レジ袋有料義務化、スタートから1か月
レジ袋の有料義務化が始まり、1か月が経とうとしています。
ふらっと買い物に行った時に、ついついエコバッグを忘れてしまい仕方なしにレジ袋を購入することになると、購入金額がどうというよりは、何となく「悪いことをしている」みたいな罪悪感を感じることが分かりました。
そう考えるとこういった施策のインパクトもなかなかのものかも知れません。
以前に私どもの運営している「エコトピア」からヤフーさんの運営している海に関するWEBメディア「Gyoppy!」に以下の記事を寄稿しました。
こちらが公開されたのは昨年の11月なのですが、これが今月に入りレジ袋有料義務化がスタートすると、SNSを中心に拡散され、結構読まれたようです。
タイトルのスケープゴートとは、簡単に言うと「身代わり」です。
「スケープゴートにしないで」とは、廃プラ問題の諸悪の根源が全てレジ袋にあるかのように扱わないで欲しいということです。
買った物をレジ袋に入れて家庭に帰ると、そのレジ袋をいろんな用途に使っていることがわかるのではありませんか。例えば生ごみを入れる内袋として使ったり、日用品を小分けして保管するのに使ったり、バッグに入れて再び使用したり、あるいは犬の散歩の時に糞の始末に使ったり。これらは、みな再使用、いわゆるリユースです。さらに、いまでもかなり多くの自治体が、ごみ袋の代わりにレジ袋を使うことを認めています。
私は何も特別扱いしてくれと言っているわけじゃありません。レジ袋の流通量は私の試算で年間20~30万トンあります。この数字は使い捨てが多いと言われる容器包装プラスチックごみの5~7.5%にすぎません。それに比べて、例えばペットボトルは、国内の販売量は約59万トンあり、レジ袋の2~3倍になります。ところがペットボトルを削減しようという声は、政府内からも合同会議からも出ません。
にもかかわらず、なぜレジ袋が狙い撃ちされるかと言えば、
ある省庁の官僚と話す機会があり、私は、「なぜ、レジ袋をねらい打ちするようなことをするのですか?」と尋ねました。返ってきた言葉が「わかりやすいから」。
だそうです。
これに加え決定的なのは、レジ袋製造メーカーは中小零細企業が多く、大企業がない点も指摘されています。
所詮、中小零細、叩いたり潰れたりしたところで、痛くもかゆくもない、ということでしょうか。
このようなことはお役人様の常套手段なのか、他の事例でも見られます。
私が代表を務める一般社団法人日本リユース・リサイクル回収事業者組合(JRRC)は、いわゆる「不用品回収業者」とか「町の便利屋さん」が多く加盟している団体です。
これらの業者の多くは個人事業主、もしくは中小零細企業です。
2013年に施行された小型家電リサイクル法が成立する過程で、同じような品目を取り扱う不用品回収業者が邪魔だったのかどうかはわかりませんが、不用品回収業者に対する散々たるネガティブキャンペーンが展開されました。
あたかも「不用品回収業者=違法業者」と思わせるようなチラシやポスターを各所に展開したのです。
たしかに、一部の悪徳業者は断罪されるべき違法行為を行っていたのかも知れませんが、それはあくまで「一部」であり、多くの業者はまじめに事業を行っていました。
一部の悪徳業者による違法行為は、この業界に限ったことではありません。
にもかかわらず、全ての不用品回収業者が違法業者、悪徳業者と決めつけることは、さすがに問題があると思います。
(それで、「いくら何でもこれはひどい」ということで立ち上がったのが、私どもJRRCです。)
この件、これ以上書くと長くなってしまうので、ここらで止めておきますが、何が言いたいかというと、中小零細は役人にとって叩きやすく、何かと言うと批判の的にされがち、ということです。
レジ袋の記事にあるように、私たちも含めて、何も特別扱いをしてくれと言っている訳ではないのです。
ただただ、真っ当に扱って欲しいだけなのです。
「わかりやすい」「叩きやすい」という理由だけで、いとも簡単に虫けらを潰すようなことはしないで欲しいということです。
それによって、
いま、レジ袋を製造している会社に勤めているというだけで、環境に良くない仕事をしているんじゃないかと疑いの目で見られたり、悪いイメージでとらえられたりしています。これが有料化の導入でさらに増幅されないか、非常に心配です。これでは社員が誇りを持って働けません。みなさんに喜んでいただける、役に立っていると思いながら、これまで働いてきました。そこのところをわかっていただきたい。四面楚歌であっても、レジ袋は悪くない、レジ袋はこれからも必要とされ続けるのだと、みんなプライドを持っているのです。
ということになってしまうのです。
その辺りをよくよく考えて頂きたいです。