春の日、花束を持って会いに行く。
山形の春はすこし遅れてやってくる。わたしの住む土地では、ふきのとうが顔を出して、梅が咲いたらだいたい4月。それから桜が咲くまで2週間ほど。
冬の間、厚く空を覆っていた雲は薄くなり、気づけば青空が見える。やっと地上に光が届いたと思ったら、草木が目にも止まらぬ速さで成長していく。
世界が色彩を取り戻し、陽の気に包まれている!
まるで全ての命を祝福しているかのように眩しい。
それなのに、私ときたら……。ひどい花粉症でよく眠れず、朝晩の寒暖差で自律神経は乱れ、黄砂で目と頬が赤くなっている。世界の美しさとの対比で、よりいっそう自分がへにゃちょこに感じられた。
そんな状況の人が、わたしの他にもいるだろうなと考える。みんな本当に偉いなあ。春は生きているだけで偉いんだって。
新年度。気圧のジェットコースターに揺さぶられながらも、新しいことに挑戦している人も沢山いるはず。とくに環境の変化がなかったわたしは、チャレンジする人を応援したいし、ときには支えになれたらいいなとへなちょこながらに思った。
それから、いつも頑張るあの人に、花束を持って会いに行こう。
今月、山形移住4周年を迎えた。この4年間、数えきれないほど大変なことがあったけれど、それでも楽しくやってこれたのはここで出会えた方々のおかげだ。それから、もふもふの友人たちと、そこらじゅうに広がる美しい景色のおかげ。
いまは、これまで取り組んできたことを丁寧に撚り、耐久性を上げていきたい。継続はきっと何よりの力なり。そんな気持ちで、5年目のスタートを切った。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!