職業訓練やスクール卒業生は採用されない?
デザイナーへの転職を希望されている方から「職業訓練やスクールを卒業したWebデザイナー志望は採用されない?」という質問をよく頂くので答えていきます。
職業訓練とは?
まず知らない方へ「職業訓練」をは何か簡単にまとめると、仕事を辞めた人が受講できる短期間の学校です。(3~6ヶ月くらいが多い)
このように金銭的に余裕がない人にとっては大変ありがたい講座です。
詳しくはお近くのハローワークで聞くか、検索してみると出てくるので探してみてください。
スクールと職業訓練の授業レベルは違うのか
場所にもよりますが、私が見る限りはだいたい同レベルだと感じています。
ですが、スクールはお金をかけているぶん通う施設が充実していたり(Adobeが入っているPCを使って自主学習が出来るスペースがあるなど)、デザイン学習界隈で有名な講師がいるなど質が高い所もあります。
もしWebデザイン関連のスクールを選ぶのであれば、私なりに選び方のコツをまとめた記事があるので下記をご覧ください。
職業訓練は先ほども記載した通り、お財布に優しいというメリットが大きいので希望する人が多く、倍率がめちゃくちゃ高いです。
もし利用したいと考えている方がいれば、ハローワークで開講情報を調べることができるので、日程を確認しておき退職日を調整するなど計画的を立てるようにしましょう。
スクール卒業生が採用されない問題
さて本題の「スクール卒業生は採用されない、活躍しにくい」問題を考えていきます。
私が会社で採用担当者をしていた時に経営者や上司から聞いた意見も混ぜた意見になりますが、大きく分けて下記の3つの要因があります。
原因1:スクールに通って安心してしまう
「スクールに入学して授業を受けたこと」に安心してしまい、その後スキルアップの努力をしなくなってしまう人がいます。
スクールではWebサイトを作るために必要な知識を一方的に与えてくれますが、教えてもらったことを吸収して自分のものにするためには自分で手を動かし作品を作りながら学んでいく必要があります。
原因2:卒業すれば必ずWebデザイナーになれると勘違い
スクールに通った経験を実績にカウントして「卒業したからWebデザイナーになれる資格が与えられた」と勘違いしてしまう人もいます。
スクールはあくまでWebサイトを作るための基礎知識を学習する所であって、きっかけでしかありません。
スクールを卒業した後、Webデザイナーとして働くことを見据えてどう行動したら良いかを考えていきましょう。
原因3:教えて貰うのが当然。受け身の姿勢になっている
これは実際にある話で、何でもかんでも先輩に聞いて自分では調べようとしない人がいます。
先輩は忙しい合間に教えていて時間が惜しいので、あまりに受け身な後輩と認定されると「その人が出来るレベルの仕事」しか渡さなくなります。
そうするといつまで経っても重要な仕事が任されず、成長する機会も失うことになってしまいます。
こうならないためにまずは自分で調べてから、本当に分からない部分に絞って聞いていくようにしたいですね。
採用面接でも受け身の姿勢はバレてしまうので、気を付けたいところです。
どういう人が採用されやすいのか
先ほどお話ししたようなことで採用されにくい状況に立たされてしまうスクール卒業生ですが、「スクール卒業生だから採用されない」というわけではありません。
では採用される人というのは何が違うのでしょうか。
例えば、同じスクールに通った生徒Aさん、Bさん、Cさんがいたとします。
この3人が1つの同じ企業に応募して、ポートフォリオ(Webサイトの作品集)を提出することになりました。
まず、Aさんはスクールで与えられた課題だけを作品集にまとめて提出しました。
Bさんはスクールで与えられた課題を自分なりに考え、写真を差し替える、文章を一部をブラッシュアップして提出しました。
Cさんはスクールで与えられた課題の他に、習った技術を使って違うジャンルのWebサイトを作ったものを添付して提出しました。(例えばスクールの課題がパン屋のサイトなら、美容院のサイトを作るなど)
さて、この中で一人だけ採用するとしたら誰を採用するでしょう?
私の今までの経験ではCさんのような人が多く採用されてきました。
なぜかというと。習得した技術を使って守破離を実行していて、即戦力になりうる素質を持っていると感じるからです。
守破離というのは、日本の武道などによくある「修行で成長していく過程」を表現する言葉なのですが
これらの3点セットができて、初めて初心者を脱した人になれます。
今回の例で3人に当てはめると
という風になります。
残念ながら会社は非常に少ない技術者で制作をしている所が多いので、育成に力を入れる事がし辛い環境です。(1つの制作会社で5人居れば多い方)
なので、即戦力になるための素質としてCさんのような人を選びがちです。
採用される人になるために出来る事
とはいえ、初心者からCさんのようになるまでに挫折する人が多いことも事実。
何とかしてかじりつきたいと思う人の気持ちも分かるので、少しでも仕事ができるハードルを下げるための方法をお教えします。
❶アルバイトをする
Cさんまでのスキルまではないけど、Bさんくらいの事なら出来るかな…と言う人はアルバイトを狙ってみるのをオススメしています。
どの会社も超忙しい現場が多いので、補助的にバナーを作ったり、先輩の作ったページの修正をしたりするアシスタントとして潜り混むことが出来ます。
近くで先輩の作業風景が見られるので、お金を貰いながら即戦力としてレベルアップすることが出来ますし、正社員として採用される事もあります(ちなみに、こばやすもアルバイト採用からのスタートでした)
❷クラウドソーシングのコンペに挑戦してみる
クラウドワークスやランサーズなどでは「コンペ」と呼ばれるお仕事の仕方があります。
この形式では、まず仕事をしたいデザイナーが依頼人の提示した条件でデザインを制作をします。その後、依頼人が気に入った案を購入するというものです。
ここで選ばれればお仕事に繋がるきっかけ作りになりますし、別に採用されなくても作った制作物をポートフォリオに載せることが出来るのもメリット(提供素材や規約がある場合があるので、一部差し替えて掲載した方が良いときもあります)
❸身近なところでデザインするチャンスを掴む
自分が所属している趣味のグループやよく行くお店などありませんか?
そういったところでもデザインするキッカケを作ることができます。
どうやって仕事を見つけるかは下記の記事に記載したのでご覧ください。
いずれにしても、スクール以外でいろいろと行動・検証してみて、自分の能力をレベルアップさせていく事が一番採用への近道ですね。
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作品はあるけどポートフォリオの作り方が分からない方へ
ポートフォリオサイトを制作したいけど、どういう構成で作って良いかがわからない…という方は下記の記事で詳細を記載しているので参考にしてみてください。
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