季節のなかで、一番やさしいのは秋だと思う
秋の真ん中に立っている。陽の光は心地よくて、果物に芋栗南京、秋刀魚など、食べ物がほっこりおいしい。春夏秋冬のなかで一番やさしいのは秋かなと思う。
東北地方に越してからよりいっそう感じるようになった。ここに暮らす人たち皆、厳しい季節へ向かうから、「今だけは少しやさしくしよう」てな世界の計らいだろうか。
そんな季節に撮った日常写真をまとめておこう。こうして見返せるようにしておけば、厳しい冬にもやさしさを思い出せるはずだ。
9月13日に誕生日を迎えた。9月は季節柄スーパーにイチゴが売っていないので、幼い頃、母は毎年試行錯誤しながらブルーベリーやキウイののったケーキをつくってくれた。12月生まれの姉のケーキには、いつもたくさんの苺がのっていたから、それがすごく羨ましくて、冬に生まれたかったなと密かに思ったものだ。
今年はぶどうの詰め合わせをいただき、秋生まれっていいなと思えた。いつの間にかイチゴのショートケーキへの憧れは消えていたみたい。そもそもケーキ自体、あまりたくさん食べられなくなってきたので今は美味しいフルーツをそのままもらうのが一番うれしい。
少しずつ、山の木々が色づいてきた。程なく紅葉シーズンがやってきて、やさしさのピークを迎えるんだ。いい季節のうちに、車のタイヤをスタッドレスに履き替えて、ストーブの埃を落とさなくちゃ。脈略のない写真たちが、この秋の思い出。
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