Sena Kobayashi

1997年兵庫県産まれ / 旅人。 神戸の小さなスナックで4年半チーママを経験した後、幼い時からの夢だった海外移住を決意する。 (オーストラリア→アメリカ→現在カナダ)チェス / 執筆 / カメラ が趣味。 #エッセイ #海外

Sena Kobayashi

1997年兵庫県産まれ / 旅人。 神戸の小さなスナックで4年半チーママを経験した後、幼い時からの夢だった海外移住を決意する。 (オーストラリア→アメリカ→現在カナダ)チェス / 執筆 / カメラ が趣味。 #エッセイ #海外

最近の記事

「人生にはいいこと良いことより悪いことの方が多い」と言う見解について

スナックで働いていた時代、 ”モヤモヤ”=”消化不良”なるものが山程あって、 それは他人からの心ない言葉の数々や、自己の価値観とは反する者への怒り、そして気持ちを押し殺した上部の付き合いから生じるものだった。 他人には説明がつかない大小様々な出来事があったし、 言語化すらできぬ感情だって山程あった。 しかし物事にしろ対人にしろ、いい部分より悪い部分の方が目立つというのは世の常だ。 「人生にはいいことより悪いことの方が多い」と言う、 そんな使い古された表現すらこの世には

    • 古代日本について思う時、受け継がれる意思。

      古代日本・縄文時代。 日本には10000万年以上も続く平和な時代があった。 そこには食料を切るためのナイフあっても、争いのための武器は存在しなかった。 人々は助け合い、互いを思いやり、自然と完全に共存していた。 そして侍時代。 外国人でも皆知っている”侍”の語源は「さぶらう」から来ており、その意味は「大切な人を守る」という意味である。 彼らは、誰かを守るために存在していたのだ。 私は柔道をしていたが、柔道に限らず日本の術式の根底にあるのは 「誰かを傷つけるため」や「強さを

      • カナダ旅行記オンタリオ州PORT DOVER

        新月の日に、群れを飛びだした。 寂しいが、そうしなければいけないと思った。 小さな小さな街。緑がたくさん。 可愛らしいおばあちゃんと2人暮らし。 甘くて美味しいアップルシナモンドーナツ。 寂しがり屋の犬、ミーシャ。 スマホを無くしたのと、車で事故ったことにはびっくりしたが、 それ以外は平穏そのものな日々。 よく寝て、よく食べて、息を潜めた様に静かに生きる。 風が吹く。どこかで鳥が鳴く。 私はこの先、どこに辿り着くのか。

        • ここじゃない世界に行けば人生が変わると思っていた。

          インスタグラムのリールに上がっていた、日本人ワーホリの男の子が働いているカフェの受付でおじいさんと仲睦まじく話している動画。 おじいさんはこれまで、いろんな国に行ってきたと言う。 少年は問う。「どこの国が一番良かったですか?」 おじいさんは答える。「どこも一緒なんだ。どこの国に行っても本質は変わらない。良いとか、悪いとか、そんなものはないんだ。どこも実際には一緒なんだ。」 オーストラリアに来たばかりの頃これをみて、私はこの意見に賛同出来なかった。だって、一緒なわけがない。

          カナダ旅行記inオンタリオ州

          オンタリオ州カナダ サマーキャンプ Camp eden wood 山積みの洗濯物、べとべとのトイレ、なぜそこにあるのか全く分からないカトラリー、 そういうもののために毎日働いた。 オーロラ、ボートスキー、シークレットビーチでの密談、満月の夜裸で泳いだ湖、無数のセックス、毎晩・あるいは毎昼吸ったハンバーガー(仲間内で使ったマリファナの隠語)、ここでもやっぱりチェス三昧。 アジア人は一人もいない。 多くはフランス人とイギリス人であった。 彼らは物事を伝えるのが上手く、自己愛

          カナダ旅行記inオンタリオ州

          この先などわからない。けれど成るべきものに成る。

          予定なんてあってないようなもので、滞在中のトロント近郊のサマーキャンプは突然終わるは、次に9月から予定していたYukon行きもキャンセルになるはで、やっぱり人間先なんて全くわからんなと。 そもそもカナダに行こうなんぞも3ヶ月前まで微塵も頭に無かったんだから、「人間」というより「私」がそういう星のもとに生まれた訳のわからない生物なのかとも疑ったりする。 とことん、感覚派なのだ。 行こうと思ったときには行ってしまう。 そして今、たった1週間先のことだというのに私は私がどこに

          この先などわからない。けれど成るべきものに成る。

          たったの一言

          ずっと訪れてみたかった国で、 向いている仕事も得られて、 仲間にも恵まれ、 美味しい食事と、健康的な生活。 まさに望んでいた日々。 それなのに、 こんなにも毎日は充実しているのに、 いつも心に一つぽっかりと穴が空いている。 そんな日々が気づけば数ヶ月続いている。 会いたい。 その一言をずっと心にしまっている。 誰にも、言えずにいる。 いつかあなたから言ってくれる日が来ないだろうか。 そしたら、私は言えるのに。 そしたら、この穴はたった1秒で埋まるのに。 でもそん

          たったの一言

          27歳という遅すぎる年齢でタバコを吸い始めた。

          公にするのは恥ずかしいが、 27歳という遅すぎる年齢でタバコを始めた。 きっかけはありきたりで、 失恋がそうさせた。 ある日ヒッチハイクで車に乗せてくれたお兄さんにVAPEを貰った。 その時初めてあの、脳がくらっと揺さぶられる感覚を覚えた。 また吸うことになるとは自分でも思っていなかったが、気づいたらタバコショップに立ち寄っていた。 アップルミント。 その店にあるVapeはその1種類だけだった。 その甘ったるい煙だけが、痛みを和らげた。 以降私は、彼のことを想い、

