今出てる分しかないですね
歯が痛い。生まれてこの方、虫歯になったことがないことぐらいしか自慢できることのない僕にとっては大事件だ。僕の乳歯は信じられないぐらい頑固だったのでそれらのほとんどは歯医者で抜いた。歯医者に行くのはその時と、あとは歯石の除去で行くぐらいのものだ。でも今は歯医者が怖い。
僕の左下の奥歯では悪魔がドリルで工事を行なっているのかもしれない。工事の許可は出したつもりはない。近くの歯には工事が行われる事について説明をして同意を得ることができたのだろうか。
歯について真剣に考えることはなかったがよく考えてみると結構おかしい。骨なら骨折してもまた再生する。何故骨にできて歯にはそれができないのだろうか。欠けたら欠けっぱなし、抜けたら抜けっぱなし。一点モノ。再生産も修理もできない。人類の設計者は僕たちが豆腐しか食べないつもりで作ったのか。
歯医者とかでよく見る"歯を磨くワニ"。あいつらは歯が抜けてもすぐ新しい歯が生えてくるタイプの生き物だ。よく考えてみるとニコニコしながら歯を磨いている。「ま、一本ぐらい抜けてもすぐ新しいの生えてくるから平気平気。」と思っているのだろう。歯に対する価値観が僕たちとは違う。だからアイツらはヘラヘラしながら歯を磨けるのだ。せいぜいテキトーに磨きやがれ。
だいたい乳歯から永久歯に生え変わるタイミングが早すぎる。小学生のうちに生え変わるなんて普通に考えてペース配分おかしい。「人間五十年」と唄った第六天魔王から見ても早すぎるはずだ。その結果、永久歯に大きすぎる責任がのしかかる。"永久"なんて言葉そう易々と使うな。"別れ"とか"後悔"に使え。
歯医者に行くのを渋っているうちに左上の奥歯も痛むようになってきた。これは一見ピンチのように思えるが、そうではない。上下セットで痛いということは「食いしばりすぎ」という線も考えることができるからだ。
言いたいことは大抵言わせてもらってきた人生だったが、ここ最近は時代や環境のせいで言いたい事も言えない世の中だ、と感じることも多い。(poison)
あまり自覚はないが、多分知らず知らずのうちに食いしばっているのだろう。
かかりつけの歯医者の娘さんと話すことがあった。僕は、歯の痛みとその原因が歯の食いしばりすぎであるという考察を聞いてもらった。
「あーそうですねー。多分そうです!」
と言ってもらえた。原因がわかると少し気分は楽になる。家で歯の話なんかしたこともないらしいが、歯医者の娘さんなのだから間違いはないだろう。
スケジュール帳に歯医者と赤い筆ペンで書くつもりだったが、一度白歯に戻そう。今回はゲン担ぎを兼ねて紙ではなく歯で"はくし"と読ませてもらう。
ちなみに僕の親知らずは真横に生えているのでいずれ歯医者に行くことは確定している。そしてXデーはそう遠くはない。親知らず、というネーミングにも些か不満はあるがそれはまた別の機会に。
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