブロックチェーンについて少し補足します。
ブロックチェーンには、最初から現在までの取引がすべて記録されていると説明しました。
どのように記録されているかというと、いくつかの取引記録がまとめて一つのブロックに格納されており、それが時系列順で鎖状(チェーン)につながっている形です。
だからブロックチェーンというんですね。
AさんとBさんの取引記録は、即座にブロックに組み込まれるのではなく、一旦プールされます。
そしてある程度取引記録がたまった段階で、
プールされていた他の取引記録と一緒にブロックに格納されるわけです。
そしてマイニングとは、ブロックチェーンの最後尾に新たなブロックを追加する作業のことです。
AさんとBさんが取引の反映を待っている間に、マイナー(マイニングをやる人たち)がせっせとブロックを追加しようとしています。
では、マイニングでは具体的に何をするのでしょうか。
ひたすら計算問題を解きます。
ブロックを追加するためには、とある計算問題の答えを見つける必要があるからです。
その答えを最初に見つけた人が、新しいブロックを作成して最後尾に追加する権利を得ます。
計算問題自体は単純なのですが、答えを見つけるには、しらみつぶしにいろんな数字を当てはめていくしかないように設計されています。
その計算問題を解き終わる時間が、大体10分になるように難易度が調整されているわけです。
ビットコインは約10分に1回、新規コインが発行されると説明しました。
取引記録の反映にも約10分かかるといいましたね。
それは、約10分に1回マイニングが成功するからだったわけです。
マイニングには、専用のパソコンを使わないといけないくらい膨大なパワーが必要です。
それほど答えを見つけるのが面倒くさい計算だからです。
当然バカにならないお金がかかります。
ではなぜマイナーたちは、そこまでしてマイニングをするのでしょうか。
マイニングに成功すると、新規発行されたビットコインをもらえるからです。
1回のマイニングに成功すると、現在は6.25BTCがもらえます。
日本円に換算すると、約1700万円です。
これはマイナーにとっては大きな儲けです。
マイニングにかけた費用をマイニング報酬が上回れば、立派なビジネスになります。
新規コインがもらえるのは最初に計算問題の答えを見つけた人のみであるため、現在は巨大なマシンパワーを持つ企業が熾烈なマイニング競争をしています。
もしマイニングがボランティア制なら、こんな骨の折れる作業を誰もやりませんよね。
だからインセンティブを設定することで、メンバーがそれぞれの利益になる行動を取らせ、結果として管理者がいなくても仕組みが回るように設計されているのです。
ここがビットコインのよくできている点です。
これらのマイナーがいるおかげで、AさんとBさんは無事決済を完了させることができました。
マイニングは取引の承認も兼ねている
マイニングには、取引の承認という役割もあります。
ブロック(取引記録)の追加=承認といいかえられるということです。
先ほどの例でいうと、マイニングが完了するまでは、
AさんとBさんの取引はまだ承認がされていません。
だからウォレットに反映されなかったわけです。
マイニングによって取引記録が追記されることで、
その取引は正当なものと承認されます。
ビットコインには、中央管理者がいませんでしたよね。
だから、参加者(マイナー)が第三者の立場から取引の正当性を証明しているのです。
そして取引の承認をしてくれたマイナーには、見返りとして新規コインが付与されるという仕組みです。
ビットコインまとめ
ビットコインの概要をできるだけ初心者にもわかりやすく解説しました。
改めて、ビットコインはよくできているなと思います。
ただ、ビットコインやブロックチェーンは完璧な仕組みかというと、そうではありません。
たとえば、取引の反映に10分もかかっていたら、買い物では使いづらいですよね。
このような課題を解決する動きも進んでいます。
ビットコインやブロックチェーンはまだまだ発展途上なので、今後の動きに注目です。
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