喪失と日々
"寂しいけど、元気で過ごしてね"
彼は最後にそう言った。
5年付き合った彼と別れた。
もう寂しくなくなった。
けれど心にはぽっかり埋まりそうにもない穴が空いた。
泣きたい夜に私を抱き寄せて、大丈夫だよと一緒に眠りについてくれる存在が、いなくなった。
冷静さを失った。
独りで立ち直ろうとせず、また誰かの優しさに甘えた。
人恋しくなった。
といえ誰でも良かったわけではない。
しかし近しい人に温もりを求めてしまった。
後悔だけが残った。
外出が億劫になった。
笑うのにも、疲れ果てた。
時が経った。
私は、あの頃夢を見た寝室で一人、ギターの練習している。
精神は、徐々に平常を取り戻しつつある。
今日はカメラ片手に久しぶりに出かけようと思う。
お元気ですか。
私は、ぼちぼちです。
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