          27歳という遅すぎる年齢でタバコを吸い始めた。

          アメリカ旅行記inバージニア州

          バージニア州アメリカ。 ベアフット生活の再来、意外に難しい手作りタバコ、苦手なままのマリファナ、窓に切り取られた、絵画みたいな青と緑。 鹿、リス、初めてみるホタル(海外で見ることになると思ってなかった) 並木、このまま地球は灰になるんじゃないかって思うくらいの赤放つ、燃える夕日。 ここでしたことは多くない。 自然の中で暮らし、隣人と話し、猫と戯れ、本を読み、コーヒーを飲み、野菜中心の食生活を送る。 時間が流れる、ゆっくり流れる。 大切な人たちのことを想う。 この旅

          アメリカ旅行記inバージニア州

          どうしようもなく恋をしている。

          大切な人に再会して、 またバイバイして、 そうやって 嬉しいと寂しいを繰り返して、 でもまたきっと会えるよねって 希望だけは捨てずに旅を続けて。 色んな人に聞かれる 「旅の目的は何か」だなんて ちっともわからないけど、 きっとそれは、この旅がいつか終わる先でふと視えるものなんだろうなと、 微かに予感していたりする。 あぁでも、 誰かを好きになるのと同じくして、 何かをするのに理由なんていらないか。 恋。 私はこの人生に、みたことのない景色に、そこでの出

          どうしようもなく恋をしている。

          楽しかった夜ほど虚しいのはなぜなんでしょうか

          最高に楽しかった日の夜。 眠気は頂点に達しているがしかしベッドに向かう気にもなれない。 訳のわからない孤独。 この理由なき寂しさの空気感はなぜだか、 "喪失"のそれと似ている。 こんな時は面白おかしいYouTubeも、心打つNetflix映画も心を満たしてくれはくれない。 甘ったるいvapeだけが気を紛らわしてくれる。 こんな夜の過ごし方を、私はまだ知らない。

          楽しかった夜ほど虚しいのはなぜなんでしょうか

          ちさと

          彼女は、私が滞在した村で唯一の日本人だった。 明るく、英語が流暢で、感情を表現する能力に長けていた。 誰かのストーリーをありのままに受け入れ、 時に自分の経験と照らし合わせ理解を促した。 彼女は、美しかった。 ある日、日本人と調和の関係性について彼女はこう語った。 "日本人は調和を何より大事にする。たとえ自分の気持ちを殺してでも相手を尊重する。 それは私たちの文化であり、大切で、とても美しいことだけれど、 時に(調和した先の事ではなく)、調和すること事態が目的にな

          言語と性格、個性の確信とは

          友人のアメリカ人が日本人が日本人同士で話している時の印象を話してくれた。 「何を話してるかはわからないが、相手に対して腰が低く、口調からは相手に気を使っているのが感じ取られてどうしてだろうと不思議に思った。」 中国を訪れた友人は、中国語特有の発声の強さと彼らの性格についてこう紐づけた。 「街から聞こえる会話の声の大きさや強さが印象的だったが、それが彼らの特徴を形つくっているのだろうか。」 英語には日本語と違い「悲しさ」を表す言葉が少ない。 反対に、「嬉しさ」を表す言葉

          言語と性格、個性の確信とは

          旅人はどこを目指すのか、の問いについて

          「一体どこ目指してるん?」 旅人ともなると地元に帰ればこんな言葉を浴びる訳だが、 さて 旅に出たって人生は変わらない。 自分探しだなんて空想。 いつだって将来の不安はつき纏う。 しかし旅をする、その最中にあるのは、いつだってひたすらに"今"だ。 "今"のその感情、すなわち臨場感。 "今"のその出逢い、二度と訪れぬ瞬間。 "今"のその景色、常に変化する情景。 気持ちにも消費期限がある。 行きたいかも、会いたいかも、 そう思った数日後にはそうしない理由というばい菌に食

          旅人はどこを目指すのか、の問いについて

          喪失と日々

          "寂しいけど、元気で過ごしてね" 彼は最後にそう言った。 5年付き合った彼と別れた。 もう寂しくなくなった。 けれど心にはぽっかり埋まりそうにもない穴が空いた。 泣きたい夜に私を抱き寄せて、大丈夫だよと一緒に眠りについてくれる存在が、いなくなった。 冷静さを失った。 独りで立ち直ろうとせず、また誰かの優しさに甘えた。 人恋しくなった。 といえ誰でも良かったわけではない。 しかし近しい人に温もりを求めてしまった。 後悔だけが残った。 外出が億劫になった。 笑うのに

          一人の大切な友人について

          彼は、音楽を愛する人だった。 私は彼の流す音楽が好きだった。。 彼は、正直な人だった。 嘘をつかず、自分をよく見せようとはしなかった。 彼は、冗談が好きな人だった。 私は彼のチャーミングなおふざけに何度笑っただろう。 彼は、繊細な人だった。 時に言葉にすべきか迷い、心に潜める人だった。 彼は、自分を律する人だった。 損得などつまらないもので物事を選ばなかった。 彼は、優しい人だった。 人が気づかない親切すら施す人だった。 彼は、愛のある人だった。 私が闇に落ちて

          一人の大切な友人について